知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

美容・健康 2017.03.24

春の不調を克服する『漢方養生の知恵』

Pocket

心地よい暖かさと、美しい花々に包まれる春。しかし日本では年々、春を憂うつに感じる人が増えているのだとか。つらい花粉症に悩まされたり、新しい環境の変化に対応しづらかったり。本来なら、一年でいちばん生命の輝きを感じられる季節なのに、体調も心もすぐれないなんてもったいない。どうすれば春を快適に過ごせるのでしょうか?漢方養生の専門家 小野満幹彦先生にうかがいました。

花粉症も体質改善から-『漢方養生の知恵』

なぜ春先は風邪や花粉症で体調を崩す人が多いのだろう。東洋医学では、春は「風」の影響を受けやすい季節だと考える。ちなみに「風邪(かぜ)」も、東洋医学でいうところの「風邪(ふうじゃ)」の読み方が変化したそうだ。「風に当たって体を冷やすだけではなく、風に吹かれて漂っている目に見えないものが体の中に侵入してくるリスクがあります」(小野満さん)。

003
(Photo by Hideji Umetani)

花粉は本来、人体にとって害になる物質ではなく、吸い込んでも体が反応するわけではない。しかし体が花粉を有害な“侵入者”と認識してしまうと、過剰に反応し、くしゃみや鼻水、涙を使って外へ出そうとする。これが花粉症のメカニズムだ。

「内臓の冷えは大敵」と考える東洋医学では、弱った内臓を健やかにすることが根本的な体質改善につながり、ひいては花粉症の改善にもなると考える。「風(ふう)と寒(かん)に注意し、体内に邪(じゃ)が入り込まないよう注意が必要です」と小野満さんはアドバイスする。

冷えへの警戒心が鈍る-『漢方養生の知恵』

漢方養生では36.5度くらいの体温維持が健やかに過ごす基本だと考えているが、春は最も油断をしやすい季節だという。「三寒四温」という言葉があるように、春といっても暖かい日もあれば肌寒い日もある。寒い冬を過ごしてきた分、少しでも日差しの暖かさを感じると薄着で出掛けたくなるが、それほど気温が高くない日も多い。

01_M-0015-540x540
(Photo by MARIA)

「動けば汗ばむので毛穴が緩みやすく、その後、じっとしていると毛穴が開いた分、冷えを感じやすくなります。それで体調を崩し、免疫のシステムもうまく機能しなくなって不調が生じるんです」(小野満さん)。外出するときはスカーフで首元を冷やさないようにしたり、脱ぎ着しやすい服装にしたりして体温の維持には気を配りたい。

ほかの季節と同様、冷たいものの飲食も避けたい。「歩き回ったあとは冷たいものを飲みたくなりますが内臓を冷やすのでやめましょう。この時期におなかを壊す原因のほとんどは冷えです」(小野満さん)。

休日はアウトドア遊びで発散を-『漢方養生の知恵』

春は東洋医学の考える五臓の中で、最も「肝(かん)」と強いつながりのある季節でもある。「肝」は単純に肝臓の働きを指すものではなく、気(エネルギー)の巡りをコントロールしたり、血を貯蔵して全身の血量を調整したりするもの。

「肝」のはたらきが弱くなると、気の巡りが悪くなってイライラしたりうつうつとしたりと感情が不安定になりやすい。血の巡りも悪くなり、筋肉のけいれんや手足のしびれが生じることもある。目や爪も「肝」と深いつながりがあると言われ、目のかすみや爪の割れといった不調も出やすい。

c16f6b084e0148e6ac55b31d6d1a69ba-540x540
(Photo by MARIA)

「肝」のはたらきを高めるにはのびやかに過ごすことが大事だ。新年度が始まると緊張する機会も増えるが、「その分、休日は屋外でハイキングやスポーツをして思いっきり発散してください」と小野満さん。疲れたから休日はゆっくり寝て休む、では気が滞って逆効果なのだ。

この時期に食べるとよいのは、ホウレンソウや小松菜、春菊といった“青野菜”。これらの野菜には貧血予防の効能がある。ショウガやネギ、青じそ、春菊、三つ葉などは香りがよく、滞りがちな気を巡らせてくれる。

タラの芽やウド、セリなどの山菜類もお勧めだ。「苦みのある山菜類には、たまった毒素を追い出すデトックスの作用もあります。上手に取り入れて、冬に貯め込んだ脂肪や老廃物を排出し、体を軽くしていきましょう」(小野満さん)。

2I1U1635
(Photo by Fumishige Ogata)

気温の上昇に伴い、春は冬ほど体を燃焼させなくても36.5度を維持できるようになる。肉や米を食べすぎるとカロリー過多になるので要注意。食べる量を減らし、ダイエットを始めるには最適なので、適度な運動も取り入れながら体を整えたい。早起きをして散歩すると、体が十分に目覚め、免疫力も高めることができる。

1年間にわたって、小野満先生から漢方養生の考え方や、季節ごとの過ごし方を教わってきた。快適で便利なはずの現代社会で、心も体も元気のない人が増えているのだとしたら、きっと生活のどこかに原因があるはず。その答えを導いてくれる一つのきっかけが、季節ごとに食事や睡眠、行動を変える漢方養生だと実感している。

まずは季節の特性を知ること。そして冷えには一年中注意し、どんなものを食べて、何をすればいいかを意識すること。「日本は小さな国なのに気温の変化が大きく、また乾燥や湿気などもあり、どの季節でもそれぞれ注意したいことがあります。自分自身も自然の一部分。季節に合わせた養生を意識していれば、きっと健やかに過ごせるでしょう」(小野満さん)。

文/吉岡 名保恵
記事/ハレタル
haretal-b
ママ時間からわたし時間へトリップ。
「何かしたい」「新しい自分を見つけたい」「一歩踏み出したい」――。
『ハレタル』はそんなみなさんの「モヤモヤ」に寄り添い、新たな気づきを提供する情報発信メディアです。
ホームページ

その他のおすすめ記事

乾燥している今だからこそ作りたい『干し野菜』の知恵

乾燥している今だからこそ作りたい『干し野菜』の知恵

楽しく食べていますか?『食べ物への不安とうまく付き合うには』

楽しく食べていますか?『食べ物への不安とうまく付き合うには』

心地よさと美と健康『アロマセラピーを身近な暮らしへ』

心地よさと美と健康『アロマセラピーを身近な暮らしへ』

Pocket

コメント

コメント欄


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

instagram-iconみんなのInstagram

人気の記事

2017.04.28

栄養士も太鼓判!『美容にも効果的な日本の伝統的な飲み物』とは

2017.04.27

昔ながらの安心おやつを手づくり『きなこあめ』

2017.04.26

『信州の発酵食』からみえる丁寧な暮らし方のヒント

2017.04.24

体をいたわる毎日に『肩をやわらかくする簡単マッサージ』

2017.04.18

一日に摂っていい塩分ってどれくらい?『塩分量の正しい知識を知ろう』

2017.04.17

ノンフライでここまでおいしい!時間が経ってもサクサク食感『サーモンフライ豆腐タルタル添え』

2017.04.16

ペットボトルに入れて振るだけ『1分で出来る自家製バター』

2017.04.15

お花に隠れたメッセージ『花言葉と裏花言葉』

2017.04.14

相手を労わる思いやる『優しい気持ちになれる魔法のコトバ選び』

2017.04.13

シンプルながら絶品 和食屋が教える『鯛の塩煮』

編集部おすすめ記事

2017.04.28

【Instagram企画】子どもの写真大募集!『学研ゼミイメージキッズフォト』投稿キャンペーン

2017.04.21

日常の中に音楽を〜ケミカルボリュームのかけてゆく春の今聞きたい一曲『僕は幸せを知っている』~

2017.04.10

【Instagram企画】PTA1年生・ママ1年生・公園デビュー1年生もみんな集まれ!『#学研のカッコイイ1年生』で投稿しよう

2017.04.07

日常の中に音楽を〜ケミカルボリュームの春が始まる今聞きたい一曲『旅路』~

2017.04.07

家庭訪問に向けての心構え『事前にしておきたいおうちのこと、親子の会話』

2017.04.07

揚げずに簡単!!バター、乳、卵不使用『そら豆と桜海老のクリームコロッケ』

2017.04.06

ショーツは何タイプ派? 『Tバック』を意識的に履いてみるコト

2017.04.05

日本の暦『全部言えるかな?四月は○月』

2017.04.04

自然の万能薬!『くるみが持つ18の効果効能とは?』

2017.04.03

布製の靴や帽子がお水をはじく!『100円ローソクで、防水コーティングDIY』

月間人気ランキング

2015.08.07

部屋を彩る"緑"をおいた暮らし方『都内のおすすめ観葉植物店』をご紹介

2017.04.16

ペットボトルに入れて振るだけ『1分で出来る自家製バター』

2017.03.07

頭が重いすっきりしないときに試してほしい『簡単ほぐしマッサージ』

2017.03.31

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2017.04.02

たった3つの材料で『ふっくらもっちりヘルシー手作りパン』

2017.02.05

甘みがぎゅっとつまった『長ねぎをつかった作り置きおかず』

2017.03.02

夕食の残り物を活かしたリメイクレシピ『ラタトゥイユ』が2つの料理に大変身

2017.04.01

100人100色―「子どもが好き」という気持ちを仕事に。新しい保育の形をめざす保育士―春原裕香さんのお話し

2017.04.09

ハイヒール初心者必見!! 『ヒール靴はこう履くのが疲れない』

2017.04.10

子どもが喜ぶゲーム『エッグハントでイースターを楽しもう!』