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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.04.15

100人100色ー憧れの職業に就いたところがスタート地点。ありたい姿に向かって進化を目指す料理研究家ー満留邦子さんのお話

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、料理研究家の満留邦子さんをご紹介します。
料理研究家は、学生時代の夢だったそうです。憧れの職業に就いたことをゴールではなく、スタートだったと語る満留さん。夢を仕事にして経験を重ねた今、仕事についてどんな思いを抱いているのでしょうか。仕事や食、そして暮らしについての「今」と「これから」を、たっぷりとお話しいただきました。

―これまでのキャリアや現在の仕事内容を教えてください

家政学部の大学を卒業後、管理栄養士の資格を取りました。大学時代に、本や料理番組でおいしそうな料理を紹介している「料理研究家」に憧れて、私もなりたい!と思うようになったんです。

その当時の大学には、料理研究家を目指す人は珍しくて、就職課の先生も困っていましたね。料理教室講師のアルバイトをしたり、食の専門学校に通ったりしてきっかけを探していたときに、ある出会いで料理研究家アシスタントの職を得ました。それがこの世界へのスタート地点にやっと立てたのかなと思えた瞬間でした。

アシスタント時代とテレビ番組のフードコーディネーターなど、いろんな現場で経験を積んで独立。以来、書籍、雑誌、web、料理教室などで活動しています。

―これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください

初めて著書を出版できたことです。

この世界に入ったときから、いつかは本を出すのが夢でした。
発売日に恐る恐る本屋に行って、料理書コーナーで自分の本を見つけたときは嬉しくて、思わず声をあげて喜びました。

写真2
▶︎発売初日に本屋で見つけた、初めての著書「ごはんのおとも」

平積みされているのをスマートフォンで撮影したり、他の本屋を何軒も巡って、並びが乱れていたら整頓したりしていました。
両隣はベストセラーと話題の本。手にとってくれる人はいるのかなと心配で、何時間も本の近くで立ち読みしながら様子を見守っていたのを覚えています。

―これまでにぶつかった壁はありますか?そしてどう乗り越えましたか?

壁はたくさんぶつかってきました。

壁には2種類あると思っています。ひとつは乗り越えられる壁で、もうひとつは越えられない壁。前者は自分が頑張れば良いので、乗り越えるために何をするべきかを具体的に考えられます。でも後者は違うのかなと。自分だけではどうにもならないことってあります。解決してくれるのは時間だったり、考え方を変えることだったり。

乗り越えられる壁にぶつかったときは、少しずつ壊していきます。取り組んでみると、壁だと思っていたのは自分の方だったってこともあるし、乗り越えられたときは自分自身が少し成長できている気がします。

―あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

「食」の楽しさや大切さを伝えるために活動すること。

正確なレシピを伝えることはもちろん大事ですけど、私が本当に伝えたいのは「食って楽しいよね」ってことです。
楽しくないって思うのには原因があるはずなんですよね。失敗しやすい工程があったり、調理方法が面倒だったり、苦手な食材があったり…。それらが解決できたら、料理をするのが少し楽しくなりませんか。
私は食にまつわる営みが楽しくて好きなんです。作ること、食べること、食卓での会話、盛り付ける器選び…などなど。

私は好きなことを仕事にしました。そんな私自身が食を通して感じている、食の可能性をこれからも伝えていきたいと思っています。

―今後、あなたがありたい姿を教えてください

料理研究家として、これからもずっとレシピを届けていきたいです。

ライフスタイルの変化に合わせて、自分の食に対する価値観も変わって行くと思います。もっと年齢を重ねても、おばあちゃんになっても、食を通して人の役に立てることをしていたいと思います。

そのためには、続けることです。あたりまえのことですけど。
自分がありたい姿に、急になれる訳ではないと思っています。日々の積み重ねが今後の自分に繋がっていることを忘れずに、仕事では今、目の前のことを全力でやること。そして日常のことも、できるだけちゃんと心がけています。

―これからチャレンジしたいことはありますか?

料理を直接教えることができる料理教室の現場は、仕事の中でも大切にしています。

本や雑誌などの仕事では、私の料理がどんな人の目に留まって、どんな事を感じてくれているかって、私にまではなかなか届いてこないですよね。私も文字で表現するのが難しいことや、決められた範囲内で伝えきれないこともあったりします。そこを補ってくれるのが料理教室なのかなと。

写真1
▶︎料理イベントにてデモストレーションの様子

料理を通して人とコミュニケーションが取れる機会を、もっと増やしていきたいなと思っています。

―あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください

週末の朝ヨガの時間です。
何も余計なことを考えずに自分だけに集中することができる時間で、終わった後はとても清々しい気持ちになっています。

あとは仕事と全く関係なく、自分の気持ちの向くままに自由に料理をする時間も好きで、ストレス発散になります。キッチンは私にとって仕事の場所ですけど、ストレスを解消してくれる場でもあるんです。

―日課、習慣にしていることはありますか?

朝ごはんを整えること。

写真3
▶︎ある日の朝ごはん。土鍋で炊いたご飯に、みそ汁、青菜のお浸し、酢の物、作り置きのごはんのおともが数種類並ぶ

なかなか毎日とはいかないですが、できるだけそうするようにしています。
3年くらい前から、インスタグラムで朝ごはんの献立日記をつけています。

ちょっとだけ早起きして、朝ごはんを丁寧につくって食べる。この習慣を始めてから、体だけではなくて心も健康になった気がします。
主食はご飯にすることが多くて、ゆっくりできる朝は土鍋で炊いています。

―あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りがあれば教えてください

スッキリと暮らすこと。
モノはできるだけ少なく、本当に使うものだけあれば良い、という方です。でも仕事柄そういう訳にもいかず、モノは多いです。

うちに来る人に、「片付いている」「整理整頓されている」とよく言われます。もしそう見えるとしたら、収納方法に工夫があるのかなと。

私の片付けの基準は、スッキリ見えるかどうかだけ。基本は見えない収納で、棚の中はパズルのように、すき間なくモノをしまっています。でもスッキリしすぎて冷たく感じてしまわないようにバランスも考えていて、見えるモノに関しては、色、フォルム、並び順などに気を付けて配置しています。

適度にスッキリした心地よいと感じる空間づくりが、私のこだわりです。

―幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

私の料理が誰かに伝わって、いつかその家の味になり、人から人へ、世代から世代へと受け継がれていく、そんな瞬間を感じることができたときに幸せだと感じます。

プライベートでは、20年来の友人たちと過ごす時間です。アシスタント時代に出会って、今は同じ食の世界でもそれぞれ違う分野で活躍しています。いろんな相談ができて、良い刺激をもらったり、助け合ったり…と、なくてはならない大切な存在。
みんな美味しいものが好きだからよく集まります。みんな料理のプロなので、手料理を持ちよって誰かのお家に集合すると、どんなレストランよりもご馳走が並び、おいしくて楽しくて、そして幸せな時間になります。

―働いている時の貴方を「色」に喩えると?その理由は?

働いているときは、白かな。いろんな色に変われる色だから。

仕事によっていただく課題はいろいろです。決まると、そればかりを食べ続けたり、作り続けたり…と、いつもそのことばかり考えるようになって、課題一色になってしまうタイプです。一度自分のイメージや思い込みとかを取り除いて、まっさら、白にしてから、いろんな角度から、その課題と向き合います。

仕事に合わせていろんな色に染まることができるということで、たとえると白ですね。

―自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

ひとつ選ぶとしたら、「自分で決めること」かな。

どちらにするか迷ったり、さあどうしよう…って状況は日々起こるし、たまには人生に関わるような大きな決断を迫られることもありますよね。そんなときはとにかくいろんな方法で考えて…、最終的には自分で決めます。
その決断のひとつひとつが、今の自分に繋がっているんですよね。

もちろんこれまでの全ての選択の時に良い方の選択をしてきたかはわからないし、「もし違っていたら」って思わないかと言ったら嘘になります。でも自分で決めてきたので、振り返ることはあっても後悔したことはないです。もしも同じ場面に戻れたとしても、同じ道を選ぶだろうなって。
自分の人生は自分の意志で生きたいって、そう思っています。

————————————
憧れの職業についてから経験を重ね、壁を壊し、そして自分で道を決めながら、さらにひとつずつ夢を叶えていく…。自分がありたい姿になるためには、「続けること」が大切と語る満留さん。仕事に情熱を持ち続けてさらなる進化を目指す姿は、とても素敵な生き方に見えました。きっとこれからもいろいろな色に姿を変えながら、一歩ずつそして確実に「自分がありたい姿」に近づいていくのでしょう。
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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