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取材 2017.08.05

100人100色―実力主義の世界で活躍の場を広げる。キャリアコンサルタントー小此木春香さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、キャリアコンサルタントの小此木春香さん(27)です。IT人材系のベンチャー企業を経て独立し、現在はフリーランスのキャリアコンサルタントとして活躍する小此木さん。「実力主義の社会で闘って成長したい」という想いから飛び込んだIT業界で、社内営業成績1位を達成。若くしてさまざまな仕事を任され、キャリアを築きました。フリーランスとしてさらに活躍の場を広げる小此木さんの、仕事観と将来の展望を伺いました。

−−ご家族について教えてください。

3人兄弟の真ん中で、男兄弟に囲まれて育ちました。我が家の最大の特徴は、とにかく女性が働きもので、パワフルであるということ。母は、美容室でコンシェルジュの仕事を長年行なっていて、マネージャや役員として活躍していました。子どもの頃はさみしい思いをしたこともありましたが、いま私自身が働くようになってわかったことは、3人の子どもを育てながらキャリアを築くというのは、とても大変なことだということ。いまはとても感謝していますし、心の底から尊敬しています。

祖母は、元国立大学の講師であり、研究会を立ち上げた経歴があります。驚くことに、88歳にして未だ現役(笑)。小学校などで講演を行なっており、ときには地方に遠征したりもします。家族とは仕事の話はあまりしないのですが、自分が仕事好きになったのは、少なからず家族の影響もあるのかなと思っています。

−−これまでのキャリアについて教えてください。

IT人材系のベンチャー企業を2社経験し、2017年4月にフリーランスとして独立しました。

初めて正社員として勤めた会社では、主にシステムエンジニアやWEBクリエイター向けの案件紹介、企業側への人材の提案営業を行なってきました。一年目から会社の主要クライアントを担当し、入社10ヶ月後には社内営業成績1位を達成。マネージャとして営業メンバーの育成も担当し、若いうちからさまざまな仕事を任せてもらいました。

その後、転職した会社では、前職での経験を活かして一人で営業部の立ち上げを行なっています。実力主義の社会で闘って成長したいという思いからIT業界へ飛び込みましたが、いい意味で丸投げな環境も、はっきりと意見を言うことを求められる風潮もとても働きやすく、自分に合っていました。

活躍の場を広げたいという想いでフリーランスとして独立してからは、人材事業を主軸に、WEB関連の仕事なども請け負っています。さまざまな企業と一緒に仕事をしていますが、メインで働いている株式会社レゾナンスでは、主にキャリアコンサルタントとして就職・転職支援や、大学生・若手社会人向けのビジネス教養塾の運営を手伝っています。新しい仕事にチャレンジしながら、日々楽しく働いています。

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▶レゾナンスのメンバーと。
 

−−これまでにぶつかった壁はありますか?

初めて正社員として勤めたIT企業でも、はじめは挫折ばかりでした。飛び交うIT用語は理解できないし、商談では上手く話せない。テレアポも思うように取れず、焦ってばかり。中でも一番苦労したことは、トラブル時の対応です。当時は、物事に柔軟に対応できる能力がなく、辛い思いをしてきました。

どう乗り越えていたかと言うと、以前は、負けず嫌いの一心で、なんでも乗り越えていたような気がします。
まずは、一つひとつの業務に対して丁寧に、他の人はどう対応しているのかを見てまねて吸収し、自分で考えてもわからないことは積極的に周囲に確認して、少しずつ自分ができることを増やしていきました。トラブルについては、どのような経緯で事が起きたかを把握し、原因や、どのような対応をすべきだったかを冷静に考えて分析していました。毎回丁寧に振り返りを行うことでノウハウを増やし、徐々に自分ひとりでも解決できるようになっていきました。

もちろん、いまでも壁にぶつかることはありますし、先が見えない仕事に不安を覚えることもあります。でも、いまは前ほど壁にぶつかることは怖くありません。当時は、乗り越えられるイメージがなく、不安だったのだと思います。いまは、乗り越えられない壁はないと思っているので、乗り越えた先に成長できると思うとわくわくしてしまいます。

−−これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

IT人材系の企業で営業を行なっていたときのことです。採用が決まっていたエンジニアの方から入社前日にやはり辞退したいという連絡があり、なんとか説得を試みたんですが、他社に行ってしまったということがありました。人材業界で営業をしていると、人を相手に仕事をしているので、どうしても自分の思い通りにはいかないこともあるんですよね。とはいえ、そのタイミングで辞退になってしまった責任は私にもあり、クライアントのプロジェクトの進行に影響を与えかねないということで、会社としても問題となりました。

先方の人事担当者がとても理解のある方だったので、謝罪に伺ったときに、「小此木さんだけのせいじゃないから大丈夫だよ。」と声をかけていただいたのですが……。家に帰って泣きました。優しい気遣いの言葉にもそうですが、それ以上に自分の力ではどうにもできず、役立てなかったことがとても悔しかった。

とにかく、いまの自分にできることは、いち早く代わりの要員を見つけることだと思い、翌日から毎日いろんなエンジニアの方を面接にお連れしました。結果的には、別の会社から提案があったエンジニアの方で採用が決まったのですが、お客様からはご丁寧にご連絡を頂いて、「小此木さんの頑張りは、私だけではなく、社内全体に伝わってきました。本当にありがとうございました。」と、お礼を言っていただいたんですね。今度は、嬉しくて泣きました。迷惑をかけた立場なのに、お礼を言ってもらえるとは思いもしなかった。日頃から信頼関係を築くことの重要性を実感し、誰かのために本気で行動することは、決して無駄ではなかったんだと思いました。

そのときの経験から、キャリアコンサルタントとして、一番大切にしていることがあります。それは、私が説得してその会社に入ってもらおうとするのではなく、候補者自身の望みを正確に把握して、納得してその会社を選んでもらうようにすること。キャリア選択は、人の人生に大きく関わることです。そのときの私は、どこか自分のエゴで、無理にでもその会社に入ってもらおうとしていたのかもしれません。いまもキャリアコンサルタントの仕事をする中で、候補者とクライアントの両者にとって、なにが最適なのかを常に考えて提案をすることを心がけています。

−−あなたにとって「働くこと」とは?

「働くこと」は、社会と繋がりをもつことだと思っています。もちろん、収入を得ることや、働きに対しての対価を得ることも目的の一つとしてありますが、私にとって「働くこと」は単なる労働ではありません。関わった人々を通して社会に貢献することに大きな意義があると思っています。

−−働いている時のあなたを「色」にたとえると?

「赤」です。仕事のときは闘う自分でありたいし、いつでも情熱を持って仕事をしていたい。そんな思いからです。

−−今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

常識にとらわれず、周りに流されず、自分の芯を強く持って生きていきたいと思っています。

私の周りには、自分自身が選択した道を信じ、活躍している人たちがたくさんいます。20代で起業した友人、職人になる道を選び会社を辞めた女性、海外で活躍している友人。周囲とは異なる道を選択した友人たちですが、その姿はとても輝いていて、私はいつも勇気をもらいますし、とても刺激を受けています。
こうした周囲の影響もあってか、私自身がフリーランスとして独立しようと思ったときも、不思議と迷いはありませんでした。

偏ったコミュニティにだけ属していると考え方も偏りがちなので、日頃から、さまざまな価値観を持っている方とできるだけ多く接することを心がけています。特に、仕事やキャリアにおいてはさまざまな選択や意思決定を迫られる局面がありますが、いつまでも自分らしく、自由に生きていきたいと思っています。

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▶レゾナンスのビジネス教養塾「前田塾合宿」の様子。大学生が多く参加しています。
 

−−これからチャレンジしたいことは?

現在は、人材事業の営業以外にも、WEBマーケティングの仕事にチャレンジしています。WEB業界で働く人たちと携わる機会が多かったため、自然とWEBに関する仕事に興味を持つようになりました。日々勉強しながら、新たな仕事に取り組んでいます。

−−日課や習慣にしていることはありますか?

寝る前に必ず、ストレッチかヨガをしてから寝ます。以前は運動嫌いだったのですが、働き始めてから、仕事を頑張りすぎてしまって、体調を崩すことが多くなってきたんですね。ヨガは、そんなに頑張らなくても、自分のペースでできるところが私にはとても合っていて、はまってしまいました。やり始めてからすぐに、身体の変化を感じられたのもよかった。何事もすぐ飽きるタイプなのですが、結果がすぐに表れるものに関しては続けられるんです。いまは身体を動かすのがとても好きで、ヨガも週3〜5日ぐらいで通っています。

−−息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

一番の息抜きは、映画です。大学生の頃に研究で見始めたのをきっかけに、毎年100本ぐらい鑑賞しています。特にヨーロッパの映画が好きで、北欧のアキ・カウリスマキという監督の大ファンです。常日頃から、ずっと考えごとをしてしまう癖があるので、全然頭を休められないんですが、映画を観ている間は唯一集中できて、他のことを忘れられるので、私にとってはとても大切な時間です。

−−あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りは?

JAZZが好きで、JAZZ喫茶やJAZZバーによく行きます。旅行に行った先で、ふらっとJAZZ喫茶に入ることもあります。コーヒーやお酒を飲みながら音楽に耳を傾け、一人でボーッとするのが至福のときです。

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▶お気に入りのJAZZバー
 

−−幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

自分と関わった人たちの人生が少しでも豊かになれば、それが私の幸せです。
私自身、家庭のこと、仕事のことで、苦労の多い人生を送ってきました。いまより若いときは、いま以上にストイックで、完璧主義で、それゆえに周囲から孤立してしまったこともありました。自分自身も傷つけてきましたし、人を傷つけてしまったこともありました。とても不器用な人生を歩んできました。でも、そうした経験があるからこそ、いま私は人に優しくすることができるのだと思っています。人の痛みに人一倍敏感だからこそ、誰かが苦しんでいるときに寄り添うことができるのだと思っています。

いまの私があるのは、苦しい思いをしたときに、支えてくれた友人や仕事仲間のおかげです。今度は私が周囲へ返していきたい。それが、私の役目であり、使命だと思っています。

キャリアコンサルタントという仕事を通して出会う人たちに関しても、同様です。人生選択において悩んだときに、私自身が悩んだ経験やキャリアを築いた経験が、少しでもその方の役に立つのであれば嬉しく思います。

−−自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

一番大切にしていることは、「あのときやっておけばよかった」という悔いを残さないようにすること。

高校生の頃までは、親の規制が厳しく、やりたいことがあってもなかなかできない環境にありました。でも、大学生の頃から、社会人との接点も増え、いろんな価値観を持つ人と出会う機会が多くなり、自分がいかに世間知らずかを実感し、世の中にはまだまだ自分が知らない世界がたくさんあることを知りました。

10代の頃に、勉強しておけばよかったと思うことや、やっておけばよかったと思うことが山ほどあります。だからこそ、20代からは後悔しないように生きていきたいと思っています。やらないで後悔するぐらいなら、やってから後悔するほうがまし。いましかできないことは、いまやる。辛いことがあって全てを投げ出したくなるときもありますが、自分の中で本当に満足するまでやったのか、一度立ち止まって自分に問いかけます。

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小此木さんのお話しからは、キャリアコンサルタントという仕事に対する情熱と、仕事で関わる人々に対する真摯な想いが伝わってきました。「常識にとらわれず、周りに流されず、自分の芯を強く持って生きていきたい」と語る小此木さん。フリーランスとして独立したことで、これまでの知識や経験を活かして、キャリアコンサルタントにとどまらない幅広い分野での活躍が期待できそうですね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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