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新しいコト 2017.02.06

きっかけは義母から『おばあちゃんとお母さんが作る人気のバッグ』


Beyond the reefというバックグランドをご存知でしょうか。
女性ファッション誌に取り上げられたことをきっかけに注目が集まっている「Beyond the reef」のニットバッグ。立体的な編み目が特徴のもこもことしたクラッチバッグは、1万5000円~2万円を超える価格帯にもかかわらず、Webサイトで受注が始まるとたちまち売り切れてしまうほど。芸能人やモデルにも多くの愛用者がいる人気のブランドです。

このおしゃれなバッグを作っているのは、意外にもおばあちゃんと子育て中のお母さんたちだったのですよ。

きっかけは義母の編み物

横浜市内にあるコミュニティカフェ。店内の一角に編み物を片手にテーブルを囲む女性たちのグループがあった。

「そこはこの編み方がいいと思ったのよ」
「でも編み図の指定は違うからこれではダメだよ」

「じゃあマサコさん、これお願いね」
「はい了解」

若い女性とおばあちゃんたちが、編み方について熱いディスカッションを交わしている。この人たちこそがBeyond the reefのブランドを支える編み手の面々だ。
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Beyond the reefの商品を制作・販売するビヨンドザリーフは、代表の楠佳英さん(41)が2015年に立ち上げた会社。会社を始めたきっかけは楠さんの義母にあった。家族のために尽くしてきた人だったが、子どもが巣立ち、夫を亡くしてからは「毎日やることがない」と寂しさの募る生活。そんな義母が没頭していたのが編み物だった。

編み物を通して、義母がもう一度生きがいを見いだしてくれたら――。ファッション誌の編集者として活躍していた楠さんが、そんな思いからクラッチバッグのデザインを義母に渡してみると、おしゃれで素敵なバッグが編み上がった。その仕上がりは想像以上。その後、楠さんは思いつくかぎりのデザインを書き、義母がバッグに編み上げる。そんな日々が始まった。

いくつかの作品ができ上がった頃、同僚に見せると反応も上々。商品になるのではと感じた楠さんは、グラフィックデザイナーの義妹を巻き込みホームページを立ち上げた。

品質をどう保つか

最初は知人がポツポツと買ってくれる程度だったが、自分が編んだバッグが商品になることは義母の大きな喜びになっているようだった。楠さんはその様子を見ているうち、義母と同じように生きがいを失った人生に寂しさを抱えている人がほかにもいるのではと考えるようになった。実際に介護施設などを回ってみると、それは想像ではなく現実にある状況だとわかった。編み物を得意とする人も多い。

そこで横浜市のNPO法人が主催するコミュニティカフェ「いのちの木」で活動する「あみものサークル」に声をかけ、お年寄り3人を編み手として迎えた。
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メンバーが増えたところで本格的に商品作りをスタートしたものの、すぐに壁にぶつかった。編み物は編む人のクセや心の状態が出やすい。だから、品質がなかなかそろわないのだ。

商品として販売する以上、一定の品質を保たなければならない。そのため、検品を厳しくすることにした。規格どおりの寸法にならなかったものはやり直し、編み目が均一になっていないものもダメ。厳しい目で検品し、品質の基準に合っていないものは容赦なく落としていく。

現在、編み手としてはたらく宮川昌子さん(75)は、「悔しく思うこともありますけど、お客さんは高いおカネを出してこれを買ってくれるのです。自信をもって出したいですよね」と話す。Beyond the reefのバッグ作りにかかわるうちに、いつの間にかプロの編み手としての意識が芽生えていたという。「売れるって楽しいなあと思いましたし、社会の一員でいられる気がして、編むことが生きがいになりました」(宮川さん)。

子育て中のお母さんも活躍

編み手は今やおばあちゃんたちだけではない。子育て中のお母さんたちも含めて、約30人がかかわっている。普段は自宅で作業をして、週1回のペースで拠点に集まり、編み手の指導をしたり、仕上がりの検品をしたりする。

それぞれのペースではたらいているため、一人が作り上げる個数は少なく、大きな収入にはならないかもしれない。でも、空いた時間ではたらけるのが彼女たちにとってはありがたい。「子どもの用事がある時は仕事量を減らすなどこちらの都合で調整できるのでありがたいです」とスタッフの一人は話す。
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現在、Beyond the reefの商品は、イベントに出展することもあるが、基本的には自社サイトでの受注生産のみ。受注は5週間に一度、その数も300点までにとどめている。けれど、丁寧な制作を心掛けているため、この人数でも生産は追いついていないという。

会社設立から2年目を迎える今年は「編んでいる姿も見てもらえるようなリアルショップを出したいと思っています」と楠さん。海外進出も視野に入れている。Beyond the reefの人気はまだまだ続きそうだ。

ライター/宮本 さおり

記事/ハレタル
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