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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2016.10.29

100人100色ー自分の心の声と向き合いながら業種を超えて様々なことに挑戦し続けるー小川雅代さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、東京都北区赤羽にお住まいの小川雅代さん(48)をご紹介。
「若い頃は刺激的な毎日を過ごしていました」と今は落ち着きを語る方が多い中、今まで自分が学んできたことを仕事に変え、現在も昔と変わらず刺激的な日々を送る彼女。そんな彼女に行動を起こさせる理由や仕事観のお話を伺いました。

 

幅広く活躍されていますが、これまでのキャリアを教えてください。

2016年の1月まで21年間、テレビ番組の制作をしていました。番組ディレクターとして主にミラノ、パリのファッションショーを取材してきました。
最新のファッションとクリエーションの現場を見ることが出来て、とても刺激的でした。
24時間仕事中心の生活で、会社に寝泊まりすることも多々ありましたが、好きなことをして充実していたので、独身で融通の利く状態が都合良く感じていましたね。

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‣イタリア取材のとき

仕事の都合で約束が出来ないので、友達と遊ぶ機会も少なかったけど、あまり寂しいと思っていませんでしたが、会社員を辞めて初めてちょっと特異な環境だったなと感じるようになりました。

東日本大震災をきっかけに価値観が180度変わり、これまで嫌いだったことをしようと思いスポーツジムで運動を始めたら、これが意外と楽しくて体のことに興味を持つようになり、それから整体師の勉強を始めることになりました。

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‣整体師学校の友人と

現在は民間資格ですが、ボディケアセラピストの資格を取得し、個人で施術も行なっています。
また、映像ディレクターだけでなくイラストレーター、講演など、会社員として番組制作の仕事で培ってきたことを使って様々なことに挑戦しています。
最近では、犬と人が美しく楽しく暮らせるものやコトを提案するブランドでキャラクター「うのっち」のイラストを描かせていただきました。

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‣「うのっち」のイラスト

 

これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

忘れられないエピソードがたくさんあって1つに絞れないのですが、まず1つめは2005年に行ったアルゼンチン取材。
当時はパリやミラノ、NY、ロンドン以外の都市で行なわれるファッションショーは全く注目されておらず、番組で一本特集をするなんて考えられない時期でしたが、「取材も撮影も1人でするなら行ってよい」との承認が取れて、H.P.FRANCEのバイヤーの皆さんと一緒にファッション・ブエノスアイレスへ行きました。
アルゼンチンのトップブランドTRAMANDOのデザイナーMartin Churba(マルティン・チュルバ)さんが、ブエノスアイレスの貧困街マタンサ地区で手がけているプロジェクトへの取材が印象的でした。地域のコミュニティーセンターで、貧しい家庭の人たちに縫製の仕事やパン作りなどの技術を教え、親が働いている間は子供たちは敷地内の学校で学べる仕組みを作るというものでしたが、豊かな日本しか知らない私には感慨深い撮影でした。
自分一人で取材も撮影も原稿作成も総てをこなしたことで、ディレクターとしての自信がつきました。

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‣MILAN撮影チーム

2つめは、2009年春夏シャネルのオートクチュールコレクションで、ドイツ出身のファッションデザイナー、かつ写真家のカール・ラガーフェルドにインタビューしたこと。
いつもはフランス人のインタビュアーがするのですが、会場に入れる人数の関係で急遽私がすることになりました。他の取材チームのインタビューにマイクを突っ込んで収録しようと思っていたら、図らずもワンショットのインタビューになってしまいました。カールさんは、魂が抜け出そうに緊張している姿が面白かったのか、「まあ、シャンパンでも飲んで落ち着いて」と優しく対応してくれました。
そうして始まったインタビューでは、拙い英語でとんちんかんなことを聞いたのでしょう、開口一発「NO」と答えられて頭の中が真っ白になった私にわかりやすく説明をしてくれましたが、その時に相手の考えを引き出すには、「NO」から始まるのも悪くない手法だと思いました。

3つめは2007年に亡くなられた山口小夜子さんとの出会い。
ディレクターになりたてだった頃、東京の若手デザイナーの番組を作りたくて小夜子さんに出演をお願いしました。それ以来、何かと可愛がっていただいて何度かお仕事をご一緒させていただきました。若くて未熟な私たちにもきちんと向き合ってくださり、仕事をすることとはどういうことか、自身に対するストイックさや美意識、立ち居振る舞いなどを教えていただいたことは一生の宝となりました。
昨年公開されたドキュメンタリー映画「氷の花火・山口小夜子」(松本貴子監督作品)の制作にあたって、お手伝いをさせていただきました。ほんの少しですが、ご恩返しが出来たような気がして嬉しく思っています。

 

これまでにぶつかった壁はありますか?乗り越える秘訣があれば教えてください。

仕事の壁に関して言えば、日々壁だらけだったと思いますが、目の前にあることを順番にこなしていったら次へ進んでいたという感じです。
優先順位と筋道を間違えなければ概ね上手くいくし、始まったら必ず終わると思ってやっていました。
ある時期から大事な仕事の時は、お守り代わりのアクセサリーを「仕事の神様」として身につけるようになりました。イワシの頭も信心からかな、と。(笑)

 

これまでに多くのチャレンジによって活躍の幅を広げられたようですが、これかれさらにチャレンジしたいことはありますか?

まずは今勉強中のweb制作の知識をつけること。
前職で身につけた映像の知識にプラスしたら、ちょっと先のことが見えるようになるかなと思ってやっています。
それが終わったら動物へのボディマッサージを勉強したいです。

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‣映像編集中

 

小川さんにとって「働く」こととはなんですか?

『生きている限り続けること』でしょうか。
職業はその時々で変わるけど、働くことは変わらないと思います。
好きなことをして、それが誰かの役に立ったり、喜んでいただけたら幸せですね。

 

自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

心地よいこと。
身近な人との繋がりや、自分自身が精神的に気持ちよくいられること。
人をだましたり、搾取しようとする美しくない人とは、極力関わりたくないです。
同じ場所に集う人たちが楽しく笑顔でいる時を大切にしたい。
人生の中のほんのひと時、二度とない場を楽しく過ごすようにしたいと思います。

 

最後に、今後、小川さんのありたい姿と、そのために行っていることがあれば教えてください。

自分にとっての新しい働き方をしたいです。

社会人になって会社員しかしたことがないので毎日拘束されることは苦ではないけれど、今後また前と同じ生活サイクルで働くということについて考えたとき、50歳を目前にそれでいいのか?と疑問を感じました。今まではこうでなければダメだと思っていたことと違う「自分がどうしたいか?」を基準にした働き方が出来ないか模索中です。
そのために、まずは自分の中の声に耳を傾けるようにしています。

 
元々会社員として映像ディレクターをされていたところから、フリーランスでボディセラピストやイラストレーター、ライターとしてもお仕事をしていこうと、新しい働き方に挑戦されている小川さん。そんな彼女の選択の基準は「自分の心の声」。自分が心地よいと感じることの先に人との出会いや働き方が見えてくるのではないでしょうか。
チャレンジが止まらない彼女のこれからにどんな色がプラスされ、彩られていくかが楽しみです。

 

取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

 

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