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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.02.11

100人100色―育児と両立しながら、お客様の人生に寄り添っていく仕事を。ー成川由理さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都世田谷区在住の営業所長成川由理さん(45)です。生命保険会社のライフプランナーとして経験を積み、現在は営業所長として新人ライフプランナーの採用や育成に携わっています。14歳の長男、12歳の長女の母親として育児に奮闘しながらキャリアを築き上げた成川さんですが、仕事と育児の両立には大きな葛藤や迷いもあったといいます。これまでの道のりとこれからのビジョンについて語っていただきました。

―これまでの仕事の道のりについて教えて下さい。

大学卒業後、車の運転が好きだったことから地元岡山に戻り輸入車の営業の仕事をしていました。当時は仕事が面白くてがむしゃらに働き、新人賞、社内トップレディー賞、そしてメーカー表彰と実績を出していました。

しかしお客様の人生に寄り添った仕事がしたい一方、実績を出すことを追い求める自分もいて、葛藤がありました。

そんな時、あるお客様の言葉をきっかけに転職を決意し、教育系出版社へ。転職先では編集や新規事業の開発に関わりましたが、その間に結婚し子どもを授かったことで役割が増え、仕事が充実する一方で働きながら子育てする大変さも経験しました。次の世代も同じように苦しむのでなく、そこに寄り添うような仕事がしたいと独立を考えていた時に今の会社からお誘いをいただき、雷にうたれたような気持ちで転職しました。

ライフプランナーとは、お客様の人生に寄り添い、ライフプラン(夢)の実現を経済基盤も含めてサポートするお仕事です。ソニー生命保険にてライフプランナーを2年半経験し、今はライフプランナーを自ら採用・育成する業務に挑戦しています。

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▶ママ向けマネーセミナーの様子
 

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

大学卒業後に輸入車の営業の仕事に就いた時のことです。車が日常生活に欠かせないライフスタイルの人たちにとって、車の中で過ごす時間は長いもの。車は移動の手段ではありますが、そうは言っても移動は一日の中でかなりの時間を占めます。その時間と空間がより充実した人生をお届けしたいという想いで入社を決めました。

いざ配属になれば、一年目は新人賞。二年目は社内トップレディー賞。三年目は社内と共にメーカーのトップレディ賞も受賞……、と一見華やかに実績が積み重なっていきました。しかし実際のところは忙しくて忙しくて、楽しいけど忙しく……。努力も怠らず、車の知識も男性トップセールスに負けないように勉強して……と、いつもトップギアでした。

4年目に入ったある日のことです。新人の頃に担当した母親くらいの年齢のお客様が、修理のために来社してくださいました。この方はいつも私とのおしゃべりを楽しみに来店してくださっている方でした。しかし商談が忙しく、修理の間に待ってくださっているお客様となかなかお話しができなかったのです。

結局修理が終わるまで時間がとれず、お車を引き渡すことに。その時にお客様に言われました。「すっかり立派になって売れっ子ね。すごいわ〜。でもちょっと寂しいわ。」と笑顔で。

言われた瞬間に、生まれて初めて涙がピュッと前に飛び出したんですね。下に流れるような涙でなく……。その時に初めて自分の心の悲鳴を感じました。じっくりお客様に向き合いたいのに、それに蓋をして目標を追いかけてしまう自分。トップで居続けることへのプレッシャー。

それがきっかけで本当の自分の価値観に気づき、人の課題やニーズに寄り添う職人さんのような生き方をしようと決意しました。そして転職したのが、教育系の出版社です。どう生きるかを深く考えた瞬間だったと思います。

―これまでにぶつかった人生の壁はありますか?

仕事の激務と子育ての大変な時期がぶつかった時です。

教育系出版社に勤めていた頃、子どもはまだ小さく保育園に通っていました。担当が編集から新規商品開発や新規事業開発に移行したことで、決まった範囲の業務でなく、目標に向けてできることは何でもやる必要に迫られました。それまでやったことのない販売基盤のお仕事、Web制作、販促活動などどんどん業務が増えていったのですが、子どもの保育園のお迎えや家事などがあり、残業があまりできません。日中は打ち合わせでほとんど時間がとられるので、作業はたまる一方でした。

となると、必然的に子どもを寝かしつけた夜の11時から家でPCを立ち上げ企画書を作ったりWeb制作の仕事をしたり、メールに返信をしたり……。夜が明けてくると焦って数時間布団に入るような毎日でした。そうこうしているうちに、子どもの不登校の問題が起きたのです。小学校に入学した子どもは、保育園と小学校の環境の違いや先生とのコミュニケーションのすれ違いで限界が来てしまったようでした。

出社しなきゃいけないのに、子どもは学校に行きたくないとぐずる、体調が悪くなって寝込む。「どうして私だけこんな思いを……」と一人で苦しんでいました。外で頑張ってしまう性質なので、会社を出た途端に帰りの電車で過呼吸になることも時々ありました。不思議と会社では全く起きないのですけど……

そんな折、とあることがきっかけで、子どもに「僕は悪い子だよ。でもどんなに悪い子でもママだけは味方でいてよ〜。」と泣かれたんです。その時に自分の親としてのミッションが何か、初めてわかりました。泣きながら子どもを抱きしめた記憶があります。育てる人でなく、教育する人でなく、どんな時でも味方でいる人。それを優先できる生き方に変えなければと実感しました。

その後転職をして現在の仕事に就いたのですが、過去の仕事はどれを振り返っても大好きです。壁には何度かぶつかりましたがその経験がすべて後に活かされています。壁は未来へ必ず活きてくると確信が持てるようになりました。

―あなたがありたいと思う姿と、そのために行っている努力について教えて下さい。

今は、相談にいらしてくださる人に対して、その方が抱えている課題や私ができることを考え、解決策を探して一緒に前に進むことに注力しています。

好きな人と仕事し、好きな人とつきあい、素敵な方と素敵な方を繋ぐ。これを続けているとまた素敵なご縁がやってくる。本当に不思議なのですが、それが心地よい生き方だなと感じています。

ただ、今はマネージャーになり、環境や業務が変わったことで家族への時間の比重が下がっているのが悩みです。子どももあっという間に成長して、遊びたくても遊べなくなるかもしれません。だから、家族との時間を意識して増やしていきたいと思います。家族が幸せじゃないと私も幸せになれませんからね。ここは優先順位をつけて組み立てなければ、完全に時間をコントロールできた状態になりませんね。

―息抜きやストレス発散の方法を教えて下さい。

アクセサリー、石鹸、お化粧品などモノづくりに没頭すると、とても心が満たされます。もともとは長男が生まれた時、お肌が弱くて常に肌をかゆがったりかぶれたりして泣くかぐずるかしていました。病院でステロイド系の薬をもらうとすぐ治るのですが、止めると悪化。「薬が嫌なら私が作ろう!」そう思って手作り石けんやクリーム作りにはまりました。

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▶熟成中の手作り石けん

いろいろな素材や作った感触を試しているうちにオリジナルレシピを考えたりして、そうして没頭したり、作ったものの効果を感じたりするととても楽しくて。それまでは一番の息抜きやストレス発散は運動だったのですが、もう一つの楽しみを発見しました。

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▶︎娘と一緒に作ったパパへのブレスレット
 

―日ごろから日課や習慣にしていることはありますか?

朝、目覚めてすぐに簡単なエクササイズをしています。ダイエットコーチをしているお客様から教えてもらって毎日実践しています。簡単で即効性があり、取り組んで2週間で4cmウエストが細くなりました。
寝る前には、股関節を柔らかくするエクササイズ。やはりダイエットヨガの講師をされているお客様から教えてもらいました。

また、パワーストーンのブレスレットを大切にしています。お客様でヒーラーをされている方からいただいたものです。通常は相手から読み取れるメッセージから1本作るのだそうですが、私の場合は対極のメッセージが2つ読み取れたらしく、2本作ってくださいました。私が大事にしている「対極をバランスよく持つ」という考え方について、話してもいないのに感じていただいたようで驚きました。

こうやって振り返ってみると、仕事を通してできたご縁が私に合った必要なものを運んでくれてきていますね。

―幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

好きな人たちと美味しいものを飲んで食べて笑っている時ですね。

子供が保育園に通っていた時の同級生ファミリーとは、保育園を卒業して6年目になりますが、今もおつきあいがあります。子供の成長も一緒に見てきているし、子育てと仕事で大変な時にも声を掛け合ってきたこともあり、一緒に成長している仲間です。
ママ会、パパ会、ファミリー飲み、年に何回かワイワイ会いますが、お互い夫婦げんかも目の前でできるくらい気を許している関係です。そんな仲間たちと日々のことを話しながら子どもたちは子どもたち、ママはママたち、パパはパパたちでテーブルを囲んでいる時が幸せですね。

一緒に生きる仲間がいることに感謝だな〜と感じます。

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▶同級生ファミリーとの集まり
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー
成川さんは自分の人生の価値観や仕事と育児の両立について、悩んだり葛藤しながらも道を切り拓いてきました。将来について「自分がこの仕事をリタイヤしたら、今度は子どもたちが輝く“子どもカフェ”を作りたいと思っています。子どもたちが生きるために大切なことをここで学んだり、自由にくつろいだり、イキイキしている社会人に出会ったり。そんな場を作っていきたいです」とも語ってくれました。自分自身の葛藤を乗り越え、未来の子どもたちの人生に思いを馳せる成川さん。そのまなざしの優しさが、多くのお客様が成川さんを慕い、信頼する理由のひとつでもあるのでしょう。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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