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取材 2017.04.26

100人100色―起業支援の会社に勤務のかたわら、自らも起業。いくつもの活動で世界を広げる経営者ー岡田佳奈美さんのお話

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都新宿区在住の岡田佳奈美さん(28)です。コンサルティング会社を経て、起業支援や新規事業立ち上げ支援を行う会社に転職。自らもペット業界での新ビジネス立ち上げのために起業し、CEOに就任しました。さらにビジネス書「7つの習慣」に関わる活動にも参加するなど、いくつもの活動を同時進行で行い世界を広げている岡田さん。仕事に対する考え方や人生観を伺いました。

−−現在のお住まいについて教えてください。

今は東京都新宿区に住んでいます。特に理由はなく、「通勤時間が30分以内」ということだけを考えて場所を選びました。
以前名古屋に住んでいたことがあるのですが、その時の通勤時間がドアtoドアで15分だったんです。それに慣れてしまって通勤時間が長いのはダメになりましたね。「通勤時間で色々とできるよ」と言われたりもしますが、私の場合は確実に寝てしまうので(笑)。

−−家族構成について教えてください。

家族は父・母・妹です。実家にペットの猫がいます。もともと2匹だったんですが、最近一匹が他界してしまいました。家族について話をすると「よくこんな子に育ったね」と周囲からは言われます。なぜかというと、両親が公務員だからです。起業している人というのはどうしても自由で創造性豊かな人、そしてリスクテイカーだというイメージがあって、公務員のイメージからかけ離れているのでそのように言われるのだと思います。そんなことは全く意識したことはないので、その質問にはいつも答えられないんですけどね。

——岡田さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

京都で生まれ育ち、大学卒業までは実家暮らしでした。
大学卒業後、新卒でデロイトトーマツグループのコンサルティング会社に就職しました。そこでは、新規開拓営業、研修講師、コンテンツ制作、コンサルティング、総務などさまざまなことを経験させていただきました。拠点も、大阪→愛知→東京と社内を見渡しても珍しいくらい異動し、様々な場所で働かせていただきました。

4年勤めた後、GOB Incubation Partners株式会社(GOB-IP)という若者の起業支援や企業の新規事業立ち上げ支援、イントラプレナー育成支援などを行う会社に転職しました。そして転職した1ヶ月後に株式会社ORP(オープ)を立ち上げ、代表取締役社長CEOに就任しました。ORPでは犬の飼い主とドッグトレーナーをつなぐマッチングプラットフォームを立ち上げ、運営しています。今はGOB-IPとORPの両方で活動しています。

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▶「福井からはじまる小さなデザイン教室XSCHOOL」プロジェクトに、プランの事業化に向けたレクチャラーとして参加。

そして、もう一つの活動が「7つの習慣」に関わる活動です。7つの習慣とは全世界で3,000万部、日本でも200万部以上の販売部数を誇り、人々に影響を与えた書籍で、世界で一番売れているビジネス書です。学生時代にある経営者から勧められてこの本を読んだのですが、当時は理解しきれずあの分厚い本を読破することで精一杯でした。しかし、前職の研修コンテンツとして7つの習慣を扱うことになり、社内で講師を育成することになったのです。その育成プログラムに参加し、ようやく理解することができました。

当時は「教えるからには自分も実践しなくては」と、プログラムの参加メンバーと一緒に実践していたのですが、やはり継続するのはとても難しいですね。7つの“習慣”なので、本当は意識をしなくてもできるレベルにならないといけないんですが(笑)。

転職・起業してからは、あらためて自分自身が7つの習慣を実践できるようにしたいと思うようになりました。そんな時に7つの習慣のボードゲームが開発されて「7つの習慣ボードゲーム公認ナビゲーター」という制度や、7つの習慣実践会(実践を目的とした読書会)のファシリテーターの制度ができたんです。資格をとり、実践会やボードゲーム会を開催することで、「教えるからには自分も実践する」という良い意味でのプレッシャーとモチベーションを自分に課すことができますし、他の方にも7つの習慣を知ったり、学んだりする場を提供できると思いました。この活動に関しては、爆発的に大きくしたり広げたいというより、丁寧に長く続けていくことを重視しています。

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▶ライフワークとして活動している「7つの習慣」の書籍とボードゲーム。

−−これまでにぶつかった壁はありますか?

新卒で入社し名古屋支社で勤務していた時は、新規開拓の営業成績が悪くてとても大変でした。立ち上がったばかりの小さな支社だったので、営業成績が伸びず社内のメンバーに迷惑をかけているという状況が精神的に辛かったですね。当時の名古屋支社メンバー全員から心配されていたんじゃないかというくらいに。実際に辛すぎて、毎朝、会社に行こうかそれとも今日は休んでしまおうか悩んでいました。ひどい時は悩みに悩んで、家を出るのが遅くなってしまいタクシーで会社に行くこともありました。タクシー通いが一週間続いたことも……(笑)。その時は、自分で乗り越えたというよりも、会社が助けてくれました。東京に転勤になり環境を大きく変えてもらえたからです。環境の変化は大きいですね。気持ちも少しリセットできたので。

もう一つあげるなら、起業してからですね。壁には毎日ぶつかっています。最初は前職のコンサルティング会社で学んできた知識が全く実践で活かせませんでした。知識と実践ではこれほどまでに差があるのかと思い知らされました。

事業を立ち上げるというのは正解を見つけるのではなく、正解を創ることだという思いが強くなり、今までどこかで探していた“正解”というものをあまり探さなくなりました。“正解”という考えが薄れると、同時に“失敗”という考えも薄れてきて、以前より行動できるようになったと思います。前職にいた時は、失敗が怖くて全然動けていませんでしたからね。この考え方の変化はとても大きいと思います。

考え方の変化という点では、「過去は正しい」と、いい意味で割り切れるようになりました。実は会社設立時には共同経営者がいたのですが、途中で方針が合わなくなり、別々の道を歩むことになってしまったんです。自分自身経営者として、人間としての未熟さを痛感しました。過去は変えられないとは思いながらも、どうしても心の整理がつかず、前に進めない時期もありました。「あの時どうすればよかったんだろう?」ということしか頭にありませんでした。しかし、そんな時にお世話になっているメンターの方から「過去は全て正しいよ」という言葉をいただき、考えが一変しました。過去は「変えられない」と「正しい」は似ているように思うかもしれませんが、私の中では全然違ったんです。「そうか、やってきたことは正しいんだ!」と素直に思えるようになり、未来に向けて思考できるようになりました。もちろん過去からの反省材料は改善に活かしますが、過去に囚われることからは脱却できた瞬間でした。

−−これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

営業先の社長に電話で30分お叱りを受けたことです。お叱りという言葉は適切ではないかもしれませんが……。

前職に入社して1年目の時でした。新規開拓営業をしていて、月の目標受注件数まで数字が足りなかったんです。そこで、アポイントも取らず月末の夜に営業先の社長のところに伺いました。お忙しい社長は当然不在でしたが、会社への帰り道、その社長から電話がかかってきたんです。最初はアポイントもなしに急にご訪問したことなどについてお叱りを受けました。当然ですよね。めちゃくちゃ迷惑ですから。それでもそうせざる得ない状況でもあったんです。言い訳ですけど……(笑)。

でもそんな話は最初の数分だけで、話は次第に思わぬ方向へ進み始めました。営業に苦戦して訪問した私の状況を見て「営業の目標がきついのか?」「上司とはちゃんと話ができる関係なのか?」「社内に相談できる相手はいるのか?」「体は無理していないか?」と一切私を責めることなく、本当に心から暖かい言葉をかけていただいたんです。叱られると思って電話に出ていたので、意外な展開と、とても優しい言葉に心の中に溜め込んでいたものと一緒に涙が溢れ出てきました。自分でも驚くくらい泣きましたね、夜の公園で。そのあと約30分、社長は暖かい言葉をかけ、心配してくださり、相談に乗っていただきました。

表面的なスキル・テクニックではなく、その社長の人間としてのあり方の魅力に触れ、自分の人間としてのあり方を考えるきっかけになりました。もう5年以上前の話ですが、今でもこの出来事はよく思い出します。そして「社長のような人間性がどこまであるのか?」と自分自身の人間としてあり方を問うきっかけになっています。

−−あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

自分のありたい姿を目指すための手段です。「仕事」や「働く」ということをプライベートと区別してはあまり考えてないですね。それでも働くに関しては、どうせなら「傍(はた)を楽にする」ことをしたいなとは思います。それも回り回って結局自分に返ってくるので、自分のために働いているということになるんですけどね。

−−働いている時のあなたを「色」にたとえると?

あえて単色をあげるなら「青」ですかね。人からもよく言われます。みなさん青い炎をイメージしてくださるみたいです。あまり感情を外に出すタイプではなく、冷静で落ち着いているというところが青。一方で、自分なりの考えを持っていたり、強い想いがあったりと、実は結構熱い部分がある……だから見た目は涼しく見えるけど、触ると赤い炎よりも熱い「青い炎」らしいです。

−−今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

自分の心に耳を傾けること。昔から人の顔色を伺ったり、場の空気を読んで相手の期待に応えられるように頑張ってきました。期待に応えられないことも沢山ありますが、人の顔色が気になるんですよね。人から評価されることが嬉しく、評価されたいと思っていました。

でも、ずっとそれを続けると自分が本当は何をしたいのか、何を望んでいるのかがわからなくなるんですよ。他人の声に耳を傾けるのも大事だと思いますが、それだけだと他人の人生を生きているのと変わらないなーと思うようになりました。そして、自分の心に問いかけるようにしています。「ワクワクするか?」「心からやりたいと思うか?」。どうしても左脳的に考えてしまうクセがあるので、「理由はどうでもいいから、どう感じるか?」ということを気にするようになりました。一方で、人の評価を得るためだけに期待に応えたり、惰性で要望を受け入れるようなことはやめるように気をつけています。

−−これからチャレンジしたいことは何ですか?

自分の限界にチャレンジしてみたいですね。特にORPでの活動は今まで携わったことのない業界で、経営者という立場で初めてのチャレンジです。ペット後進国と言われている日本に対して、外部の業界から入った私がどこまでできるのかチャレンジしたいですね。今までに携わったことのない業界であることを、私はポジティブに捉えています。むしろ強みだと思っています。業界内にずっといると業界内の当たり前に染まってしまいます。業界を知ることは非常に重要ですが、そこに縛られすぎず、ある意味では非常識とも言えることにチャレンジできるのは外部から業界を見ているからだと思います。このスタンスは忘れずにペット業界でチャレンジを続けたいです。

−−あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

日々のちょっとしたことだと、コーヒーを入れる時間はリラックスタイムです。コーヒーって知ると奥が深くて面白いんです。道具もいろいろありますし。朝と夜にその時の気分に合わせて豆・抽出器具・淹れ方・カップを選んでいます。夜は豆を挽くところからやっていますね。いろんな変化があって飽きないし、コーヒーを淹れる時って結構集中するんですよね。特にドリップする時。それが自分の中で良い切り替えと生活のリズムになっています。

もともと仕事中によくコーヒーを飲んでいて、せっかく飲むなら味の違いがわかると面白いだろうなと思ったのがきっかけです。美味しくコーヒーを淹れられた時はとても気分がいいですね。

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▶部屋の中に作った、趣味のコーヒースペース。毎日ここでコーヒーを入れている。

−−あなたの生活の中でのこだわりやお気に入りを教えてください。

パワーストーンは常に身につけるようにしています。ORPを始める時に決意を形にするために、オリジナルで作ってもらいました。願い事に合わせてさまざまな種類のパワーストーンからその人に合ったものを選んで作ってもらえるんです。ここに水晶も入っているんですが、そこに社名である「ORP」の文字を刻んでもらいました。パワーストーン自体の効果も期待しつつ、私にとってはこれを見ることでORPを始めた時の初心を思い出させてくれる大切なアイテムです。

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▶日々身につけているパワーストーン。外している時は水晶の上に寝かせて浄化している。

−−自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

自分のありたい姿を描き続け、それを大切にすること。人は意外と自分が知らないうちにいろんな役割を担っていることがあると思います。そして本人は気づいていないけど、実はとても大切にしたい役割だったりもします。

まず、自分自身が人生においてどんな役割を担っているのかを自覚し、大切にしたい役割、そして役割におけるあり方を具体的に思い描くこと。常にそれを思い描き、目指すことが、心と体が前進することにつながると思います。何かあった時はそれが拠り所になりますしね。そこに辿りつけるように日々、精一杯チャレンジしたいと思います。失敗しても死ななければなんとかなりますからね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
会社勤務、経営者、「7つの習慣」に関する活動と、いくつもの活動を精力的に行う岡田さん。「皆さんから“どの活動がメインなんですか?”と聞かれます。でも“どうしてメインを一つに決めなきゃいけないんだろう?”と思ってしまうんです」と語ります。「“仕事のメインは1つ。その他はサブ(副業)”という考え方には、違和感を感じます。自分自身に“こうありたい”と思う姿があって、それに近づくために必要だと思うことをやっている感覚ですね」という岡田さんの発想には、はっとしました。理想の自分に近づくために、私たちの日々の仕事や活動も、岡田さんのような発想で考えることが大切かもしれません。

取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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​岡田さんの7つの習慣に関するサイト

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