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取材 2017.06.17

100人100色ー鎌倉でセレクトショップをオープン。海と山に恵まれた土地で人生をエンジョイするー木村薫さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、神奈川県鎌倉市在住の木村薫さん(50)。アパレル企業のデザイナーを経て、マーケッター、バイヤーと経験を積んだ薫さん。パートナーとの出会いをきっかけに会社を作り、鎌倉にセレクトショップ7WONDERSをオープンしました。都心を離れて緑豊かな鎌倉に移り住み、海と山のあるライフスタイルを満喫する薫さんに、これまでの人生で培ったものや人生の楽しみについて教えていただきました。

——お住まいはどちらですか?

昨年の秋から鎌倉の材木座海岸近くに住まうようになりました。現在運営している自社店舗が鎌倉駅から徒歩5分ほどの扇ガ谷にあるので、近くて生活環境の良い場所をと探し求めていた際に偶然に出会った、築90年以上の古い民家をお借りしています。

お部屋が8室と母屋の前のお庭には古い米蔵もあり、私とパートナーの二人では広くて贅沢すぎる空間でしたので初めは迷いましたが、何よりとても気が良い立地と風情のある物件で気に入ってしまい、またそこにいろいろな人たちが集っている様子が想像できたことで思い切って移住しました。

それまでの都内から鎌倉まで往復2時間強の通勤時間が15分程度に短縮されたことで心身の負荷が大分軽くなったことと、海も山も近いので、潮干狩りをしたり山へ散策に行ったり、庭で家庭菜園をしたり……と日常的なアクティビティが高まり、生活の彩りが格段に豊かになったと感じられます。

そして当初想像していた通りに、友人をはじめ店舗のゲストさんたちや仕事関係者の方々なども頻繁に材木座の家にも集ってくださるようになっています。
これからも店舗と自宅兼集い処としての可能性をひらいていけたらといろいろプランしています。

——これまでのキャリアについて教えてください

3歳の頃には「お洋服のデザイナーになる!」と言っていたらしく(笑)、キャリアのはじまりは三つ子魂?!そのままに大手アパレル企業のデザイナーになっていました。

いわゆるカタカナ職業は一般的な華やかなイメージとは裏腹にハードワークであることが多いように思いますが、まさにその通り!アフターファイブなるものを味わったこともなく世のイベントシーズンには店頭にも駆り出されてデートもままならず……でしたが、仕事が好きだったためかあまり苦にはなっていなかったように思います。

ただ、企業デザイナーをしていて徐々に自らの仕事の状況に違和感を覚えるようになっていったんですね。自分が本当に提案したい、作っていきたいのは単なる綺麗なお洋服だけではない……と。その服に出会い、選び、装い、誰かと関係を結んだり解いたりしている人々のいるイキイキとしたマーケットの中にもっと入り込んで関わっていくような仕事の在り方がないのかなぁ……と。

思い出したら止められないやっかいな気質なので、即転職です!(笑)まずはもう少し広い視野で業界と業界の状況を俯瞰できるのではないかと考えてアパレル専門のマーケティング会社に移ってみました。理想通り!ではもちろんなかったですが、それまでの企業デザイナーという「カゴの中の鳥ちゃんみたい」と思っていた場所からは脱出できた感覚です。

そしてそれからも何社かの企業をマーケッターとして経験させていただき、独立する直前までの13年間の最後のサラリーマン生活を、TV通販を主体とするダイレクトマーケティングの企業でバイヤーとして過ごさせていただきました。転職が多かった自分の中でのなんと最長キャリアですね〜!

入社した当時はまだまだ新しい組織だったことと半分が外資だったこともあり、自主独立の気風が強く……というより、人手がないので「なんでもやるより仕方ない!」的な雰囲気だったところから、結果的に自由に仕事を作り上げていくことができました。また実績が積み上がっていない時期だったため、失敗もし放題!だったことが性分に合っていたのだと思います。そして何より、構想し企画に落とし込み、TVやネットの向こう側にいるたくさんの人々に直接プレゼンテーションが届けられることの面白さと手応えが病みつき状態になったのだと思います。やっと、最初から最後まで見届けられるポジションに辿りついたなぁ、と思えました。

そしてその立場での仕事をそろそろやり切ったかなと感じはじめた頃、まずは現在のパートナーとの出会いがあり、約2年前に二人で会社を作り独立し、鎌倉にセレクトショップを開業しました。7WONDERSという店名にしたのは、本当に自分自身が「ななふしぎ」な状況を体感したことにはじまっています。想いがひらく、引き寄せるご縁は本当に摩訶不思議でありがたい人生のギフトですよねぇ〜♪

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▶7WONDERSの店内

毎日を気持ち良く、いろいろあってもなるべくご機嫌さんな気持ちでいることを後押ししてくれるような服と雑貨と生ビール?!がうちのかわいい商品たち。なので、取り扱う服や雑貨の多くは男女の境も年齢の境も関係のないものが多く、実際にご夫婦やご家族、カップルで訪れてくださる方々が多く、年代も20代から80代までの顧客の方々が偏ることなく集ってくださっています。

本当にやっと、新人生意気デザイナーだった頃に想いを馳せていたイキイキとした生活者マーケットのど真ん中に辿りついたのかもしれません。なので私の本当の仕事、ライフワークは今からはじまるのだなぁと感じています。

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▶7WONDERSでパートナーと。
 

——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

やはり今の仕事環境へ移行する時のことでしょうか。先にお話ししたように、ちょうど本気のライフワークとなる働き方を想っているタイミングで訪れたパラダイムシフトって思える出来事です。

前職のバイヤーとして赴いたインドでの展示会で、現在の鎌倉店舗の前オーナーやその後いろいろな場面で繋がることになるひとたちとの出会いがあり、また、これまで幾度もチャンスはあったのに一度も行ったことがなかったインドの奥深い文化や繊細でエモーショナルな手仕事の世界との関わりを持つことで自分の中で固まりつつあった「本気で伝えるべきものを本気の伝え方で本気で受け取ってくれる人たちへ届けること」というテーマが軸として据わりました。

そして帰国後2ヶ月ほどでその後現在に至る進路を決め、文字通りの猪突猛進!で退職後また2ヶ月ほどで鎌倉に店を開業したのです。

今にして思うと無謀極まりなく……なにせレジの打ち方も知らず、もちろん実店舗運営の知識も経験もゼロ!からのスタートでしたから、本当によくよく考えていたら今の状況には至っていなかったかもしれませんね。(笑)

ただ、起業して2年の間にひらけた取引先や店舗ゲストさんたち、また友人たちとのご縁や繋がりの気持ち良さや信頼感は、自分たちで立ってこその賜物だと感じることができます。

——これまでにぶつかった壁はありますか?

壁だらけですよ〜、お話ししたらキリがないくらい!壁を乗り越えるには?そんなのは「ブレない想い」しかない、と私は感じています。あるいは、越えないでかわすのもありですよ。みんな真面目すぎて自分も他人も追いつめないようにしましょうね〜。
あ、でも壁に当たったひとにはよく相談されますね〜。なんだか楽になるらしいですから、お問い合わせは7WONDERSまでっ(笑)

——あなたにとって「働くこと」とは?

生きることと等しいです。名刺に印すような働き方ばかりではなく、心身を使って自らと他者のために労働することすべての意味において。

——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

黄色、ですね。大好きなパーソナルカラーです。「明るんでひらく」を象徴するイメージカラーだと思っています。

幼い時にはかなり病弱で一人で過ごすことが多かったためなのか、他者との距離感覚が尖りすぎて辛い時期が長かったのです。今でもその感覚がなくなった訳ではありませんが、本気でやりたいと思うことや本気で関わりたいと思う人たちとの出会いの中で心の筋トレ!を重ねようやく、「明るんでひらく」という言葉をそばにできるようになりました。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

私のパーソナル&ビジネスモデルは実の爺ちゃんです。戦後の横須賀で手作りの飴屋をはじめ、90歳を超えて亡くなる2ヶ月ほど前まで現役を通した、職人であり経営者であり親族の太陽のような存在。
飴を仕込んでいる時は近づき難いほどの集中力とオーラでカッコよく、店にいる時は「爺ちゃん飴は50万えーん」なんておキマリの冗談ばかりを言って子供たちと戯れ、家族みんなの心配をし続けて守り、楽しみの晩酌タイムには可愛い〜笑顔でほっこりしながら猫を撫でていた爺ちゃん。

本当に、亡くなるまでほぼ誰にも面倒をかけずにカッコよすぎてせつなかった人。そんな爺ちゃんの笑顔が誰より最高だったので、真剣に働き、楽しく提案し、人を愛し、美味しく酒を呑み、そんな顔して笑えるように生きることがイメージです!

——日課や習慣にしていることはありますか?

日々かならず朝ごはんを食べる!朝ごはんが好きなんです。ちゃんと作ってちゃんと食べるとしみ込み方が昼と夜とは別格ですから。

いつか朝ごはん屋さんやりたいんですよ、ほんとにね。みんながほっこり朝ごはんを気持ちよく食べて働きはじめたら、世の中悪いようにならないんじゃないかなって、そんなこと真剣に考えるんです。あとは、夜にちゃんと湯船に入る。お風呂も大好きです。その日のことはそこで終わり。柔らかく湯に溶かしてから眠る。それだけかな。

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▶自宅庭での朝ごはん
 

——息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

息抜きは都会にいる時と違ってきましたね〜。今は自然に囲まれた古民家に住んでいるので、たとえば天気の良い日に大きなシーツ干してそれを満足気に眺めていたり、素敵な箒で廊下をはいて雑巾で磨いたり、庭の野菜で漬物つけて、糠クサイ手を香ったり(笑)するのが楽しいしリフレッシュになったりします。

同時に本を読まなくなりましたね〜、本当に。小さな頃から本を読まない日は無いな〜ってくらい読んできたのに、面白い現象ですね。あとは疲労が溜まった時には、たまに店の近くの岩盤浴に行ってデトックスするくらいですかね。

——あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りは?

最近気に入って日常飲料にしているのが玄米コーヒーです。レギュラーコーヒーを何杯も飲んでいるのと比べると体が軽く感じるようになった気がします。使っているカップの茶渋もいつの間にか取れているんですよ〜。一石二鳥??

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▶お気に入りの玄米珈琲

そして、面倒くさがりな私のスキンケアの味方でもあるアプリコットオイル。友人がヒマラヤで手摘み手絞りして来たヴァージンアプリコットオイルを化粧水の後に付けるだけ!これでトラブルなく過ごせているのはとっても助かっていますよ。

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▶アプリコットオイル

それから、この時期から最高に気持ちの良い相棒になってくれる、インドカディ(手紡ぎ手織り布)のストライプスカート。合わせやすく毎日でも穿きたくなります。

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▶カディスカート
 

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

パートナーと家ごはんを食べている時とふかふかのお布団で眠る時。これがあれば大抵のことは大丈夫になります。鎌倉に越してからは彼の作る自家菜園の野菜や鎌倉の海の幸に良い刺激を受けてお料理も楽しくなりましたし、洗濯物もよく乾くので最高ですね。

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▶自家菜園の野菜
 

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

愛ですね。純粋にシンプルに愛することのできる人、仕事、物、場所との出会いに向かって自分をひらき続け、そしてその関係を紡いでいくことを大切にしています。

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緑豊かな鎌倉でパートナーとともにセレクトショップを営み、海と山に恵まれた生活を楽しむ薫さん。働いているときの色を「明るんでひらく」黄色と表現してくれました。薫さんの語る言葉は、どれもひまわりのような、太陽のような明るさ。その明るさがたくさんの人を惹きつけて、皆が楽しく集う場を生みだしているのでしょうね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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