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食材 2017.03.07

「砂糖」と「みりん」はどう使い分ける?『みりんの原材料と正しい使い方』

目次

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煮物や照り焼きなどみりんを料理に使う場面は広くあります。
みりんを“甘味のある液状の調味料”とだけ思っていたら、みりんよりも甘味のある砂糖とどう使い分けていいのかわからなくなってしまいますよね。
今回はみりんがどうやって作られていて、どのように料理に使ったら良いのかをお伝えしていきます。
これを知ったらついついみりんを使った料理を作って、語りたくなってしまうかもしれませんよ。

『みりん』は“甘味のある液状の調味料”ではなく“甘味を含んだお酒”

漢字で書くと「味醂」。
酒偏がついている通り、お酒の仲間ですが調味料として使われていますね。今は調味料として使われていますが、戦国時代には、「密林酒」「蜜醂酎」などと呼ばれる甘いお酒としてお酒が苦手な人や女性に好まれていました。調味料として使われ始めたのは江戸時代から。同時期に広まった醤油、砂糖、鰹節、昆布などとともに、当時の食文化に大きな革命をもたらし、現在まで続く和食の基礎を築きました。
名前に酒がついているだけではありません。みりんの原材料にもお酒が使われています。
みりんの原材料のお話をする前に、みりんは2種類あることをご存知ですか?

『みりん』には「本みりん」と「本直しみりん」の2種類

<本みりん>

蒸したもち米と米麹に焼酎を加えて熟成させたもの。
エキス分は16%以上、アルコール濃度は14%です。

<本直しみりん>

本みりんに、さらに焼酎またはアルコールを加えてアルコール濃度を高めたもの。
エキス分を16%未満にしたものであり、主に飲用とされています。
エキス分は本みりんよりも低めですが、焼酎またはアルコールが加えられている分、アルコー濃度は22.4%と高いです。

みりんは「本みりん」と「本直しみりん」この2種類に分類されます。
しかし、スーパーのみりんが置かれている売り場にいくと、「みりん風味調味料」というみりんもありますね。みりんと書いてあるし、本みりんより安いため、こちらを購入する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
違いは、価格だけではありません。原材料や製造方法にも違いがあるのです。

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『本みりん』の原材料は4つ

<本みりん>

原材料
「もち米、米こうじ、醸造アルコール、糖類」

酒税法で定められた原料しか使うことはできません。
40%程度のアルコールに蒸したもち米と米麹を加えて40~60日ほど熟成(糖化)させます。 このあいだに米麹中の酵素が働いて、もち米のデンプンやたんぱく質が分解されて、各種の糖類、アミノ酸、有機酸、香気成などが生成され、本みりん特有の風味が形成されます。
みりんの甘味は、麹が作りだす糖分です。
強いアルコールを原料にしましたが、完成するときにはアルコール濃度は14%になります。また、 塩分は0%です。
酒税法上の酒類はアルコール分が1%以上にものを指すため、みりんは酒類に分類されるわけです。
スーパーでよく見かける本みりんの原料には焼酎ではなく、醸造アルコールが使われていることが多いです。では、醸造アルコールとは何でしょう。

【醸造アルコール】
醸造アルコールとは、食用に用いられる無色透明のアルコール(エタノール)のこと。原料には主にサトウキビや甜菜などが用いられ、サトウキビの糖蜜に酵母を加えて発酵さて蒸溜したもののことです。

『みりん風味調味料』の原材料は4つ

<みりん風味調味料>

原材料
「水あめ、米・米こうじの醸造調味料、醸造酢、酸味料」

本みりんのように熟成させることなく、これらをブレンドさせてつくったみりんに似せた調味料です。
アルコールは含まれないのでアルコール分は1%未満となります。本みりんの塩分は0%でしたが、こちらは1%未満含まれています。

さらに、「発酵調味料」として販売されているみりんもあります。
これもみりんに似せた調味料です。雑穀を糖化し、一部アルコール発酵もさせた調味液に、醸造用アルコールと塩を加えてつくります。
こちらも酒販免許のないお店でも売れるようにと開発されました。
アルコール分を含みますが酒類にはならず、飲用には向きません。
また、こちらは塩を加えているため、味付けのときには塩分が強くなりすぎないように気を付けなければいけませんね。

このように、「本みりん」と「みりん風味調味料」は全くの別物ということになります。
使われている素材が違うということは、味にも影響してきます。

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『みりん』が料理にもたらす7つの効果

みりんは熟成期間に酵素の働きにより、もち米と米こうじが分解され、4つの成分が生成されます。この成分が複雑にからみあって、深いコクと旨みが生まれるのです。
<生成される4つの成分>
・糖分(グルコース、イソマルトース、ブドウ糖、オリゴ糖など)
・アミノ酸(グルタミン酸、ロイシン、アスパラギン酸など)
・有機酸(乳酸、クエン酸、ピログルタミン酸など)
・香気成分(フェルラ酸エチル、フェニル酢酸エチルなど)

では、これらの成分が料理においてどのような効果を発揮するのでしょうか。

≪臭みを消す≫

みりんに含まれるアルコール分が肉や魚のにおいを消す効果があります。
生臭みを消し、素材にコクを与え、保存性を増す効果を持っています。

≪味がしみ込みやすい≫

アルコール分は臭みを消すだけでなく、素早く食材にしみ込み、うま味成分のアミノ酸や有機酸、糖類などの味もしみ込みやすくなる効果もあります。しみ込みやすいのはアルコールの分子が小さいためです。また味がしみ込みやすいだけでなく、味が均一に仕上がるのも特徴の一つです。

注意していただきたいのは、みりん風調味料にはアルコールがほとんど含まれていないため、アルコールによる調理効果は期待できません。

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≪風味をつける≫

アミノ酸が旨み・風味の幅を広げる効果があります。

≪照りをつける≫

照りやツヤが美しい照り焼き、これはみりんによるものです。
ポイントとして、照りを出したければ最後にみりんを入れます。

≪焦げ色をつける≫

焦げ色は糖類のアミノ・カルボニル反応によるものであり、同時に良い香りも生じます。
さらに高い温度での加熱では、糖質のカラメル化が起こり、香ばしい香りと色を生じさせてくれます。

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≪煮崩れを防ぐ≫

料理の素材を引き締める働きがあり、煮崩れを防ぐ役割があります。同時に、味が外に溶け出してしまうのも防ぎます。
照りと同様に入れるタイミングも大切です。
柔らかくしたいもののときには最初からみりんは入れず、逆に煮崩れさせたくない煮魚には最初から入れます。

≪甘味をつける≫

みりんの糖類は料理に上品な甘みを与えてくれます。

甘味をつけてくれるみりんですが、甘味ならお砂糖でもいいのでは?と思ってしまいますよね。
同じ甘味をつける役割のあるみりんと砂糖、何が違うのでしょうか

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『みりん』はまろやかな甘味、砂糖は強い甘味

砂糖は成分がショ糖のみで強い甘みを持ちます。
しかし、みりんの甘みはブドウ糖やオリゴ糖などの多種類の糖で構成されているため、砂糖に比べてやわらかいです。そして、上品に仕上がります。

砂糖との違いは甘味だけではありません。照りやツヤにも違いがあります。
照り焼きの調味料として、【みりん+しょうゆ】と【酒+砂糖+しょうゆ】の組み合わせがあります。
どちらが照りやツヤがつくかというと、【みりん+しょうゆ】の方がつきます。
甘味は、酒と砂糖を使うと、さっぱりと軽い甘さになります。
みりんを使うと、もったりねっとりするような甘さになります。もったりねっとりと表現すると、水あめみたいに思われるかもしれませんが、少し違います。照り焼きのタレを最後煮詰めるとき、タレのブクブクが大きくもったり膨れるので、よかったら観察してみてくださいね。

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もしも甘味が強すぎるときには、加熱してアルコール分を蒸発させ、煮切りみりんとして使用することをオススメします。
みりんを煮切ることで、雑味となるアルコール分を飛ばし、旨みと甘味だけを料理に利用できます。
みりんや酒を大量に使ったり、和え物や酢の物など、加えてから加熱しない料理を作るときは、できれば煮きってから使いましょう。ひと手間かかりますが、できあがりの味に差がつきますよ。
ただし、煮ものなどで、少量を使うのならば、調理中にアルコール分がとぶので、煮きる必要はありません。鍋に入れて火にかけ、沸騰させるだけで手軽に煮切ることができますよ。

上手な選び方のコツ・賢い買い方コツ-『みりんの原材料と正しい使い方』

ここまでで、本みりんの方が料理に良い影響をあたえてくれる、という事はおわかりいただけたでしょうか。しかし、本みりんでも原材料のアルコールに違いがあります。
スーパーで多く見かけるのは「醸造アルコール」です。醸造アルコールでつくられたみりんは標準的製法と言われており、戦後の米不足の頃に開発された製法です。香味を調整して短期間でつくることができます。同じ量のもち米から、伝統的製法の3倍ほどの量をつくることができます。

伝統的製法のときに使うアルコールは「焼酎」です。江戸時代に確立された製法によって造られる伝統的な本みりんになっています。焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、じっくり熟成させてつくられます。

本みりんでも、焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、 じっくりと熟成させて伝統製法の良質のものを使うと、料理の味がグンと良くなりますよ。標準的製法のみりんは甘さが強く、飲んでもあまり美味しく感じられないと言われています。

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そんなのりを使って、ごはんのお供の定番「のりの佃煮」をご紹介します。
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いかがでしたか?
“甘味のある液状の調味料”という曖昧な認識だった『みりん』についてたくさん知るコトができたのではないでしょうか。
「今日の料理に使われているみりんって、実はね…」と食卓での会話のタネ、仕事場での会話のタネにしてみてください。
正しく知って、賢く使ってみると、毎日の料理も暮らしもより楽しいものになりますよね。身近な食材の豆知識から、もっと食を楽しむ人が増えていきますように。

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記事/ケノコト編集部
(ライター 影山奈々恵)

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管理栄養士×フォトグラファー×ライターとして幅広く活動。
保育園で活きた食育や給食・おやつを通して「なんでも食べる子ども」を育んでいるだけでなく、食に関する記事をサイトへ寄稿。ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディング、演奏会など様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。

影山奈々恵Facebookページ

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