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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.06.14

100人100色―起業のきっかけは東日本大震災。全国・海外に展開する化粧品メーカー社長ー鈴木礼子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都在住の鈴木礼子さん(31)です。IT関係の仕事を経て、26歳で化粧品メーカー「レイナチュラル」を起業した鈴木さん。そのきっかけは、東日本大震災にあったといいます。「誰かの役に立ちたい」という想いで会社を経営するかたわら、大学の客員准教授として多忙な日々を送る鈴木さんの仕事に対する想いやチャレンジについて、お話しを伺いました。

——鈴木さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

高校を卒業して、短大に進学しました。その後、4年制の大学に編入しています。大学では、国語の教員免許を取り日本文学や日本語学の勉強していました。

卒業後は何のご縁なのか、金融のシステム開発をする会社に入社してプログラマーになりました。まともにパソコンを使ったことがなかったのに(笑)。起業するまではずっとIT関系の仕事をしていたので、システムのことやWEBのことにはだいぶ明るくなりました。

26歳のときに会社を辞めて起業しました。20~30代の女性向けのコスメを企画・販売する、化粧品メーカーです。

起業のきっかけはその年にあった、東日本大震災の影響が強かったですね。実家のある茨城県も被災したんですが、困っている人を助けようにも、個人では時間もお金も限界があるなと感じて。会社を作って稼げるようになれば色んなことができるなと思ったのです。

現在は、商品の企画・開発・PR、マーケティング、ブランディングからプレゼンや商談など営業活動まで全部やっています。WEB周りのことも、サイトの設計をしたり、SNSを運用したり、外注しないことは全部。海外とも取引があるので、商談や展示会で海外出張も多いです。商品は、全国のバラエティショップ・ドラッグストア・量販店で販売しています。

今までの経験や実績をフル活用して、他社商品の企画開発と営業支援、広報の仕事もはじめました。新しい取り組みで大変なことばかりですが、誰かのために自分が役立っているということに、やりがいを感じています。

また、今年から大学の客員准教授になり、自分の知識や経験をアウトプットできる機会が増えたので、いろんな取り組みをしていきたいなと思っています。

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▶台湾のビジネスパートナーと一緒に、香港の展示会に出展。
 

——これまでに仕事でぶつかった壁はありますか?

起業してからはずっと、トライ&エラーの繰り返しです。商品を作ることも売ることも大変でうまくいかないことのほうが多いですし、本当に周りは壁だらけです。乗り越えるというか、壁にぶつかっても前に進まなくてはいけないので、俯瞰的・客観的に物事をみることと、責任転嫁をしないことと、勉強することを心がけています。

失敗からは学ぶことの方が多いので、何がいけなかったかということを冷静に分析して、反省して繰り返さないように、次に自分がどう動くべきかを考えるようにしています。

ヘアメイクアップアーティストやカメラマン、WEBの制作会社に仕事を依頼することも多いのですが、丸投げをせずにこちらの意思と仕事の目的を相手に伝えるようにしています。最初はディレクションが苦手だったんですが、一緒に仕事をする人から教えていただいて、情報も意識的に仕入れるようにして、いろいろなことを勉強しました。

あとは、抱えている案件も多くて、リソースが限られているので、やることとやらないことの区別をはっきりつけて、その時に最善だと思うことをするようにしています。

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▶商品開発会議では何度も試作品を作り直し、自分で使って試す。
 

——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

台湾の展示会に初めて出展したとき、急にステージに立たされてその場でお客さんにメイクをしたことです。

自社の商品が抽選会の景品になっていたので、当選者に使い方のレクチャーとデモンストレーションをする流れになってしまって。ヘアメイクスクールには通っていたんですが、技術は学んでも実践はしたことがなくて。しかも相手は台湾の方だったので言葉も通じません。親しくしているメイクアップアーティストの方が外国の方にメイクをしていた時のことを思い出して、何とかその場を乗り切りました。

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▶台湾の展示会で急にステージに呼ばれ、プレゼンとメイクのデモンストレーション。
 

——あなたにとって「働く」とは?

自分が軸になって、周りを動かすことです。常にストーリーを考えるようにしていて、物事と人をどう動かすか、そのためには自分がどう動かなくてはいけないかを考えています。また、自分の知識や経験を誰かのために役立てることだと思っています。

——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

明るい黄色です。元気で明るいって言われることが多いので。「ハニープラス」という、はちみつをたっぷり配合した自然派のシャンプーを取り扱っているので、意識的に身の回りのものをはちみつをイメージした黄色の物で揃えています。営業先で初めて会う方に商品と一緒に、私自身も印象に残って欲しいです。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿は?

仕事に関していうと、化粧品って本当に悩んでいる人や困っている人に、悩みを解決するような商品や情報が届いていないと思うんです。なので、メーカーとして商品に関する正確な情報発信をしなければならないなと。

先ほどお話しした「ハニープラス」のシャンプーは、髪や頭皮に悩みを抱えている人のために安価で本当にいいシャンプーを作ろうと思い、シャンプー開発の専門家と一緒に成分にこだわりぬいて開発しました。シャンプー工場と一丸になって製造して、販売しています。

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▶店頭に並んでいる商品。良い商品を作って、たくさんの人に使って欲しい。

また、ラノリンという羊毛からとれる100%天然のオイルだけで作った「ラノリンピュアバーム100」という商品があって、こちらも原価ぎりぎりですが、赤ちゃんとママとパパが安心して一緒に使える保湿オイルなので商品化しました。化粧品メーカーとして本当に使って欲しい、使う人のことを考えて作った商品をたくさんの人に知ってもらうために、オウンドメディアを作ったり、SNSを使って情報発信をしたりしています。

私個人としては、常に新しいことに挑戦して、成長していきたいと思っています。

——これからチャレンジしたいことは?

やりたいこと、いっぱいあります(笑)でも、あえて言うなら語学(英語と中国語)です。

すでに、台湾やタイに商品を輸出しています。今後も海外の市場を広げていきたいので、語学は必須かなと。すごく苦手ですが。併せて貿易関係の資格も取りたいなと思っています。

——プライベートについて伺います。現在のお住まいは?

東京都内の下町に住んで8年になります。以前に勤めていた会社に近く、家賃も手頃だったので。住んでいるうちにご近所付き合いができたり、地域のイベントにも参加するようになったり、居心地が良くて。
一回引っ越しをしていますが、生活圏内はほぼ変わりません。住んでみてわかりましたが、羽田にも成田にも行きやすく、新幹線の駅にも近いんです。国内外問わずに出張が多いので私としてはありがたいです。

——日課や習慣にしていることはありますか?

ぬか漬け作りと、ジムでの筋トレです。そろそろ暖かくなってきたので、プール通いも再開しようと思っています。

ぬか漬けは、発酵食品でしかも野菜も取れるので万能だなと思って。ぬかが付いたまま会社に持ってきて、お昼やおやつの時間に野菜スティックみたいに食べてます。

仕事終わりや休日に、24時間営業のジムに通っています。一時期、仕事に集中しすぎて体調を崩してしまったので、健康には気を使っています。

——息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

自炊です。朝から晩まで仕事して、常に睡眠不足で不健康を自覚しているんですが、この状態に外食やコンビニ食が加わると、ちゃんとした生活できてないなって気持ちが滅入ってしまって。

たいしたものを作るわけじゃないんですが、出汁からちゃんととって煮物を作ったり、野菜たっぷりのお惣菜を作ったり、それをお弁当にして会社に持っていきます。料理をすると気分転換になるし、食生活が健全になるので、気持ちが楽になります。

——あなたの生活の中でのお気に入りは?

30歳の誕生日に母がくれたビタクラフト(無水鍋)がお気に入りです。炒め物以外は全部、お米もこの鍋で炊いています。小さくて使い勝手がいいです。

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▶愛用の無水鍋。熱伝導率が高くコンパクトでお気に入り。
 

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

自然の中を歩いたり、良い景色を眺めたりする時ですね。
最近だと、マレーシア人の友達と鎌倉アルプスでハイキングしたことがすごく楽しかったです。普段、パソコンの前で仕事をしていることが多いので、きっとその反動です。山奥の温泉とか森の中の公園とか、海でも川でも、自然に囲まれたところに行くとリフレッシュできて幸せだなって思います。

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

高校生の時に部活で全国大会に出場したんですが、その時に母から「その場に立たせてもらえることを(周りの人に)感謝しなさい」とメールをもらったことが、強く印象に残っています。以来、私のポリシーは「いつも感謝」になり、周りの人のおかげで自分がいるなと思うようになりました。

なので、助けてくれる人への感謝の気持ちは忘れずに、今後も自分の力で周りにいる人を喜ばせたい、役に立ちたいっていう気持ちを大切にしていきたいなと思っています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
震災をきっかけに「自分で会社をつくってお金を稼いで、人の役に立ちたい」と、起業を決意したという鈴木さん。「本当に困っている人を助けたい」という想いは、化粧品の開発へのこだわりにも込められているようです。これからどんな素敵な商品が生まれていくのか、鈴木さんの挑戦が楽しみですね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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