知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.02.03

山の上の珈琲屋『豆岳珈琲』に気づかされる、暮らし方のヒント

Pocket

みなさんはどんな暮らし方をしたいですか?
誰かの暮らしを垣間見ることで誰かにとっての何かになりますように。

今回は、都会暮らし大分県中津市、文字通り山奥にひっそりと佇む『豆岳珈琲』。10年この地でお店を営む古岡さんご夫妻にお話を聞いてきました。

「豆岳珈琲」は大分県にある山の上の珈琲屋、決して山小屋ではありません。
珈琲豆の焙煎を行い、小さなカフェスペースもある珈琲屋。この「豆岳珈琲」には地元の方々はもちろん、九州の各エリアから、ひいては全国からお客さんが足を運んできています。
山奥の小さな珈琲屋は、なぜこうも多くの人を惹きつけるのでしょうか?そこにはただ珈琲が美味しいだけではない、日々を楽しむ暮らし方のヒントがありました。

田舎の良さを再発見

「豆岳珈琲」は夫婦二人で2007年にゼロからはじめた小さな珈琲屋。お店のある大分県中津町耶馬渓町は、旦那である大岳さんの故郷。大岳さんは一度は故郷を離れ、長く東京で勤めていました。
8ed0b69e464fb84a1c4052738c121b67(焙煎とグッズ販売を担当する古岡大岳さん)

「田舎もいいところだけど、東京の方が良いと思っていました。けれども、妻が一緒に実家に帰った時に良いところだと言ってくれたんです。小さい頃はなんとも思わなかったんですが、私と違ってずっと東京で暮らしていた妻からそう言われて魅力に気付かされました」

東京ではCM関連の制作の仕事をしていたという大岳さん。CM制作と珈琲屋、そのギャップが気になるところ。

「CMは億というお金が動くのに対して、珈琲は一杯300円ですからね(笑)。CMで使った珈琲が美味しくて興味を持っていたんですが、仕事の業界の傾きと珈琲への興味がクロスしていきました。石川県の友人の珈琲屋も田舎で成り立っていたので、地元でもできるんじゃないかって」

そう思い立ってからは、その友人のお店で予行練習の意味も含めて修行。何もないところでお店をやるということの良さを認識したんだそうです。
4d7030f6e0ee7a38679bd31890e68f8c

夢は山のように大きく、けれども足元はコツコツと

田舎の山の上という立地でも、豆岳珈琲には日々幅広い層のお客さんが足を運びます。

「耶馬渓町は九州の主要都市からアクセスが1.5時間程度で、来やすい方なんです。都市の方々にとってはそういう意味でも魅力的なところなんだと思います。そして、このあたりの田舎はインスタントコーヒーや缶コーヒー文化だったので、しっかり淹れた珈琲がすごく珍しかった。だから老若男女、どんな人でも来れるし実際に来ていただいています。 山の上ということで、自転車乗りのお客さんがお店をゴール地点としてやって来ることも多いですよ」
e58e84b869d6c0d64a364789640ec9cc
「岳」という言葉入っているだけで、山好き、アウトドア好きを惹きつけるものがあります。実際、編集部もお店に辿り着くまで美しい耶馬渓の自然を堪能、その後にいただく珈琲は格別でした。それにしても、前述したが珈琲が一杯300円という価格設定はチェーン店でもないのに非常に安いと感じます、ここにご夫婦の考え方が反映されていました。

「最終的な目標は高いですが、そこまでの設定は低くするようにしています。そうすると小さいことが楽しくなってきます。それをお客さんも感じて楽しくなってくれますし、気持ちがそうなると美味しいと感じてもらえるんです。300円という価格もそう、わざわざ交通費をかけて来てもらっているわけなので、トータルのハードルを下げるためにこの価格にしています。近所の人にも気軽にフラッと来てもらいやすいですしね」
a22e2158d1831be42850fc71c7838065(ドリップとスイーツは奥さんの担当)

「小さなことが楽しくなる」というのは生きていく上での知恵とも言えます。日々の生活で楽しさを感じることができるかどうか。楽しければ笑顔になり、笑顔でいれば何事もポジティブに考えられる。その連鎖が自分自身のみならず周りの人たちをも幸せにする。「ここに来ると、ここの珈琲を飲むとなんだか幸せな気持ちになれるんだよな」と思える場はそう多くはないでしょう。
189da3c6badea0185c01a5631f235cfe
もうひとつ、「豆岳珈琲」という店の名前もそんな考え方を象徴しています。

「名前が大岳なので、大岳珈琲でも良かったんですがちょっと壮大過ぎて。けれども目指すところはまさに大岳、大きい山を目指して登っていきたいと思っています。そのためには長く続けなければいけません。だからまずは小さいところからコツコツ、という意味を込めて『豆岳』としました」
36add2026375c10ffa09f397770c3417
どんなに高い山でも、山頂に登るには一歩一歩、少しずつ歩んでいくしかない。そのプロセスが楽しく、幸せに感じられるなら登山は全体を通して素晴らしい時間になる。そんなことを登山をされる方は感じることがあると思いますが、それは登山に限らず、日々の生活においても言えること。驚いたことに、豆岳珈琲からは標高600メートルの「大岳」という山が実際に見えるのだそうです。

生活のまんなかに

「『無理をしない』というのも大事なテーマとして掲げています。例えばお店の営業時間ですが、この営業時間はお店の営業時間でもあり、私たち二人の営業時間でもあるんです。だから営業時間外は極力私たち自身もお休みしています。逆に、どんなに天気が悪かろうが、お客さんが来そうもない日でも、営業時間はお店を開けているようにしています」

豆岳珈琲が多くの人を魅了するのは、珈琲自体が美味しいことはもちろん、ご夫婦二人のブレない軸によって作り出される空気感、居心地の良さなのでしょう。「自分もこんな風になれたら」と思って通うお客さんもいるのではないでしょうか。

「自分たちが楽しくいること、これがとても大事だと思っています。スイーツだって自分たちが食べたいものを作ります、食べたいものじゃないとそれがお客さんにも伝わりますから」
ca461e2272cf89cb19b5728e69700a3e
「豆岳珈琲」という店の名前には前述したもの以外にも意味があります。

Mametake
Coffee

それぞれの単語の頭文字の「M」と「C」は、「Mid(中央の)」「Center(中心)」の頭文字でもあります。名刺やお店の紹介には「コーヒーがまんなかにある生活を」という想いが込められ、この「MC」が強調されて表現されているのです。
37491503f8eabbe469942bc1383f4e2b
ただ、今回の取材を通してまんなかにいるのは珈琲だけではないと感じました。自分たちの考え方でお店を運営し、日々を楽しんでいるお二人。そんなお二人が作り出す豆岳珈琲というお店自体が、人々のまんなかにいる憩いの場であり、ひとつの心のよりどころ、多くの人が生きるヒントを見つけに来る場なのではないでしょうか。

ぜひ美味しい珈琲を飲みに、暮らしのヒントを見つけに訪ねてみてください。
その際は、道に迷う前にお早めにお店にご連絡を。

『豆岳珈琲』
_____________________
〒871-0431
大分県中津市耶馬渓町大字大島3818-1
TEL&FAX:0979-56-2508
e-mail:coffee@mametake.com
URL:http://www.mametake.com
営業時間:10:00-17:00 月曜・火曜定休
_____________________
(写真:小澤彩聖)

記事/.HYAKKEI
スライド1
.HYAKKEIは「自然を楽しもう!」をコンセプトに、暮らしと自然を楽しむ自然指向のライフスタイルプラットフォームです。日常の暮らしから休日のアウトドアまで、自然に触れる楽しさをお届けします。
ホームページ

Pocket

コメント

コメント欄


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

instagram-iconみんなのInstagram

人気の記事

2017.11.22

乳・卵フリーの簡単おやつ『きなこのほろほろクッキー』

2017.11.21

日本全国文化旅!『長崎県〜独特な風習やしきたりを知る〜』

2017.11.16

身近な発酵調味料でヘルシーに『砂糖不使用!全粒粉のベーグル』

2017.11.12

作り置き常備菜シリーズ『とまらない!ゆず大根』

2017.11.11

野菜たっぷり!『秋鮭のちゃんちゃん焼き』

2017.11.08

料理の甘味を作るのは、砂糖だけじゃない『知ってイイコト!みりんで風邪知らずの体を作ろう!』

2017.11.07

コンソメ不使用、素材の旨味たっぷりな黄金色のスープ!『鶏手羽元とゴロゴロ野菜の生姜ポトフ』

2017.11.06

暮らしの歳時記『11月の風物詩 酉の市の楽しみ方』

2017.11.02

気取らない日常風景こそが宝物!『ケノコト 親子フォト撮影会』開催

2017.11.02

~保存食のある暮らし~簡単にできる『自家製パンチェッタ』

編集部おすすめ記事

2017.11.22

もう覚えましたか?『新しくなった洗濯表示〜その覚え方のコツとポイント〜』

2017.11.16

~保存食のある暮らし~ビタミンたっぷりで風邪予防『ローズヒップハーブコーディアル』

2017.11.15

ズボラ女子のための『たった5分でできる簡単発酵トースト』

2017.11.12

新しい食との出会いを割烹で。姉弟で切り盛りする「モダン割烹 一の糸」谷奥 信太郎さんと女将

2017.11.12

子供に伝えたい日本の歳時記『七五三のお祝いに千歳飴を食べる理由』

2017.11.07

まるで自宅が試着室!『エアクロが提案する新しいスタイリングサービス「pickss」の楽しみ方』

2017.11.06

肉なしでも大満足!『揚げ車麩のみぞれ煮』

2017.11.05

甘味と酸味が何にでも合う!『トマトを使った調味料の種類・特徴・用途』

2017.11.02

ふんわりふっくらバストへの道!『1分未満簡単バストマッサージ』

2017.11.01

【ケノコトInstagram企画】11月の「日常のコト」を『#霜月のコト』で投稿しよう

月間人気記事

2017.07.16

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2017.09.06

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「さつまいも」の常備菜』

2017.03.31

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2016.08.11

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.08.24

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「キャベツ」の常備菜』

2017.08.31

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「玉ねぎ」の常備菜』

2015.08.07

部屋を彩る"緑"をおいた暮らし方『都内のおすすめ観葉植物店』をご紹介

2017.08.10

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「にんじん」の常備菜』

2017.04.05

どんなおやつを選択してる?『低GIなお菓子を選んでみよう』

2017.02.05

甘みがぎゅっとつまった『長ねぎをつかった作り置きおかず』