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ご当地 2017.10.11

焼き菓子にも大活躍!『季節の味覚 ドイツの生プルーン Zwetschgenのコト』

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はやいもので、2017年も10月を迎えました。日本では栗や秋刀魚、キノコなど美味しいものが続々と登場し、まさに「食欲の秋」到来ですね。それはドイツも同じこと。巷には、季節のフルーツやお野菜が多数並び、料理好きの心をくすぐります。でも、そのラインナップはやっぱり日本と違っていて、新しい発見がいっぱいです。今回は、ドイツでポピュラーな秋の果物の中から、中でも人気の生プルーン「Zwetschgen ツヴェッチュゲン」をご紹介しましょう。

1▶ミュンヘンのヴィクトアリエンマルクトに並ぶ色とりどりのフルーツ。

夏から秋は生プルーンがいっぱい!

プラムの一種の「Zwetschgen ツヴェッチュゲン」は和名では西洋スモモ、わかりやすく言うと生のプルーンです。日本では信州などで栽培が盛んですが、まだまだドライのものやジャムのほうが一般的ではないでしょうか。でもこちらドイツでは、生のプルーンがとってもポピュラー!夏になると、ほかのスモモ類とともにこの生プルーン「ツヴェッチュゲン」が出回り始め、秋までたっぷりと味わうことができます。スーパーマーケットでも手軽に手に入り価格もお手頃なので、私もミュンヘンに来て以来、1kgのパックを毎週のように購入しては自宅で楽しんでいます。ドイツのご家庭では、お庭にツヴェッチュゲンの木があることも。

2▶かごの中に山ほど積まれて売られるドイツ産のツヴェッチュゲン。こちらはスーパーよりちょっとお高め。

ツヴェッチュゲンはちょっと細長く、オリーブの実を大きくしたような形をしています。果肉はちょっと堅めで引き締まった肉質で、どちらかというと酸味の強いフルーツです。その酸っぱさがお菓子やジャムにぴったりなので、よく加熱メニューに使われますが、私は生も大好き。大きな種に気を付けつつ、ガブリと丸かじりしてしまいます。小ぶりなサイズで食べやすく、皮をむかずに頂けるのもお手軽で嬉しいのです。

3▶瑞々しい新鮮なツヴェッチュゲン。実が黄金色だと甘みが強くて美味しい。

パン屋さんでも活躍するツヴェッチュゲン

ドイツの人々に大人気のツヴェッチュゲンは、もちろんパン屋さんやケーキ屋さんでも大活躍です。夏の半ばごろから、ミュンヘンのパン屋さんの店頭では、必ずといっていいほど「Zwatschgendatschi ツヴェッチュゲンダッチ」を見つけることができます。ツヴェッチゲンダッチは、菓子パンのようなイースト生地の上に生のプルーンをぎっしりと敷き詰めて焼き上げたお菓子で、プレーンだけのものとシュトロイゼル(バター、砂糖、小麦粉をソボロ状にしたトッピング生地)をのせたものの2タイプから選べます。

4▶四角く切られて売られているZwetschgendatschi ツヴェッチゲンダッチ。写真はシュトロイゼルがトッピングされたもの。

見た目はとっても甘そうなツヴェッチゲンダッチですが、実際はプルーンの酸味が光っていて全然甘ったるくありません。フレッシュフルーツを焼いたからこそのジューシーさを楽しめる、とても爽やかな焼き菓子なのです。ホイップした生クリームを添えると、さらに美味しく頂けますよ。

他にも、丸ごと一個のツヴェッチュゲンが包まれたパンやツヴェッチュゲンのタルトなど、様々なバリエーションのツヴェッチュゲンメニューが登場します。私の働くパン屋さんでも、7月を過ぎたあたりから毎日山ほどのツヴェッチゲンが使われるようになるため、ツヴェッチュゲンの種を取り除くための専用の機械が活躍するほどです。私も今でこそ見慣れましたが、日本にいたころはプルーンのお菓子自体あまり見たことがなかったため、最初はとてもびっくりしたのを覚えています。

6▶丸ごと一個のツヴェッチュゲンとお砂糖を包んで焼き上げたパン。ふわふわの生地にツヴェッチュゲンのジュースが染み込む。

アレンジ色々、おうちで楽しむツヴェッチュゲン

スーパーマーケットや市場で気軽に手に入るツヴェッチュゲン、その楽しみ方は色々です。本場ドイツのお母さんのように上手には使えていないかもしれませんが、私の普段の頂き方を、ちょっとご紹介いたします。
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まずはシンプルに生で。スモモ好きの私は、実はこの食べ方が一番お気に入り。上にも書いたように、ツヴェッチュゲンは皮をむく必要はありません。冷蔵庫でよく冷やしておいたツヴェッチュゲンを包丁で半分に割って種をとり、そのまま朝食やおやつにパクパク楽しんでいます。

8▶ある日の朝ごはん。秋のジャガイモや桃と一緒にシンプルに。

ツヴェッチュゲンのフローズンスムージーもおすすめです。種をとったツヴェッチュゲンを冷凍庫で凍らせて、豆乳、蜂蜜少々とともにミキサーにかけるだけ。ツヴェッチュゲンの爽やかな酸味とひんやりとした飲み心地が美味しく、日本でも残暑の厳しい日などにぜひ試していただきたい簡単メニューです。

9▶プルーンの紫色がきれいなツヴェッチュゲンのフローズンスムージー。

そしてやっぱり王道なのは、ツヴェッチュゲンを焼きこんだケーキです。ドイツでも、ツヴェッチゲンクーヘンやツヴェッチゲンダッチなどの焼き菓子を手作りする家庭はとても多いようです。私の場合は全粒粉を使ったちょっと香ばしい生地の上にツヴェッチュゲンを並べ、クルミもプラスして秋っぽくざっくりした雰囲気に仕上げています。生のときはしっかりとした肉質のツヴェッチュゲンですが、加熱するとトロトロのジャムのような食感に変身し、ケーキの生地にしっとり馴染んでくれるのです。その変化を目の当たりにできるのも、手作りならではの面白さですよね。
また、ホットケーキを作るときに、スライスしたツヴェッチュゲンをトッピングして一緒に焼くのも手軽でなかなか美味しいですよ。

10▶フライパンで焼いたツヴェッチュゲンのケーキ。生のフルーツを焼きこんだお菓子は、焼きたてより一晩置いたほうが水分が馴染んで美味しい。

冬の長いドイツでは、秋は突然やってきてあっという間に過ぎてしまいます。私が大好きなツヴェッチュゲンの季節も、もうすぐ終わってしまうでしょう。だからこそシーズン中に旬の味を思いっきり楽しみ、また来年再会することを待ちわびるのも、味わいがあっていいものです。日本とドイツで季節の味覚は少しずつ違いますが、今の時期しか出会えない美味しいものを、秋の空の下でたっぷり満喫しましょうね!
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記事/吉良麻実
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<ライタープロフィール>
茨城県生まれ。子供の頃から大の料理好き。京都造形芸術大学卒業後、都内のCGプロダクションでアニメーション等の制作に携わる傍ら、週末には自家製天然酵母で山ほどパンを焼くという生活を7年間続ける。パンの世界をもっと深く学びたいと、2016年にドイツへ移住。パン職人の国家資格Geselle取得を目指し、現在ミュンヘン郊外のパン屋さんで修行中。モットーは「ひとの暮らしに寄り添うパン作り」。
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