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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.01.14

100人100色―組織の中で自分のあるべき姿を模索し、会社の成長を支える。広報に取り組む会社員―中根範子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は東京都在住の会社員、中根範子さん(30)を紹介します。スマートフォンゲームの会社からWebクリエイティブ制作、Webメディア事業を手がける会社に転職し、広報を担当している中根さん。「広報」という仕事のあるべき姿を真摯に問い続け、ベンチャー企業での幅広い業務に取り組む中根さんの仕事への思いを伺いました。

―中根さんのこれまでの仕事について教えてください。

新卒で入社した会社で広報周りの仕事をしており、急成長の時期を経験。その経験を活かして広報立ち上げをやってみたいと思い、株式会社ノヴィータに入りました。
広報だけでなく社外リレーション構築、人事、自社事業であるワーママ・ワーパパ向けWebメディア「LAXIC(ラシク)」やWebディレクターのための情報サイト「東京WEBディレクターズガイド」の運営など、幅広い業務に携わっています。

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

前職では、スマートフォンゲームを提供している会社で広報や自社Web運営を担当していました。
ゲーム事業開始前に新卒で入社したのですが、その後上場して会社は急成長。社員数も在職5年間で5倍の800人ほどになりました。その変化を広報という経営に近い立場で見ることができたのは、何物にも代えがたくエキサイティングでした。

しかしちょうど会社への注目度が高まった頃、数ヶ月間一人で広報を担当しなければならない時期がありました。ミスが許されないといっても過言でないくらい緊張感のある状況で広報への期待も高く、それゆえに上司(前職の社長)に叱られることも度々ありました。それでもどうにか突破していかなければならず、広報歴・社会人歴が浅く力不足だった当時は非常に苦しかったです。
前職は変化が激しかったので柔軟な対応を求められ、大変な時も多くありましたが、ここで広報を経験できたこと、および社会人の基礎を作れたことは今でもよかったと思っています。

―仕事でこれまでにぶつかった壁はありますか?

現在の会社に入社した当初、広報やバックオフィスの存在意義を社員になかなか理解してもらえなかったことが大変でした。
担う役割が違うので致し方ないですが、お互いがわかるところを切り口に何度もコミュニケーションを重ねました。
社外から有益な情報を仕入れてきたり、「社員が成長する」ための勉強会などを積極的に行ったり、社員の発言を編集して経営層に進言したり、逆に経営層の思いを社員に伝えたり、経営層や社員にとって役に立つ人だと思ってもらえるような活動を心がけました。
あわせて、広報のことを理解している経営層から情報を社員に広めてもらうことで、少しずつではありますが存在価値を認識してもらえました。

現在はこの流れをさらに加速させて会社の成長につなげるために、経営課題に近いものを広報・社内施策に落とし、仕組みや基準の整備を進めています。

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▶社員の成長のために隔週で取り組んでいる勉強会。1年ほど運営している

―いまチャレンジしていることはありますか?

入社して半年ほど経って、ワーママメディア「LAXIC(ラシク)」のプロジェクトが始まりました。​代表取締役社長の三好もワーママ(ワーキングマザー)当事者になったこともあり、ワーママが必要とする情報やモデルケースを発信する必要性を強く感じ、取り組んでいます。時流に乗っていて広報的にも影響力があると思い、私もプロジェクトに参画しました。

三好をはじめ、編集者や事業責任者のワーママと仕事をするうちに、「そういえば前職でもワーママと一緒に仕事をすることが多かったな」と気づきました。ワーママでない自分が痛感するのは、「ワーママを体験したことがなく、どういう存在なのかわからない。だからワーママの訴えがわからないし、気遣い方がわからない」ということ。これまでは主にワーママ当事者が女性活躍について声をあげていたと思いますが、そもそもワーママが働きやすい世界にするには一緒に働く周りの人の支援がないと彼女たちが働きやすい環境を作っていくことは難しいのでは、という考えを持つようになりました。
現在はその経験を活かし、ワーママの周辺にいる立場の人間として、ワーママが働きやすい環境づくりについて考えたことを「LAXIC」のコラムで発信しています。

―中根さんがめざす仕事のあり方について教えてください。

私の目指す広報のあり方は「中から整える」広報。
見た目をコントロールするだけではなく、価値観の違う社内の人間と討議を重ね、社内調整を繰り返して、自社に合った方向性、中身、空気を作ることが多いです。

広報職を数年経験して感じたのですが、広報は「企業の見た目に近い部分」だけを手がける職種だと思われているふしがあります。それゆえに業務範囲が狭かったり、不足しているものを取り繕ったりといったことが度々あり、ジレンマもありました。
現在の会社では広報の価値を0から理解してもらうところから始めているので、その過程で経験を振り返りながら、Webを活用して企業向けに事業を行う今の会社に合った目的や、やり方を整理しました。

今までのキャリアを通して、広報は「もっと経営に近いところで、見た目を編むことにとどまらない影響力を持つ」というあり方がよいのではないかと考えています。これについては、経営層からの理解を得て挑戦しているところです。
経営層と距離感の近い小さいベンチャー企業だからこそ、もしかしたら何かできるのではと思っています。

―働いている時の中根さんを「色」にたとえると?

赤と白を行ったり来たりしている感覚があります。
業務的に社内調整が必須なのですが、真っ赤になりながらがむしゃらに熱量をもってぶつかることがある一方、そうでない時は色がなくて誰も見えていないのではないかというくらい、こっそりさりげなくやることもあります。
価値観が違う社員と衝突しそうになった際、必要な時は強く訴えますが、タイミングが悪く理解してもらえそうにない時もあります。相手の大事なものを傷つけたいわけではないので、そういう時には不用意な衝突はせず、他の人の力を借りながら推し進めたり、タイミングを辛抱強く待つようにしています。

―中根さんのプライベートについてお伺いします。お住まいはどんなところですか?

プライベートでは2013年に結婚し、子どもはおらず共働きです。
以前は郊外に住んでいたのですが、結婚を機に、もともと主人が住んでいた東京都心の便利な場所に引っ越しました。人も多くいる地域なのでとても住みやすいです。

人が集まっていて活気があって、常に新しいものが並ぶ買い物スポットやショッピングセンター、百貨店などが好きなんです。今の家も近くにそういう場所があって、ふらっと行けるのが便利で気に入っています。買うでもなく見て回っているだけで、なんとなく気分が上がりがんばろうっていう刺激になります。ミーハーなのだと思いますが(笑)

―ふだんの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

時々リフレッシュのために、夫婦二人で遠出をしています。日本ではメジャーな観光地にも行きますが、雰囲気が好みなところを巡っています。地元の人の生活を感じながら、カメラを持ってふらふら歩きまわるのが好きです。
昔行ったことのある場所でも、時を経て行くとまた、違った印象があったりしますね。
ごくたまに行く海外では、「文化の違い」を肌で感じ自分の常識が覆る瞬間があり、自分はまだまだ狭い世界で生きているなと思わされます。
日常では、本や雑誌を読むのが好きなので、タブレットとkindle、dマガジンは欠かせません。あとはフットマッサージャーも足が軽くなるのでよく使っています。
「身体は資本」と言い訳しながら、癒しグッズがどんどん増えています(笑)。

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▶時々友達に誘ってもらい、写真を撮りに出かけることも

―現在抱えている悩みや課題はありますか?

ゆくゆくは出産を希望しているのですが、自分がワーママ当事者になると、今のような「ワーママの周辺にいる人」という立ち位置ならではの感覚がなくなってしまうのではないかと思います。今はその立場で発信に注力したい関係上、タイミングをどうしようかなと思案中です。

―幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

出会う人に恵まれて、居心地がいいばかりか刺激もいただいていること。あと、後悔がない人生を歩んでいること。
過ごしている日々は決して美しくなく、理想に届かなくて苦しい思いもよくするのですが、苦しさをぶつける相手がいたり、気持ちが苦しくなるほど挑戦できる環境にあるのは幸せだなと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

インタビューからは、会社の中での自分の立ち位置や役割を冷静に見極めつつ、情熱をもって仕事に取り組む様子がうかがえました。「社会人歴が長くなってきたことも大きいと思いますが、できることとやりたいことがようやく一致し、仕事をおもしろく感じるようになってきました」と語る中根さん。価値観の異なる社員とも不用意な衝突をせずにじっくりコミュニケーションをとるという中根さんの姿勢は、組織で働く上での参考になるのではないでしょうか。
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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