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取材 2017.03.29

100人100色ーカンボジアでのボランティアで世界が拓けた。シンガポールで働くIT会社社員ー岩見佳那さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、シンガポール在住のIT会社社員岩見佳那さん(32)です。カンボジアの小学校でのボランティア経験をきっかけに、海外に興味を持ち、日本を飛び出した岩見さん。IT会社での経験を活かして、シンガポールでの就職をかなえました。常夏の国、シンガポールでいきいきと働く岩見さんの仕事観と生活について語っていただきました。

ー岩見さんのこれまでのキャリアを教えてください。

大学でITが専攻だったこともあり、大学卒業後はIT会社に就職しました。
そこで約6年間、公共事業部門のシステム開発・導入に携わりました。テスト要員から始まり、最後のほうでは、小さいプロジェクトですがプロジェクトマネージャーを務めました。会社の上司や同僚に恵まれて、いろいろな仕事を経験させてもらいましたが、5年目以降は朝9時から22時まで勤務があたりまえ。文字どおり、家と会社の往復だけの生活でした。

そのとき、会社の労働組合の企画でカンボジアの小学校にブランコを作るというボランティア募集があり、思い切って上司に「行きたい!」とお願いして、ブツブツ言われながらも参加したんです。それまで海外志向なんてほとんどなかったのですが、行ってみたら世界が拓けた感じでした。カンボジアという国がよかったのもありますが、そこで私たちを案内してくれた現地のNPOスタッフたちを見て、「こんな働き方があるんだ」と心揺さぶられました。

もうそこから「このままじゃいけない!」という気持ちが膨れ上がって。何をしたいか不明確だったんですが、会社を辞めなければどうにもならないという決断にいたり、退職しました(笑) 。

英語がまったくできなかったので、まずはネットで評判のよかったフィリピンに2ヶ月語学留学。それから1年間、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在しました。
オーストラリアで勉強をさぼったので英語力はそこまで伸びなかったのですが(当時TOEIC600点程度……)、帰国後に、この英語力でも海外部門に関わるような仕事ができたらと考えて職を探していたら、エージェントがシンガポールとマレーシア支店への登録も薦めてくれました。そこで運よく求人があり、Skypeで面接をして採用していただき、シンガポールで就職できました。今は日系IT会社でシステムエンジニア(プロジェクトコーディネータ)として働き、3年目になります。

画像1
▶シンガポールの夜景
 

ーこれまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

前職で一番長く担当していたプロジェクトのお客様が、私が退職するときに送別会を開いてくださったことです。
エレベーター会社向けのプロジェクトで、毎週の定例会では、お客様から5時間以上みっちり業務知識を教えていただいたり、大変でしたがやりがいのある仕事でした。いい上司と同僚に恵まれ、ああだこうだ検討したりよく議論もしていました。まぁこのときは毎日帰宅22時が普通になっていましたが(笑)。入社数年目の若手で、至らぬ点も多々あった私を一人の技術者として認めて一緒に仕事をしてくださったことが、本当に嬉しかったです。

ーあなたにとって「働く」とは何ですか?

「生活を豊かにするためのもの」です。
本当は「好きなことややりたいことをやって稼ぐ」とか、「誇りと自信をもたせてくれるようなもの」って言えれば理想的で素晴らしいと思うんですが、自分はやりたいと思うものがなかったので、それができないとやっと悟りました(笑)

やりたいことがないことを、ずっと悩んでいたんですが、仕事は仕事と割り切ることにして、仕事で得た経験、稼いだお金、出会った人たちと人生を楽しくしようと考えています。

画像2
▶シンガポールの上司・同僚とディナー
 

ーこれまでにぶつかった壁はありますか?

いつも色々悩むんですが、基本的に楽観的な性格。これまでのことを振り返ると、特に大きい壁にぶつかった経験はないと感じます。乗り越えてしまったから、今は壁として思い出せないだけかもしれませんが。

悩んだときはいろんな人に話を聞いてもらいます。あと、SNSにつぶやいたりもします。SNSだと遠い場所にいる友人までもすぐにコメントくれたりして、それだけでだいぶ救われます。その投稿はすぐに消しちゃいますけど。

仕事には必ず期限があり、進めないといけません。期限があるから壁に必死によじのぼったり、壁の横をすり抜けるかして進めているんだと思います。

ー働いている時の岩見さんを「色」にたとえると?

いい意味でグレーですかね。何でもやります、仕事ですから。
グレーは何でも合わせやすい色ですし、濃淡をつければ色々バリエーションが作れます。私の仕事もグレーのようにさまざまな場面があり、柔軟に対応しているということです。

仕事しているときはキラキラ輝く色であるべきだと思って悩んだ時期もありましたが、こういう仕事への考え方があっていいんだと、やっと気づきました。ITなので華やかな職場ではないですし、データセンターや現場にこもって地味で時間のかかる作業をしなければならないことも多々あり、こういうときは黒に近いグレーですね(笑)。

ー日課や習慣にしていることはありますか?

運動することです。シンガポールに来て残業も減ったので、ジム通い、ベリーダンス、チア、ゴルフを始めました。テニスもよくやります。これらを通じて友達がたくさんできました。

日本では、社会人になってから新しい友達を作る機会ってなかなかないと思うんですが、こっちにいると海外だからかみんな友達を作ろうという意識もあるせいか、コミュニティもたくさんあり、どのコミュニティもたくさん人が集まります。しかも他業界の人たちと知り合えるのでとてもいいですね。

画像3
▶趣味のベリーダンス
 

ーあなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

運動することと、友人たちと飲んでおしゃべりすることです。
シンガポールは常夏だし環境も整っているので、手ごろにスポーツができます。運動した後にみんなでご飯に行っておしゃべりすればスッキリできます。

あと、仕事が大変なときはコーヒーを買いに行きます。お店に向かって歩いている少しの時間、お店でコーヒーが出てくるまでの時間、これらの短い時間がリフレッシュさせてくれます。お店では仕事のことを考えてそわそわしてしまうので、もっぱら持ち帰りです。

ーこれからチャレンジしたいことはありますか?

会計の仕組みを勉強したいです。簿記とか決算書とか。会計はどの業務にも関わってきますし、自分の会社をよく知るにも役に立つことがわかりました。

何かチャレンジするのに遅いなんてことはない、とシンガポールで出会った友人たちから学びました。シンガポールで出会った友人は他業界の人が多いせいか、みんな興味があるものが様々で、資格試験を受けたり転職したり、学校に通い始めたり、みんな優秀で積極的で刺激を受けます。

ー今後、あなたがありたいと思う姿について教えてください。

もっとグローバルな人間になりたいですね。シンガポールで勤務していることから「すごい!」と言ってくれる人もいますが、英語はまだたどたどしいですし、日本人以外の人と話すときはいまだにシャイになります。勉強は苦手ですが、英語の短い記事を毎日1つは読むようにしています。なかなか難しいですけどね。

ー自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

健康と人への思いやりです。
健康でないと何も出来ませんので、ちゃんと食事をとり運動するように心がけています。どこかで「人に優しくなるためには体力が必要」という記事を読んで、そのとおりだなととても納得した記憶があります。自分に余裕がないと相手にも優しくできないので、疲れたらちゃんと休むこともしています。以前は「疲れていても遊びは別!」と考えていましたが、健康を保つひとつとして休む時間を取るようにしました。

たとえばバスの運転手さんに「Hi」とか「Thank you」とか、一言を言うだけでも体力使いませんか?(笑) でも、その一言でバスの運転手さんもすごく笑顔になってくれます。そういうお互いにとって気持ちよい瞬間が大事だと思います。

ー幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

やはり、仕事のプロジェクトが完成してシステムがお客様の役に立ち始めたときですね。お客様から私を名指しで頼られたりするのも嬉しいです。信頼してくれているんだなと。

画像4
▶出張先でお客様へシステム説明

あとは、やはり大好きな人たちと一緒にご飯を食べたり、おしゃべりしてるときが本当に幸せです。明日からもがんばろうと思えます。周りにいる人たちが私の仕事への活力です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
システムエンジニアとしての経験を活かして、日本からシンガポールに渡った岩見さん。自分の仕事に真摯に向き合う一方で、幅広く趣味を持って人との交流も存分に楽しむ岩見さんの生活を、理想的に感じる人も多いのではないでしょうか。オン・オフを上手に分けて生活を満喫する岩見さんのライフスタイル、見習いたいですね。

 
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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