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伝統 2017.03.28

”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿

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“漆器”と聞くと、あなたはどのようなイメージを持っていますか?お正月のお雑煮をいただくお椀、おせち料理を詰める重箱…特別な日の食卓に登場する、特別な料理のための、特別な器。私は、漆器に対してそんなイメージを抱いていました。

しかし、ある『会津漆器(あいづしっき)』に出会った時、その考えは一変してしまいました。それは、なぜか。その『会津漆器』をひと目見た途端、私の暮らしに馴染む器だ!と惚れ込んでしまったのです。そんな私が出会った、伝統工芸品として名高い『会津漆器』の、現代の暮らしに寄り添う器をご紹介します。
”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿-三春の滝桜

『会津漆器』が紡いだ歴史

日本三大漆器のひとつ、『会津漆器(あいづしっき)』。福島県会津若松市を中心に作られている、伝統工芸品のひとつです。
『会津漆器』の歴史は古く、始まりはなんと室町時代から。その後、会津の領主となった武将により、他の地方から木地師(漆器の器を作る職人)や塗師(漆器に漆を塗る職人)が招かれ、さらに会津漆器が発展していきました。その頃には、漆の栽培から最終仕上げの加飾(漆器に文様を描き入れること)まで、一貫して生産する漆器の一大産地であったそうです。江戸時代には、中国やオランダなど、海外にも輸出されていたのだとか。
近代においては、日本人の生活が変化し、漆器が食卓に並ぶことが少なくなってきてしまいました。そんな移ろいゆく時代の中、『会津漆器』の産地では、プラスチックの漆器や電子レンジで使える漆器、手入れのしやすい漆器など、その時々の暮らしに寄り添う漆器を生み出してきました。
”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿のアップ

独特の技法を育んできた『会津漆器』

古くから発展を続けてきた『会津漆器』には、他の産地の漆器にはない、数多くの独特の技法があります。その特徴的な漆器制作の技法の中から、少しだけご紹介します。

花塗-『会津漆器』の伝統技法

「花塗(はなぬり)」と言われる塗りの技法は、器に漆を塗り上げた後、磨かずにそのまま仕上げます。仕上げに研磨された漆器に比べ、丈夫な器になるそうですよ。『会津漆器』の「花塗」は、漆に卵の白身を混ぜて塗り上げます。そのため、漆がもつふっくらとした美しい光沢と、ぽってりとした暖かみのある塗り肌が楽しめる器になりますよ。そんな「花塗」を始め、漆を塗る筆さばきには、熟練した技術が必要とされるのだとか。

金虫喰塗-『会津漆器』の伝統技法

漆器を彩る美しい加飾において、多彩な技法が用いられていることも『会津漆器』の特徴のひとつ。中でも「金虫喰塗(きんむしくいぬり)」は、米のもみ殻を使用したユニークな技法で作られています。金色の細かな虫食い柄が、不思議な美しさでつい見入ってしまう器です。
他に、縁起の良い松竹梅、破魔矢を描いた「会津絵」など、伝統技法を受け継ぎ、華やかで美しい漆器が、今もなお作り続けられています。

現代の暮らしに寄り添う、モダンさ感じる『会津漆器』

“漆器”というと、お正月などの特別な時にしか食卓に登場しない器、というイメージがありませんか?かくいう私もそうでした。もっと言えば、「お雑煮をいただくお椀、おせち料理とお赤飯を詰める重箱、といった限定された時の食器。」「普段は戸棚の奥の方に、大事に収納されているモノ。」という存在でした。普段使いしたいけど、美しい絵柄が描かれたお椀は、ちょっと日常生活には似合わないかな?とも思ったり。そんな時に見つけた、これ!という『会津漆器』が、この「パン皿」です。
”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿にパンを乗せている

ひと目ぼれをした『会津漆器』の「パン皿」

福島県にある『会津漆器』の工房に併設されている店舗を私が訪れた時、ひと目みて気に入ってしまったこちらの漆器。ハケで市松模様を描かれた文様にモダンな雰囲気を感じて、これは我が家の食卓に似合う!と連れ帰ってきました。この漆器は、決して「パン皿」として置かれていたわけではないのですが、我が家の朝食のパンを引き立ててくれる、なくてはならない存在となっています。
漆器を普段使いする以前は、「漆器ってお手入れが大変そう…」と思っていました。でも、漆器を洗う時にお水に長時間つけ置きしたりしないなど、通常の木の器と変わらないお手入れで良いですよ、と工房の方にお話いただきました。特別な時の器ではなく、毎朝のパン皿として、私の暮らしに寄り添う『会津漆器』です。

『会津漆器』-暮らしに寄り添う日用美

『会津漆器』に限らず、漆器は修理をして長く使い続けられるという特徴があります。愛用している中で漆がはげてきてしまっても、塗り直しの修理をすることで、また美しい漆器の肌を取り戻します。それは、漆器が日用品として、時代を超えて愛され続ける、ひとつの理由かもしれませんね。
私の『会津漆器』との出会いは、会津若松への旅行の時。そこでの楽しい旅の思い出を持ち帰るように、『会津漆器』を手に取りました。それが、これまでの漆器に対するイメージが一変した、素敵な出会いに。その時の『会津漆器』も今では、毎朝共にするほど大切な器になりました。
特別な日の器としてだけじゃなく、“いま”の私たちの暮らしに馴染む『会津漆器』。ナチュラルな木の器とはまた違った暖かみを感じる器です。あなたの食卓にもきっと似合いますよ。
”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿にパンが乗っている

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記事/ケノコト編集部

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