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取材 2016.11.16

100人100色ーきっかけは東日本大震災。新事業で女性の活躍の場づくりを目指す元証券アナリストー廣田千晶さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、今年の8月に新事業を立ち上げたばかりの会社経営者、廣田千晶さん(39)をご紹介します。
自身を「周りのみんなのモチベーションを上げたい人」と表現する彼女に、新事業「Omote」に込められた女性の働き方への想いや、元証券アナリストが起業に至った経緯を語っていただきました。

 

これまでのキャリアや現在の仕事内容を教えてください。

大学を卒業後は、外資系証券会社で日本株のアナリストをしていました。アナリストは専門となる担当業種があるのですが、私が担当していたのはユニクロや無印良品、ヤマダ電機、マツモトキヨシなど、皆さんがよくご存知の小売業が多い、「専門店」と呼ばれる小売業種の業界や個別企業の分析です。日経アナリストランキングでは、小売業(専門店部門)で第3位を獲得しました。

アナリストを約12年務めた後に独立し、2013年に小売企業に特化したIRサポート、中期経営計画策定、M&Aのアドバイザーなどを手掛ける株式会社Hidden Gemsを立ち上げ、共同代表パートナーに就任しました。2015年には株式会社ピークパフォーマンスを設立し、2016年8月に美容や健康のスペシャリストによる、自宅への出張サービスプラットフォームサイト「Omote」を開設しました。eコマースが発達し、モノが自宅に届くまでのスピードや、モノ(の購入)と自宅の距離感がどんどん近くなり、今後は、在宅ワークなどが一般化する現代社会において、サービスの宅配が近い将来には当たり前になるのではないかとの仮説から、「Omote」では、「出張サービスの日常化」を目標に掲げています。
また、ファミリーレストラン「デニーズ」を展開する、セブン&アイ・フードシステムズの社外取締役をしています。

 

自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

仕事を通じて夢を実現させ、多くの人を幸せにする事業を展開することです。
「Omote」では、ネイルやまつ毛エクステ、マッサージ、ヨガ・ピラティスなどのトレーニングなど、美容や健康に関する各ジャンルの資格を持ったスペシャリストの方々にご登録いただき、それらのサービスを出張で受けたいお客様が、「Omote」のウェブサイトで簡単に予約・決済ができるサービスです。
出張サービスですが、お店と変わらないお値段でサービスを受けられます。ご自宅でリラックスしてサービスを受けたい方はもちろんのこと、例えば、小さなお子さんがいて、物理的に頻繁に外に出ることの難しいママが、ご自身のメンテナンスのためにご利用いただくことも可能です。現在、シッターサービスの併用も検討しています。
また、私自身も利用していますが、忙しく働く女性にとっては、例えばフットネイルを自宅で受けながら仕事ができるなど、時間を有効活用しながら自身のメンテナンスをすることができます。


▶自身でも利用中ヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなど、カラダを動かすことで、気持ちをリセット

マンションの共有スペースなどを利用して、ヨガ・ピラティスのグループレッスンも格安で受けることができます。今後、企業のストレスチェックが義務化される中、従業員の心と身体の健康サポートを目的とした企業向けのヨガ・ピラティスのグループレッスンも展開していきたいと考えています。

 

これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

証券アナリストになりたての頃、推奨した株が暴落した際に投資家さんに頭を丸めろと怒られました。本来、投資は投資を決めた方の自己責任ではあるものの、私の提案がお客様に多額の損失を負わせてしまう結果となったことに深いショックを受け、自分を責め続けるうちに、仕事が思うようにできなくなった時期がありました。
精神的に苦しかったですが、この壁はより良い提案ができるように自分が精進することでしか超えられないことに気づいたんです。企業調査に没頭し、調査の質を高めようと努力するうちに、それが自信を取り戻すきっかけとなり、壁を乗り越えることができました。

 

今後、あなたがありたい姿と、そのために行っていることがあれば教えてください。

「Omote」を展開する株式会社ピークパフォーマンスのミッションは、Empowering Womenです。その意味は、「常にイキイキと輝く女性が活躍する場を創造し、世界をもっと美しく豊かに、潤いに満ちたものにする」ということ。
結婚や出産を機に正社員を続けることが難しく、離職してしまう女性もまだまだ多いです。手に職を持つ女性が自活でき、ライフステージの変化に応じて働き方を自由に変えられる、新しい働き方が可能なプラットフォームを創り上げることに、現在女性4名のチームで奮闘中です。

私自身、このミッションを掲げるに相応しい女性でありたいと思っています。単にバリバリ働くのではなく、女性らしいしなやかさを大切にしたいと、日常的に身体を動かしたり、内面を磨く努力をしています。

 

あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りがあれば教えてください。

You are what you eat. カラダに良いものをいただくことです。週に1度酵素玄米を1升分炊いて、毎日酵素玄米を食べています。


▶毎朝グリーンスムージーも手作り

カラダが喜ぶものを美味しく頂くことを心がけています。

 

これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

直接的な仕事のエピソードではないのですが、仕事を通じて自分が貢献したいことの価値観が変わったエピソードをお話ししたいと思います。

もともと、証券アナリスト(サラリーマン)時代から、漠然と将来的には起業したいと考えていたものの、日々の業務や、自分の目の前のお客様であるプロの投資家さんにサービスすることで手一杯になっていました。
もちろん、投資のアドバイスをさせていただくことで、その投資家さんだけでなく、その方に資産運用を任せていらっしゃる個人の方にも間接的に貢献できることや、担当する事業会社さんに対しても、正しいと自分が思う価値を投資家さんにお伝えし、実際に投資していただくことで、貢献できる素晴らしいお仕事に就かせていただいていたとは思います。

そんなときに、東日本大震災が発生しました。改めて、人生は有限であり、自分が与えられた時間で何ができるか、何をしたいかを考えさせられました。そして、もっと新しい仕組みや方法を考えて、それを創造し発展させることで、多くの人に貢献する事業がしたいと強く思うようになりました。
その後も従来のお仕事は続けていたのですが、次第に想いが強くなり、また、一度考えると居ても立っても居られなくなる質(たち)なので、会社を辞めて、起業しようと決意しました。

 

あなたにとって「働く」こととはなんですか?

母が専業主婦だったためか、時代観かは分かりませんが、幼い頃から父には「将来一人でも生きていけるように自活する術を持ちなさい」と言われてきました。そのせいか、私にとって働くことはとてもプライオリティが高く、自己実現の場でもあります。

アナリスト時代には、個人資産を運用するプロの投資家さんに対して投資アイディアを提供することで、間接的には多くの人々に貢献できたかもしれません。30代半ばになり、もっと世の中の多くの人々を幸せにする事業に携わりたいという思いから、起業を考えるようになりました。
また、企業経営のコンサルティングの仕事を通じて、トップマネジメントの方針や組織の仕組み如何で、その組織に属する個人の成長が大きく変わってしまうことを強く実感させられました。

私にとって、働くことは自己成長の場でもあると考えています。社名であるピークパフォーマンスは「最高の自分」を意味します。会社に関わる全ての仲間が、互いの個性を尊重し、「最高の自分」を遺憾なく発揮できる環境にこだわり、働くことをワクワク楽しく、成長に満ち溢れたものにする―企業経営に携わる者として、自己成長の場を与えられる組織づくりを心掛けたいと考えています。

 
————————————
 
廣田さんが起業に向けて動き出したきっかけは、多くの人が価値観を変えた東日本大震災でした。自分自身のキャリアを振り返り、これからを語る言葉からは、厳しさにも似た強さを感じます。しかし、周りの人や女性の活躍の場を作りたいというへの想いを聞いていくうちに、それは厳しさではなく情熱なのだとわかりました。きっと廣田さんはこれからも、その情熱と経験、そして才能で、周囲の人々のモチベーションを上げ続けるに違いありません。

 

 

(黒文字)100人100色

いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトとの共同記事です。

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