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女性 2017.02.08

100人100色ー高松移住後にはじめた料理教室が大人気に! 食への関心を深めたきっかけは、大病を患ったことー笠原奈津美さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、香川県高松市で料理教室を主宰している笠原奈津美さん(29)をご紹介します。
結婚をきっかけに香川県に移り住み、スタートした料理教室「ふんわり糀家」は、受け付け開始から数分で予約がいっぱいになる人気に。好きなものや人との出会いを大切にしながら仕事に向き合う彼女に、「今まで」と「これから」をたっぷりと語っていただきました。

―これまでのキャリアと現在の仕事内容について教えてください。

新卒の時には、地元の埼玉県にある私立大学の事務職員として就職しました。定年まで勤めるつもりで大学職員になったのですが、2015年の結婚を機に、5年間勤めた大学を退職し、香川県へ移住。主人との出会いによって急展開です。

元々料理が大好きだったこともあり、今では「発酵食料理教室ふんわり糀家」という屋号で料理教室を主宰しています。

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▶︎ある日のレッスン風景。レッスンで伝えているのは、手作りの発酵調味料の作り方、使い方、レシピ、活用方法など

ふんわり糀家は「ま・ご・わ・や・さ・し・い」(ま:豆類、ご:胡麻やナッツなどの種子類、わ:ワカメなどの海藻類、や:野菜、さ:魚や貝類、し:椎茸などキノコ類、い:芋類)+手作りの発酵調味料(塩麹・醤油麹・甘酒・味噌など)を使って、“家族と自分の健康のために、毎日食べたい作りたい発酵食料理”を提案する料理教室です。

―結婚をして“急展開した”という、現在の生活環境について教えてください。

香川県高松市で主人とふたりで住んでいます。まだまだ新婚なので、とっても仲良し。出会ってから結婚するまでの期間が短かったので、今でも恋人のような感じです。
出身は埼玉県で、生まれてから就職するまで埼玉と東京でしか暮らしたことがなく、いつか地元を離れてみたいと思っていました。

都会の暮らしにちょっと疲れていて、地方都市に住んでみたかったんです。東京ほどモノも情報もないけれど、生活するのに不便のない地方都市がいいなと思っていたら、香川県出身の主人と出会いました。

香川県のある四国って、もの凄く田舎ってイメージでしたけど、私の住んでいる高松市は、想像以上に何でも揃っていて便利だし、コンパクトでとても暮らしやすい街です。

まだ子供がいないので、相手の好きなことを尊重しながら生活しています。私はレシピ研究をしたり、ブログを書いたり。主人は趣味のジプシージャズギターの練習や、ライブをしたりと、それぞれが好きなことに打ち込める環境です。

―これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

今まさに壁にぶつかっている最中です。

ふんわり糀家をスタートして、ちょうど1年ほどなのですが、予想を超えるスピードで教室のことが広まっていて、たくさんの方が教室に来たいと言ってくれます。
香川県はもちろん、徳島・愛媛・高知・福岡・岡山・兵庫・大阪・和歌山・富山・静岡・東京・埼玉・神奈川など、全国各地からふんわり糀家に来たいと言ってくれる方がいるんです。
自分でもこの広がり方に、本当にビックリしていて…。でも、予約対応、テキストの作成、レッスン準備、片付けなど、全て私一人でしているので、教室に実際に来てもらえる生徒さんの数がかなり限られてしまっているんです。本当は来たいと言ってくれる方全員に、すぐにでも発酵食をお伝えしたいと思うんですけど、なかなかそうもいかず。需要と供給があっていなくて本当に申し訳ないなって…。

今は圧倒的にマンパワーが足りていません。だから、2017年は自分だけで頑張るのを辞めようと思うんです。ちょっとこの状況はひとりで乗り越えられるものじゃないなと。

なので、ふんわり糀家を一緒に運営していける講師を育てようと思っています。そして、2、3年後にはふんわり糀家でお伝えしている「ま・ご・わ・や・さ・し・い」+手作りの発酵調味料を使って、全国各地に“家族と私の健康のために、毎日食べたい作りたい発酵食料理”を提案する料理教室を作りたいんです。
わざわざ香川県に来なくても、発酵食をもっと身近な場所で学んでもらえるようになり、さらに全国各地にふんわり糀家の支部を任せられる人材も育てていけたらなって思っています。

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

初めてのレッスンで、申し込みフォームをブログに設置した時のことです。
申し込みが入るかドキドキしながら、ずっと携帯を握りしめていました。申し込みが入るとメールが届くように設定していたので、10分おきくらいにメールの受信確認をしていました。

まるで片思いの相手からメールの返事を待ち続けるかのような、緊張感とワクワク感でした。初めて申し込みが入った時は本当に嬉しくて、物凄く丁寧に返信をしました。
香川県に来てからまだ半年ほどだったので、友達も知り合いも少なかったし、私のことをどこの誰が、どうやって知って申し込んでくれたんだろうって思いました。
その方はそれからずっと教室に来てくれていて、しかも偶然にも徒歩圏内のご近所さんでした。

今ではありがたいことに、レッスンの募集開始から数分で予約が埋まるようになりました。しかし、初心を忘れず、レッスンに来てくれる方、お一人お一人に丁寧にお返事を書くことは変わりません。

―あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

「幸せの循環を創る」ことだと思っています。

元々食べることが大好きで、4年前に大病を患ったことをキッカケに、ますます食に対する関心が強まりました。
病気になった自分の身体のために出来ることは何なのかと考え、様々な健康に良い食べもの(青汁、ノニジュース、黒にんにく、サプリメント、スーパーフードなど)を試してみたものの、情報に振り回されるばかりで、なかなか続けることが出来ませんでした。
無理して続けるものではなく、意識しなくても毎日取り入れられるものは何だろうと改めて考え直した時に、おばあちゃん子だった私は、味噌汁、糠漬け、きんぴら、納豆などの昔ながらの食事が大好きで、それらは発酵調味料や発酵食品だということに気づきました。おばあちゃんが90歳を超えても元気だったということもあり、日本人にはやはり昔からずっと食べ続けてきた発酵調味料と発酵食品こそが健康に繋がるということを確信し、塩麹や醤油麹や甘酒などの発酵調味料を手作りして料理に使うようになりました。

そうしたら体の調子がよくなるだけでなく、心の状態も安定し、幸せだと感じることが増えました。

身体と心の調子がよくなったら、いろいろなことにチャレンジしたくなりました。やらないで後悔することだけは絶対に嫌だと思い、大好きな料理を仕事にするために勉強も始め、資格を取得し、週末に料理教室を開催するようになりました。そうやって少しずつ進んでいったら、いつの間にか日々の暮らしが幸せなことでいっぱいに。

こんな私の経験から、食事を正しく整えることが身体の不調を改善するだけでなく、心の安定をもたらし、日々の暮らしを幸せにすることにつながるということを多くの方にお伝えしたいと思うようになりました。
ふんわり糀家でお伝えしていることは、私の好きなことの塊です。

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▶︎ふんわり糀家で伝えているのは「好きなことの塊」

働くというより、好きなことをしているという感覚。好きなことをしているから自分自身が、心の底から楽しんで仕事ができています。

発酵食料理を学んだ方々から、「体調がよくなった」「家で作ったら家族が喜んでくれた」「食に対する意識が変わった」と言ってもらえています。お伝えした人だけでなく、家族や周りの人も巻き込んで、みんながハッピーになっているんです。元々は自分の体調のために始めたことが、今では沢山の人々のためになっています。

だから、私の中で「働くこと」とは、幸せの循環を創ることなんですよね。

―働いている時の貴方を「色」に喩えると?その理由は?

「黄色」です。
もっともっと発酵食の魅力や美味しさ、アレンジ方法を生徒さんに知ってほしい。時間が許すならばいろんなアイデアを共有したいし、プライベートなこととかもざっくばらんに話したい―と、レッスンしている時の私は、とっても楽しそうだと思います。

「レッスンの時間が本当に楽しくて仕方ない」、そんなワクワクした気持ちを色で表すなら黄色がぴったりかな。

―あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

普段の息抜きは、朝の散歩、自力整体、お気に入りのカフェに行くことかな。
本当は昔から旅行が大好きで、旅行するのが最高のリフレッシュなのですが、なかなか頻繁に行くことはできません。でも、年末には京都に美味しいものとうつわ屋さん巡りをしてきました。

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▶︎旅行で京都に行った時に買ったアンティークのお椀

料理のアイデアも沢山吸収できたし、朱色が素敵なアンティークのお椀にも出会えて、凄く楽しい旅行でした。

―日課、習慣にしていることはありますか?

寝る前に日記を書くことです。
高校生の時から、もう10年以上やっています。今使っているのは5年分が書けるもので、1年前、2年前の今日、自分がどんなことをしていたのかって思い出せるんですよ。
「あぁ、この時はこんなことで悩んでいたんだな〜」、「1年でこんなに状況が変わったんだなぁ」って振り返れるのがいいです。

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▶︎10年間続いている日記。今使っているのは5年分が書けるもの。

記録しておかないと、自分が全然成長できてないように見えてしまいます。日々の積み重ねで、いつの間にか凄く成長しているなって思えるようになったのは、この日記のおかげです。

―あなたの生活の中でのこだわりを教えてください。

いつも家に季節の花を生けることです。

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▶︎玄関に飾っている花。日々の暮らしの中に花がいることで、幸せな気持ちに

食卓テーブルの上や玄関、洗面台などいたるところに花を置いています。花があるだけで心穏やかになれますね。なんだか元気が出ないなぁと思った時は、花のお手入れを忘れていたり、枯れ始めていたりすることが多くて、新しい花を買ってきて生けると、それだけでグッと明るい気分になれます。

―これからチャレンジしたいことはありますか?

今までは、香川県と地元の埼玉県でしかレッスンをしてきませんでした。でも、たまたまご縁があって近々京都でもイベントができるかもしれなくて。

京都は和食や発酵文化が根深い土地なので、そんな場所でふんわり糀家のことを知ってもらうのは、自分にとってチャレンジだなと思います。

また、自分自身の知識とスキルを高めるために、NHKで講師として活躍されている発酵王子こと発酵料理人・伏木暢顕先生の元で、1年間ほど発酵の学びを深めることにしました。
ますますパワーアップして生徒のみなさんに還元していけるようにしたいし、どんな風に自分が成長していけるのかを想像するとワクワク、ドキドキです。

こんな風に「チャレンジしよう」「もっと学ぼう」と思えるのはいつも教室に来てくれる、来たいと言ってくれている生徒さんのおかげです。

―今後、あなたがありたい姿はありますか?

もっと「手放せる自分になりたい」って思います。

この1年は、新しい場所でのゼロからのスタートということで、色々なことに一生懸命頑張ってきました。昔っからなんでも自分で背負い込むタイプで、頑張りすぎて突然寝込んだり、倒れたりするんですよね。
キャパオーバーに仕事を受けすぎたりして、いっぱいいっぱいになってしまったり…。

でも、これからはもっと周りを頼ろうって思います。
自分で抱え込みすぎず、頑張りすぎず、「手放せる自分になる」ことが、私のありたい姿です。

―自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

「人との出会い」ですね。
今私が香川県に住んでいるのも、主人と出会わなければ実現していません。主人と結婚していなかったら、料理教室もしていなかったかもしれない。教室に通ってくれている生徒さんとも出会えていない。

そう考えると人生って出会いの連続ですよね。自分の人生に影響のある出会いもあれば、その日だけの出会いもあるけれど、自分がどの出会いをどんな風に大切にするかで人生って変わっていくのかなと思います。

どんなに人生を変えたいって思っても、いつも会う人、いつもの暮らし、いつもの環境では何も変わらないと思うんです。いつもとは違う新しい出会いがあるから、人生は変化していくのだと思います。だから私は、今までの出会いを大切にしていきたいし、これからも常に新しい出会いによって、自分の人生を良い方へ展開させていきたいと思っています。

————————————
新しい土地、新しい環境で、新しい挑戦をスタートした笠原さん。働くこととは「幸せの循環を創る」ことだと語ってくれた彼女からは、自分が提供しているサービスへの自信が感じられました。そんな自信を与えてくれるのが、生徒さんなど周囲の人々なのでしょう。循環してきた幸せが彼女を強くし、目の前の壁に立ち向かわせているに違いありません。
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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