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取材 2017.01.18

100人100色―「コンプレックスは学歴」。専業主婦からマザーズライフスタイリストに転身した3児の母―三橋聡子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、東京都世田谷区にお住まいの三橋聡子さん(46)をご紹介します。
マザーズライフスタイリストとして、子育てママに寄り添う活動をしている三橋さん。十数年間専業主婦だったという女性が、なぜ勉強を重ね、現在の活動を始めたのでしょうか。そのいきさつや今後について、そしてあふれ出るような家族への思いについて語っていただきました。

―これまでのキャリアや現在の仕事内容、家族構成を教えてください。

都内大手百貨店に6年勤めました。一度退職したのですが、結婚してからその会社に契約社員として再勤務し、妊娠を機に退職しました。
2000年に長男、2005年に長女を出産。2008年1月から夫の転勤に伴い、オーストラリアのシドニーへ転居。2009年にはシドニーで、次女を出産いたしました。

長男は小さい頃大変体が弱く、アレルギーもありましたので、24時間彼に向き合う毎日を過ごしていました。長女が生まれてからは、もうただただ忙しい子育ての日々だったように記憶しています。

そして、長男が小学校2年生、長女2歳の時に、夫の転勤に伴いオーストラリアへ引っ越しました。
程なく長男は現地の公立小学校に通い、長女は幼稚園、シドニー生まれの次女は週3日保育園に通いました。
何年かぶりに自分だけの時間を持つことがとても新鮮で、その時に出会ったシドニーのママ友は本当に人生の中でかけがえのないものとなり、今の私があるのも彼女たちのおかげだといつも感謝しています。

大きな転機は、子育てサークルで現地のママたちとの会話で「あなたは何をしている人?」という会話です。
彼女たちは、「妻であり、母であるのはこの自分」という、「自分」ということにとても意識を置いているようでした。それまでの十数年間、専業主婦でいた私はショックと不安と焦りを覚えました。

それまで自分のことにあまり向き合うこともせずに、ただただ目の前の子育てを必死にしていました。それに対して全く後悔はありませんが、時々感じる心のモヤモヤや不安はこの「自分に向き合っていないこと」なのかもと思うようになったんです。

渡豪の際、東京からたくさん絵本を持って行きました。毎晩子供たちに読み聞かせる時に、絵本から自分自身への気づきや癒しが得られることに気づき、2011年4月の帰国後に、絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト®と、成城心理文化学院にて認定カウンセラー、認定セルフコミュニケーション心理学ベーシック講師の資格を取得しました。

絵本セラピー for ママ
▶︎絵本セラピーforママ。乳幼児ママ対象の時には机に座らず、開放的な空間で心も開放してもらっている

現在は、「マザーズライフスタイリスト」という肩書きで、子育てママを中心にグループワークの絵本セラピー®、マンツーマンでのセルフコミュニケーション心理学講座、子育てカウンセリング、コラム執筆などの活動で、子育てママに寄り添う活動をしています。

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください

マザーズライフスタイリストになってまだ2年ほどですが、たくさんの子育てママにお会いしてきました。

ブランシュシュというウェブマガジンの取材を受けた時に、乳幼児のママであるインタビュアーさんが、インタビューの途中に「三橋さんとお話ししていると、心が解放されて自然に自分自身に向き合って、私の子育てこれでいいんだって思えます」と涙を流しながら笑顔で言ってくださいました。

「あぁ、やっぱり子育てママが好きで寄り添って活動して良かった。これからもこうやって少しずつでいいから、頑張っている子育てママの心を解放して柔らかくしてあげたい」と強く思うようになりました。

―プライベートについてお伺いします。お住まいはどんなところですか?

2011年に駐在先のオーストラリアから帰国した時に、長男12歳、長女7歳でともに帰国子女でしたので、諸々条件の良い公立小学校を探し、その学区内の住居を探して居を構えました。
また、災害時を考えて、夫が徒歩帰宅の範囲を考えました。とても気に入っています。

帰国後、知らない土地での子育ては、地域の皆様無くしてはできなかったことでしょう。大変感謝しています。地域活動として野沢龍雲寺こども書道教室の代表もしており、現在25名ほどの生徒がいます。

―日課、習慣にしていることはありますか?

早起きです。
5時半には起きて、6時半のラジオ体操も欠かしません。

子どもへの絵本の読み聞かせも日課です。毎日必ず読む1冊の絵本からは、心の引き出しを開けたり整理したりしてもらっていて、たくさんの子育てママに体験して欲しいと思っています。絵本は本当に気づきがたくさんです。

絵本イメージ
▶︎絵本セラピーはその都度テーマを変えて、絵本の冊数やそれに沿ったプログラムを作成。

―これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

私にとっての大きな壁は学歴です。

今まであまり話したことはありませんが、小学校からの夢は学校の先生でした。当然大学に進学するつもりで勉強していましたが、父の仕事の都合と経済的理由で断念。高校卒業と同時に大手百貨店に就職しましたが、大卒同期との待遇の違いに愕然としました。

受けたいのに受けさせてもらえない研修があったり、後から入社した後輩がやり甲斐や責任のある仕事を私より先にやらせてもらっている様子を見ると、なんとも悲しい気持ちになりました。

当時お世話になった上司や先輩のフォローがあったおかげで、10年は頑張って働こうと思っていましたが、6年間勤務して24歳で退職しました。大きな壁を乗り越えることができなかったパターンです。

百貨店での最後の1年は、事務職につかせていただいたおかげで、資格も取ったりしてとてもありがたかったです。退職後には資格を活かし、派遣社員の秘書として大手建設会社にて3年間勤めました。

結婚後は関西に引っ越しました。
最初に勤めた大手百貨店が京都に出店をしていましたので、買い物に行った時に先輩や後輩に再会し、「一緒に働こう」と声をかけてもらった時は素直に嬉しかったです。以前働いていた時の不義理もありましたし、恩返しができると思い、契約社員として再就職しました。

今でも、大卒という言葉にはコンプレックスがあります。
壁を越えるというか、壁に沿ってこのまま行こうと思います。年齢を重ねるにつれて、壁も低くなっているように思います。

―あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

自己肯定だと思います。

何か小さなことでも社会の役に立っているという自覚を自分自身で持つことで、自分に向き合い、自分を好きになって自然に笑顔になれて、周りも笑顔になれるという連鎖が生まれると思っています。

自分らしさをきちんと自分で意識するには、社会に身を置く必要があると思います。

―働いている時の貴方を「色」に喩えると?その理由は?

青です。

空の色は青く、見上げたくなりますし、見上げると気分が上がる色。
海の色も青で、生物誕生の源である海と、マタニティママのお腹の中は同じ成分と聞いたこともあります。水色も、ネイビーも、大好きです。

―今後、あなたがありたい姿と、そのために行っていることがあれば教えてください。

今は月に2、3回ほどの子育てママに寄り添った活動と、月に2回ほどのコラム、メルマガなどで皆さんが今よりもっと自分らしい子育てができるヒントをお伝えしておりますが、今後はもっと活動の回数と範囲を広げていきたいと思います。

多様化している子育ての中で、皆さんが今よりもっと自分らしい子育てができるようにご提案できる内容も深く掘り下げるべく、セミナーや講座への参加、または心理学の勉強も続けています。

―これからチャレンジしたいことや、チャレンジしたいけどまだできていないことはありますか?

チャレンジしたいことは、心理学検定1級取得です。2級は取得しています。

また、心理学は脳の勉強ですので、五感にも興味があります。心理作用があり、リラックスや美容のためのアロマテラピーなどで使用される精油の勉強もしてセミナーにプラスしたいと思っています。

まだできていないことは、営業活動です。小児病棟で入院をしているお子様ではなく、そのママ達に向けて絵本セラピー®をしたいとずっと思っています。
私自身、息子が5歳の時に入院し、心が壊れそうになった経験があります。その気持ちも共有できるかなと思っていますが、どの辺りからアプローチしていったらいいか常々考えています。

―あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください

息抜きは週1回の駒沢公園までのジョギングです。とにかく走るのが大好きで、できるだけ週末には走りに行っています。だいたい6kmほどですが、完全に一人時間ですので、思考の整理や瞑想に似た感じと、妄想もできるので楽しいです。

朝の駒沢公園
▶︎朝の駒沢公園。20代の頃はホノルルマラソンやトライアスロンにも挑戦したことも

あとは、最近習い始めた精油のブレンドです。心理カウンセラー、心理学講師として心理学の勉強を続けていますが、香りも脳に直接作用するものとして今とても興味を持っています。

精油の勉強
▶︎少しずつ勉強している精油。学ぶのは大好きとのこと

オーストラリアのオーガニックのもののみを使用していて、自分が今どんな香りが好きで、気分よくなれるのかと、自分と向き合ういい時間です。

―あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りがあれば教えてください

自宅の仕事スペースで一人作業することも多く、その日の気分でいろんなジャンルの音楽を聴いています。

仕事の友スピーカー
▶︎お気に入りのSONYスピーカー

せめていい音楽をと、数年前に夫から誕生日プレゼントで贈られたSONYのスピーカーで、お気に入りの曲を再生しています。

―幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

3人の子ども達との日々の生活です。

彼らがいるから私がいて、私がいるから彼らがいる今を意識しています。大きくなって巣立って行くまでのこの時間は本当に短いんです。
あとは、とにかく太陽に当たることが子どもの頃から大好き。お日様に向かってヨガの太陽礼拝ができた時は、気持ち良すぎで幸せです。

―自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

「想い」です。

私にも想いがあって、家族それぞれにも想いがあって、誰にでも想いがあるんですが、忙しいとつい情報に流されてしまったり、本当はどういう想いなのかを考えられなくなってしまうことが、とても残念に思うからです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学歴がコンプレックスだと語る三橋さん。自分自身に向き合い、母として生きるほかの女性たちと向き合う姿からは、そんなことは全く感じられませんでした。きっとそれも、その時その時の“想い”を大切にして、できることに全力で取り組んできたからこそなのでしょう。優しさと自信を併せ持つ三橋さんは、空のような海のような、壮大な青さが似合う女性でした。

 
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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