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取材 2017.03.25

100人100色ー「好きにこだわるよりも得意なことを」独立して23年目のカラーコーディネーターー大原智子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、カラーコーディネーターの大原智子さん(47)をご紹介します。
OLからフリーランスのカラーコーディネーターに転身したのは、23年前。当時はカラーコーディネートという言葉が認知され始めた頃で、女性が肩書きを持って働くこともまだ一般的ではなかったそうです。そんな時代に独立してから、「やっと好きなことが仕事になっていると実感できるところまで来ました」という現在までを、ざっくばらんに話していただきました。

―現在の仕事内容と生活環境を教えてください

カラーコーディネーターとしての主な仕事内容は、個人クライアント様に向けた色彩を活用したパーソナルブランディングのアドバイス、法人や教育機関での色彩教育・研修事業の講座企画から教材開発、講師業まで、色彩設計提案やモノや空間の色彩監修など多岐にわたります。「色」のなんでも屋です。

仕事は都内が多いですが、もともとの出身地である横浜に住んでいます。生活環境としても気に入っているので、この先もずっと横浜だと思います。
今は多くの路線が色々な場所に伸びていて移動も楽だし、出張時に新幹線や飛行機を利用する場合も便利です。羽田からのリムジンバスで、ベイブリッジの上から見るみなとみらいの景色が大好きです。帰ってきた!という温かい気持ちになります。
横浜でカラーコーディネーターを養成するスクールの運営もしています。講師業で得られる何万人という方たちとの出会いと、その経験は宝物です。

―これまでのキャリアを教えてください

大学卒業後、入社した総合商社での楽しいOL生活の間、お稽古ごとの一環としてカラーコーディネートのスクールに通い、資格を取得しました。OL生活も3年目を迎えると、総合職への転換やカラーを活かした転職なども含め、人生で初めて自分の“これから”に向き合いました。

模索中、週末の休みを使って副業を初めてみたら、結構やれるかもと錯覚してしまったんです。
そこであっさり退職し、フリーランスなんて今思えば恐ろしい選択をしました。人脈も資金も経験も、とにかく何にもないところからのスタートです。今みたいにSNSなんかもない時代ですから、とにかく人に会ってもらう、知ってもらうことをひたすらやりました。よくやったと思います。
でも、苦痛はそんなになくて、意外とみんな優しいんだななんて悠長に構えていました。

小さな経験を3年も重ねていると、色々と景色が変わっていきます。スタートが早かったお陰で、カラーコーディネートという言葉が世の中に認知されていく過程に、ずっと携わってこられました。間もなく独立して23年目に突入しますが、小さな波はあったものの、たくさんのご縁を頂きました。

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください

今から6年ほど前、中国の某電機メーカーで商品色彩に関する講義と色彩監修の仕事の機会を得ました。
かねてから海外で仕事をするという夢は持っていたので、実現が決まった時には本当に嬉しかった。そこはまだまだ発展途上の地域で、事前にネットで検索しても大した情報も出てこない。準備段階から現地とのやり取りは日本とは勝手が違い大変でした。

いよいよ迎えた出発当日、成田行きのバスは事故渋滞。空港を猛烈ダッシュで何とか飛行機に乗り込み4時間、今度は現地で来ているはずの通訳がいないというハプニング。たった一人で乗り込んでいる私は命の危険を感じましたよ。

いよいよ始まった3日間の初日、「小難しい理屈より売れるものを教えてくれればいいから」と前列にふんぞり返った商品開発部中堅社員の厳しい態度にホテルの部屋でくやし涙が溢れたけれど、冷静になれば、それこそがこの国であり、この人種なんだと思い直し、今までの自分にとっての当たり前じゃない世界に立ち向かおうと腹を決めました。「絶対に何かを残してやる」と挑戦的な気持ちになりましたね。

そういった気持ちで取り組んでいたら、最終日の夕方、後ろの方にいた若い開発者やデザイナーの卵たちが「すごく勉強になった」「日本が大好きなの」と人懐っこく私の周りに集まってくれました。一人の女の子から中国語と日本語で書かれた手紙をもらいました。それは今でも宝物です。未知への世界へのチャレンジ精神が今まで以上に強くなった機会でもありました。

1
▶︎中国にて。講義のあと、一緒に写真を撮ろうと来てくれた受講生たち。最終日には手紙をくれたそう

今考えれば、いい意味での厳しさだったと思います。またチャンスがあれば行きたいです。

―これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

今でこそ女性起業家なんて言葉も一般化して、女性が肩書きを持って働くことも珍しくないし、ビジネスのノウハウを学ぶ機会もたくさんありますが、20数年前はまだまだそんな時代ではありませんでした。

独立したなんて言うとちょっとカッコ良い響きですが、要はフリーターです。独立してから気づきました。

事業計画書を知ったのはずっと後。だから、何をしても目の前は壁だらけ…。
低い壁ならよじ登ってきたし、力づくで壊したこともあるかもしれません。大きな壁はあるとき、突然ふっと乗り越えられる瞬間があるように思います。どんなに抗ってもダメなときはダメで…。

だから、壁を乗り越えられた時に大きく前進ができるように準備周到でいることと、ちょっとのことで諦めないしつこさも大切なんじゃないかと思います。

―あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

私の人生そのものです。
もちろん生きるための糧という意味合いもありますが、自己表現と自己実現でもあります。「好きなことを仕事にした」というよりは、どうせやると決めた事ならば、楽しんでやろう!好きになろう!という姿勢で、トライ&エラーを繰り返してくる中で、やっと好きなことが仕事になっていると実感できるところまで来ました。

仕事を決める時、好きにこだわるよりも得意なことを優先すると進みやすいのではないかなと思います。結果が出るから、好きに繋がりやすい気がします。

―働いている時の貴方を「色」に喩えると?

赤です。仕事モードに入るとメラメラと着火する感じです。
せっかちで行動的、アドレナリンがかなり出ていると思います。まさに赤色が持つキャラクターそのものです。 

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▶︎20年以上使っている仕事道具

フリーランスで働くことって仕事そのものも出会う人も一期一会であることがほとんどです。一回一回がとても大切だから全力で向き合いたいと思っています。
例えば、講師業の場合、私の側からすれば、違う相手に何百回も同じ内容で講義することもありますが、聞いて下さる方にとっては一生に一回の貴重な時間ですから、それを思うといつも完全でいたいと思います。
新しいこと、面白そうなことに対してへの探究心と情熱いっぱいの少々暑苦しい赤タイプだと思います。

―これからチャレンジしたいことや、チャレンジしたいけどまだできていないことはありますか?

本を書くことと、商品プロデュースをすることです。
「色×食×健康」ということにとても興味があります。色の世界って本当に広いんです。色のない世界はないですから。

こんなに長く関わっていても、まだまだ発展途上ですが、ここ数年は少しずつ焦点が絞られてきました。この3つをテーマにした商品監修をしてみたいです。
想いが具体化されれば、実現するためのモノやヒトに近づけるのではないかと思っています。

―自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

チャンスの掴みどり。
20代の頃、「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉を聞きました。当時から凄く響いてしまって、ずっと意識している言葉です。

仕事に限らず、日常には色々なチャンスがゴロゴロしています。目の前に訪れたものは何かの縁だと思って、できるだけ掴んでいきたいと思っています。不安事や心配事は実際にはほとんど起こらないし、掴んで失敗したなと思ったら手放せばいい位に思っています。掴みどりは欲張りすぎかもしれませんが。

―あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください

旅行です。
国内外問わず、時間を作って旅をしています。私のような働き方は休みが不定期なので、まとめて休みが取れそうな時期に予め計画し、日常から離れます。
リゾートでゆっくり…というよりは、イタリアやフランスのように歴史を感じながら美しく尊いものに触れる旅だったり、アジアの国々で街やそこに暮らす人達のエネルギーを感じたりする旅が好きです。

3
▶︎一生に一度は行きたかったというモンサンミシェル。「素晴らしかった!」とのこと

ツアーに参加してあちこち回るよりも、ひとつの街をじっくりと自分の足で回ります。時々起こるハプニングもまた旅の醍醐味です。その土地の美味しいものを食べるのも欠かせない楽しみですね。

頑張ったご褒美として旅をする、旅でエネルギーチャージしてまた頑張る! 私にとっての好循環です。

―あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りがあれば教えてください

最近特に意識しているのは「腸活」。身体が資本、健康あってこそですから。
腸の調子がよくなると、身体の調子だけでなく肌の調子も絶対いい。幸せホルモンのセロトニンだって9割は腸から分泌されますし。心身の健康にいいと言われるものを生活に取り入れることは元々好きです。

4
▶︎調活に欠かせないという甘酒とヨーグルト。ヨーグルトにはスプーンいっぱいのおからパウダーを入れるそう

好きが高じて野菜や果物のことや、アロマセラピーなども勉強してきました。
あえて日常のこだわりを探すなら、果物を切らさないことです。365日、果物を食べない日はありません。

5
▶︎地方の友人が送ってくれるという季節の果物

基本は朝ですが、一日のどこかで食べないと、大事なことをし忘れているような変な気分になります。健康の源の一つかもしれません。

―幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

大切な人達とテーブルを囲む時間です。
美味しいものを食べる幸せもありますが、誰と食べるかはその価値をもっと高めると思うんです。
仕事で家族や友人と離れた場所で生活する経験を数年したことで、身にしみて感じています。どんなに美味しいものを食べに行っても一人じゃ味気ない。
その数年間の経験は、自分にとって「人」がどれだけ大事かを教えてくれるものでした。

―今後、あなたがありたい姿を教えてください。

人やモノの「今よりもっと」を支援していきたいです。
その活動が自分も含めた女性の活躍に繋がればいいなと思います。いいものなんだけど何だか冴えないよねっていうモノが、ある人の手にかかれば命が吹き込まれてヒット商品になるってことがたくさんありますよね。

6
▶︎50人近い女性向けのセミナーに登壇
人の場合も同じだと思うのです。情報が多すぎてキラキラしたものばかりに目が行きがちですが、輝くためには実は見えないところでの努力が必要です。その輝きたい人の地道な一歩一歩を応援しながら、小さく背中を押してあげる役割もいいんじゃないかなと思っています。

————————————
フリーランスとして出会う仕事や人を、「一期一会」の精神で大切にしてきたという大原さん。得意なことをして結果を残すと、“好き”につながりやすいという言葉には、思わずハッとさせられました。探求心や情熱を失わず、23年間もフリーランスとして活躍できるのは、彼女自身が自分の足元をしっかりと見つめ、地道に一歩一歩を踏みしめているからなのでしょう。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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コメント

  1. Matilda より:

    This arcitle keeps it real, no doubt.

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