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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.07.12

100人100色―摂食障害をきっかけに、19歳で食に関わる学生団体を発足。Mealink代表理事ーもちゆかさんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都在住のもちゆかさん(26)です。19歳で立ち上げた学生団体Mealinkを法人化し、現在は社団法人Mealink代表理事として活動しています。多方面で食の大切さを発信する啓蒙活動や交流事業を行うもちゆかさんですが、Mealink発足のきっかけとなったのは高校時代に経験した摂食障害でした。一時は心身のバランスを崩し、食との関わりに苦しんだもちゆかさん。どうやってその壁を乗り越えたのでしょうか。その道のりと、食への想いについて伺いました。

——お住まいはどちらですか?

東京都23区内に夫と住んでいます。今住んでいる場所を決めた一番の理由は、「夫のお仕事エリアに近い」ということです。結婚後の住まいについては、夫と何度も話し合いをしながら決めてきましたが、夫の選択に最終的にはついていくのもいいかなと最近は思っています。

初めは、私も自分のお仕事エリアに1秒でも近い所に住みたいとおもっていましたが(笑)、衣食住の中でも、住まいの選択はとても大きな選択だからこそ、だれかの意思を尊重することによって、生活にちょっとした工夫が生まれたり、新しい自分に出会えることもあったりして。それもまた誰かと暮らすことの良さかなと思うようになりました。とはいえ……今は狭い範囲での移動なので、まだきっとこれからですが(笑)。

——これまでのキャリアについて教えてください。

19歳の時に学生団体としてMealinkを立ち上げ、「日々の食事をふりかえるきっかけ作りがしたい」そして、「健康問題により人生の選択肢が減ることなく、生涯豊かに暮らせる人が増えるように」と考え、特に同世代に向けて、食の大切さを発信する啓蒙活動や、交流会事業を中心に活動してきました。

またMealinkの活動以外にも私個人として、大好きな日本酒をはじめ、飲食に関する仕事をさせていただきました。こうしたお仕事と並行して、大学卒業後に精神保健福祉士という国家資格を取得する為の専門学校へ通ったり、正社員として企業に勤めたこともありました。現在は、個人事業主・アルバイト・法人代表・任意団体の代表など、形式にとらわれることなく仕事をしていますが、昨年Mealinkが法人化してからは、これまで以上に生活の中心がMealinkになってきています。

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▶Mealinkメンバーと食材を囲んで
 

——これまでにぶつかった壁はありますか?

高校時代に、摂食障害を経験し心身のバランスを崩したことです。それまでも人並みに悩んだり、思春期なりに心が折れる事はあっても、1年以上にわたり心も身体も一緒にこわれることはなかったので……。最初は家にひきこもりがちなりました。しかし、落ちていてはだれも助けることはできないし、最終的には自分が立ち上がるしかないのだということに気づき、なんとか自力で自分の心身のバランスを戻そうと考えました。

「心」と「食」のコントロールができなくなっていた当時、自分の身体が唯一受け入れることのできたベジタリアン食を軸に、西洋医学・東洋医学など、たくさんの本を読みました。飲食店のアルバイトを複数かけもちしたり、週末には様々な食のイベントやコミュニティに出かけたりもしました。1年半くらいかけて、マクロビオティックという食事について学ぶスクールにも通ったこともあります。健康を取り戻さないと何も出来ないので、自分の身体や心をなんとか元に戻したいともがいていましたが、そのような過程の中にMealink発足のきっかけがありました。

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▶Mealink学生部の歴代代表メンバーと共に
 

——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

一番というものはないと思います。ですが、仕事や活動で思い出すシーンというのを今こうして振り返ってみると、そこにいるのは私ひとりではなく、必ずそこに仲間がいるなぁと感じています。特に、一緒に仕事や活動をしている仲間のアウトプットしたものが誰かに評価されているシーンが多い気がします。本当に身近にいる仲間は、お互いの苦労や、裏話やその人の努力が見えるものですしね。アウトプットしたものが評価されたり、喜んでもらえているという場面は、もはや自分も評価されたかのように記憶に残っています(笑)。

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▶Mealinkitchenの交流風景
 

——あなたにとって「働くこと」とは?

今の私にとって、生きる事そのものです。もっとバランスを上手にとったほうがいいのかもしれないのですが、仕事や活動がなくなったら、私にのこるものは本当に少ない気がしています。仕事や活動にかけている時間が、ちゃんとした対価になるかは別の話なのですが(笑)ひとつ言える事は、生活できてもできなくても、今の時代は幸せなことに様々な手段で生きていくことができると思っています。だからこそ、少しでも可能性があれば自分の強い想いをもって出来る仕事をどんな形でも一生していきたいし、そういった仕事を続けられる努力は常にしていたいと思っています。

——働いている時のあなたを色にたとえると?

100個の仕事があれば、100色の違う色をしていると思います。自分に傾向色があるのかは分からないですが……そのひとの色って、内面からでてくるものも多いと思います。そういう意味でも、同じ仕事でも今日と明日で同じ内面ではないと思っているので、きっと少しずつ色も変わっていると思います。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

「毎日ひとつ、目に見える成果を出す」ということを、数年前からPCのデスクトップにも貼りつけて日々意識するようにしています。
成果が目に見える形になるのって、本当に時間がかかりますよね。というよりも、日々の積み重ねや頑張り等は、基本的には目には見えにくいものですし、ましては他者に伝わらないことの方が多いと思っています。だからこそ、意識的に「目に見える形にする」しかも「毎日する」を意識することで、少しでもそのサイクルを早くしたり、より多くの人と共有できるように意識したいと思っています。
それは“SNSやHPなどで発信したときに、わかりやすいレベルの成果をだす”ことかもしれないですし、“作業工程をマニュアルにおとしテキスト化する”ことかもしれません。ときに、“勉強したことを仲間と共有する”ことや、“積み重ねてきた活動をメディアに取り上げていただく”ことかもしれません。
なんでもいいのですが、とにかく「これです」と見せられるものを意識的に毎日ひとつ以上つくるようにしています。

——これからチャレンジしたいことは?

今は“食事を意識的に選択する人”を増やし、自分の健康を自分で守れる人を増やすことにチャレンジしているのですが、次は自分の健康や楽しみだけに留まらず、“食事が繋がるその先についても意識を向ける人”を増やすことにもチャレンジしたいです。自分が選ぶ食事と、その先の関係性を分かりやすく示唆するコンテンツを作成して、一人でも多くのひとと共有したいと思っています。

まずは食事を「私の食事」として、ジブンゴト化することがすごく大事だとおもっているので、今チャレンジしていることの次のステップとして「みんなの食事」という事に気付く人が増える社会の実現に向けたチャレンジをしたいとおもっています。実はMealinkは「食事(Meal)が様々なものに繋がっている(Linkしている)意識をもってほしい」という由来なのですが、立ち上げ当初からそのような思いがあります。

——日課や習慣にしていることはありますか?

当たり前のことかもしれないですが、毎日冷蔵庫をあけたら何かがあるように自炊することです。今はお互いが自分の仕事をもっているので、決まった休みなどがあるわけではなく、月曜日~日曜日まで基本的には毎日外で働いたり活動をしています。そのような中でお互い、お付き合いも多くなったりして。私自身も自炊の時間をとることすら、ついつい時間が惜しくなったりもしてしまうのですが……忙しいときはご飯とお味噌汁と、漬物や簡単なおかずだけでもいいので毎日なにかしらは作っておいて、出来るだけ食事からも健康管理できるよう意識しています。

あと、自分自身の一人会議(ふりかえり)は日課にしています。帰りの電車や家までの帰り道ですることが多いのですが、1日の振り返りはどんな日もかならずやっています。良かったことも、悪かったことも、本当はこうしたらよくなるとおもったことも、自分や周りの感情も、それぞれの立場からみてどうだったかなとか。モヤモヤしている時はたまに、最寄駅から家までをかなり遠回りして、ぐるぐる歩いてまわることもあります。何事も溜めないようにすごしたいなと思っています。

——息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

大好きな人達と、美味しいお食事やお酒をいただきながら楽しい話をすること。無心でお料理をつくること。大好きな音楽を聴きながら、たくさん歩くこと。海をみにいくこと。映画をみること。ピアノを弾く事。お花をかざること……。

リセット方法はこの数年間意識的に増やすようになりました。一度おれてしまうと人間立ち直るのには時間がかかるということを高校時代に経験したので、本当に「もう無理だ~」というところまで頑張ることはなくなりました。あと、喜怒哀楽もしっかり出すようになりました。泣きたいときに泣く、というのも発散方法のひとつかもしれません(笑)。そして……少しずつたくましくなってきたのか、ここ数年はほとんどのことは寝るとリセットされるようになったので、本当に悩んだらまずは寝ます。

——あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りは?

Mealinkメンバーと共に、ひとつずつ作り上げているものはどれもお気に入り、というよりは自分の中でもこだわりのある宝物です。手前味噌になりますが、スタッフの作るお料理をなんだか急に食べたくなることもありますし、Mealinkのパティシエがつくるヘルシースイーツも10代のころからファンのひとりです。お料理はもちろん、例えば名刺やカタログ、HPやチョークアート等の広報関係のものも基本的にはメンバーが全て手作りしているのですが、組織としてはもちろん、自分にとっても、どれも大切なものです。

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▶Mealinkのパティシエが作るヘルシースイーツ
 

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

なにかと心配性なので、心が安心しているときは幸せな瞬間です。あと、寝起きは基本的にいつもすごく幸せです。(笑)
また、一つの仕事に思いきり集中できるときは大きな幸せを感じます。今までパラレルキャリアという形で、複数のコミュニティで……そしてそのひとつひとつのコミュニティ内でも、複数のお仕事が並行して進んでいく中で、どうしても目の前の仕事だけに集中できない場面が多くありました。だからこそ、より一層一つの仕事に思いきり集中できる環境の有り難さや大切さを痛感しています。今少しずつ目の前の仕事に集中できるように環境を整えているのですが、それができるときは、この上なく幸せに思う瞬間です。

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▶夫と共に。Mealinkの皆が食事を作ってくれて、サプライズプロポーズを企画してくれました。
 

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

「しなやかに、たくましく」生きたいと思っています。自分の芯も大切にしたいと思っていますが、芯が固すぎると折れやすくなったり、その芯の固さが、誰かを排除してしまったりきずつけたりしてしまうこともあるように思います。

折角これだけの人が地球には生きているので、いい意味でしなやかで柔軟に人や毎日と向き合う事ができたら……。また、物事には「陰と陽」があるように、良いことが有れば悪いことも有り、強くいられることもあれば弱ってしまうこともあるのが人間だとおもうので、ポジティブだけでなく、ネガティブなことともしっかり向き合う強さを持って、本当の意味でたくましく生きていけたらいいなと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
摂食障害に悩んだ過去の経験から、食事をすることの大切さや健康的な生活への意識を社会に広めたいとMealinkを立ち上げたもちゆかさん。その信念の強さと人と関わり合う時の柔軟性は、まさに「しなやかに、たくましく」という生き方を体現しているようです。いくつものフィールドで並行しながら食の仕事に関わってきたもちゆかさん、社団法人となったMealinkでますます軽やかに羽ばたいていくことでしょう。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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