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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2016.12.26

100人100色ーペットロスや脱サラを乗り越え、大好きなイヌネコの保護事業を立ち上げた女性ー矢沢苑子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、イヌやネコの保護活動をしている矢沢苑子さん(43)をご紹介します。
ご自身を「世の中にネコがいなければきっと生きていけない」と表現する矢沢さん。そんな思いから、イヌネコの保護活動をする一般社団法人LOVE & Co.を立ち上げました。また、寄付だけに頼らず長期的に運営を続けるために、コーヒーや雑貨ブランドを展開し、事業利益をシェルター運営費に充てています。
会社員だった彼女が、なぜ保護活動や一連のビジネスを立ち上げたのか。ネコへの熱い愛情とともに、たっぷりと語っていただきました。

―これまでのキャリアを教えてください。

デザイン科の高校を卒業後、設計会社への就職が決まっていたものの、渋谷にあった大好きな雑貨屋さんで働きたい気持ちが抑えきれませんでした。それで就職を辞退して、アルバイトとして雑貨屋さんで働きはじめたんです。発注・陳列・ディスプレイなど、様々なことを任せてもらえ、とても楽しい経験でした。

そして一人暮らしを始め、一代目のネコのノンノンとの生活がスタート。とても狭い部屋だったので、その頃から「将来ノンノンと楽しく暮らせる、広い一戸建てが欲しい」と思うようになったんです。
そのために20代の頃は昼も夜も掛け持ちで、派遣やらバイトやら働きづくめの生活を送っていました。結婚・離婚も20代で経験。30代になってから、あるご縁で短時間だけ働きはじめたバイト先で正社員となり、10年間も働くことになりました。
そこはベンチャー企業だったので、新人だろうと未経験だろうとなんでもトライできる会社で、「これやりたい!」と言えば即担当者に。出る杭はめでられる職場だったので、本当にあらゆることを経験させてもらいました。

―ネコを愛してやまない矢沢さんですが、今までのネコとの暮らしや関わりはどのようなものでしたか?

多忙な暮らしをしていた頃、ノンノンは、わたしのストレスを肩代わりするかのように様々な病気を重ね、長い長い闘病生活を生き抜き、わたしの腕の中で天国へ逝ってしまいました。3ヶ月後、元気だった相棒のミニラも、ノンノンを追うように同じ病気で天国へ。その日は、理解ある上司のお陰でミニラのいる病院に駆けつけ看取ることができましたが、ミニラが苦しんでいる間、わたしは待合室で仕事をしていたんです。自分が初めて開発したシステムのリリース日だったんですね。最低の飼い主でした。

その後悔からペットロスと言うのでしょうか、睡眠薬を飲んでも眠れなかったり、会社に行っても過呼吸になってしまったり。当時の社長に「生きるためにネコを飼いなさい!」と、その場で手を引いてペットショップに連れて行かれそうになりました。結局、ペットショップで買うのは嫌だったので、里親サイトで元気そうなネコを探して2匹の兄妹ネコを飼うことになりました。

しかし、2匹とも白血病とエイズの陽性であることが飼い始めてからわかり、再び闘病生活がはじまりました。出勤前に動物病院へ寄って注射を打ってもらう毎日。朝、玄関を出るときに「会えるのは今が最後かもしれない」と思いながら会社に行っていました。帰宅できるのは深夜です。

妹ネコの空ちゃんは生後3ヶ月の短い命で、兄ネコの青はその半年後に天国へ。大切なものを失ってまでする仕事ってなんだろう…と思い、会社という組織から抜けることを決めました。

その後、20代の頃からやってみたかった地域ネコサポートをしたくて、近所でそんな活動している人がいないか動物病院で聞き、70歳のおばあちゃんと出会ったんです。地域ネコのご飯の餌やりや譲渡会のお手伝いや里親探しなどを手伝いながら、ネコに直接携わるだけがネコ助けじゃないんだな…という事を感じました。
おばあちゃんが苦手なインターネットを使ってポスターを作ったり、里親サイトでやりとりしたりしているうちに、自分の得意なことでできるボランティアの方が、楽しくて長続きするということに気づきました。そこから自分主体での活動を始めることになりました。

―現在されている活動を教えてください

現在はオフィス兼プチシェルターで、飼い主のいない犬猫を保護しながら、里親募集を兼ねたSNS連動型のコーヒーや雑貨ブランド「LOVE ME SHOP」を展開しています。事業利益をシェルター運営費に充てることで、寄付だけに頼らない、長期的に持続可能なソーシャルビジネスを目指しています。

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▶︎オフィス兼シェルター。保護数は敢えて増やさずオープンフリーで伸び伸びと生活しながら新しい飼い主さんを探しています。

会社を辞めた後にボランティアをやっていた時の気づきが今のLOVE & Co.の活動につながっています。

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▶︎LOVE & Co. ~一杯のコーヒーが犬猫を救う~LOVE ME SHOP

それからもう一つ。オーダーメイドできる骨壷やカバーのメモリアルグッズブランド「ehicolorful」を立ち上げました。
4匹の猫を天国へ見送ったあと、遺骨を手元供養していました。でも、その骨壷のデザインが好きじゃなくて。だから自分でいろいろと作っていたんです。当時はあの子たちのためにまだできることがあることがとても救いでした。
そして、私だけでなく同じような思いの飼い主さんがきっといると思い、そんな自身の経験から「ehicolorful」を立ち上げました。

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▶︎ペットのメモリアルグッズブランドethicolorful
 

―これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

「ethicolorful」は脱サラ半年後くらいに立ち上げたのですが、はじめの頃はホントに全く売れませんでした。オンラインショップに出品して3ヶ月間、1つも売れなかったんです。
全く違う業界で全く違うことをやっていた人が、別の新しいことを始めるー。始めるのは簡単ですが、買ってもらう、認めてもらうまでの道のりはとてもとても大変でした。
脱サラして食べていけるようになるまで3年はかかる計画ではいたのですが、お金がどんどん出て行く恐怖は想定外でした。少しでも足しになればと思って、アルバイトなどもしていました。

また、LOVE & Co.を立ち上げる前は、売上の1割が犬猫シェルター設立基金となるコーヒーBuddyブランドを展開していました。このブランドはある会社と契約し、 CSR活動のような立ち位置で展開しているものでした。Buddy立ち上げメンバーからお誘いいただき私もジョインしていたのですが、ある日突然契約を打ち切られ、打撃を受けたBuddyメンバーの煽りを受けて、わたしも突然仕事を失いました。Buddyブランドの商標権は会社のものでしたから、これまでに作り上げてきたブランドも商品も、これまで支えてくださったお客様との関係も失ってしまいました。

しかし、この仕事に意義を感じていましたし、ソーシャルビジネスはどういう人がやっているのかという事がとても大切です。いちからの再スタートとはなりますが、きっと応援してくださるお客様との関係は再び構築できる!と信じ、自分たちで立ち上げることにしました。
クラウドファンディングで支援を募り、事業計画書と毎日にらめっこしながら、公庫からの融資を受けたり、定期口座を解約したり。そしてオフィス兼シェルターを探し、商品を新しく準備して、なんとかLOVE & Co.をスタートすることができました。

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▶︎商品のモデルはLOVE & Co.の保護犬猫たち
 

―働いている時の貴方を「色」に喩えると?

ネコのお世話をしている時は桃色ですね、きっと。

一度仕事モードに入っちゃうと集中力持続タイプなので、ご飯もトイレも12時間くらいは行かずにぶっ通しで仕事しています。そんなときは眉間に皺が寄り、話しかけるなオーラをまとった、闇の黒って感じだと思います。

―これからチャレンジしたいことはありますか?

ヨガのティーチャートレーニングを受けているのですが、ネコヨガのティーチャーになりたいです。LOVE & Co.では、第一人者の先生に定期的に週末のワークショップでネコヨガを開催してもらっていますが、これがなんだか奥深そう…。
来年のティーチャー養成講座にはチャレンジしたいです。

―あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

脱サラして仕事のストレスが減り、人と飲みに行ったり浪費したりすることが極端に減りました。生活用品も意識して減らしていて、いつでもどこにでも移住できるようなコンパクトライフを送っています。
多少のストレスはネコと戯れていれば一気に吹き飛びます。

―あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りがあれば教えてください

頑張りすぎないこと。
わたしがストレスを抱えると、ネコらは敏感に察知しますし、わたしのストレスを全て引き受けてしまうほどの愛情をわたしに対して持ってくれているので、ネコらの幸せのために自分が幸せであることを最も大切にしています。

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▶︎現在は3.11の避難区域で繁殖した被災ネコ、ダッシュくんとシルブくんと暮らしています

ウチのネコたちを幸せにできないのであれば、他のネコたちなど幸せにできるはずがないですからね。

————————————
会社員としても妥協せずに全力疾走し、その中で次第に保護活動への想いを強めていったという彼女。一連の活動を「ネコへの恩返し」と表現していました。辛い出来事もバネにして、前へ前へと向かう彼女の姿は、とてもエネルギッシュでポジティブ。きっと彼女はこれからも、大切なネコたちと、幸せに前進し続けることでしょう。

 
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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