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家のコト 2017.10.20

いつもの野菜も素敵なグリーンに『食べた後の野菜を育てて気づくゆとりの時間』

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いつも料理で料理で使う野菜。切り落としたヘタや種はどうしていますか?見方を変えてみると、立派な観葉植物に早変わり。自分だけのキッチンガーデンを始めてみませんか?

ーーーーーーーーーーー
植物が好きだ。

眺めるだけで癒やされるし、家族や知人が手塩に掛ける菜園などで、収穫を楽しませてもらうこともある。自分の手で実をもぎ、口にする瞬間は至福そのものだ。

でも残念なことに、私自身は植物を育てることが致命的に下手だった。
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肥料をやりすぎて花が咲かなかったり、水をやり過ぎて根腐れさせたり。手をかけすぎるのがいけないのだと言われて反省した結果、手入れ不足で枯らしてしまったこともある。植物に対する臨機応変な対応がいまだにできずにいる。

幸いにもわが家にはガーデニングを得意とする家族がいるので、私が無理して一人で育てなくとも花や緑を楽しむ暮らしが叶っている。

種が1年で観葉植物に

それでも時々、自分で蒔(ま)いた種が芽を出してくれたら、と思うことがある。何度挑戦しても失敗続きだと落ち込むので「代わりに」と始めたのが野菜や果物の再生栽培だった。

スプラウトなど、根がついた状態でスーパーに並んでいる野菜の再生栽培は簡単だ。本来なら捨ててしまう根の部分を水に浸しておけば、再び収穫できるほどに育ってくれる。花を育てることに苦手意識のある私にも、これならできそうだった。

余計な元手もかからないので気軽に始められるし、もともと育てるために買っている種や苗とは違い、失敗してもまた挑戦する機会がある。そう思うとハードルも下がる。
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私が気に入っているのはわが家の食卓によく並ぶニンジン。ヘタを水に浸しておくと、完全に葉が刈り取られた状態のものでも一週間を待たずに茎と葉が伸びてくる(早いと2日ほどで「芽」が出てきた)。それが海に浮かんだ小さな島のようにも見えて、収穫への期待とともに目を楽しませてくれた。

いちばん長く、繰り返し育てているのがアボカド。食べ終わったアボカドの種をしっかり洗い、球根の水栽培のようにして発芽させる。

私はガラスのうつわにビー玉を敷き詰めて、その上に種を載せ、水に浸すように育て始める。見た目が爽やかでキッチンや洗面台の一角へも置きやすい。水まわりで管理すれば毎日必ず目に留まり、手入れを忘れることもない。

3ガラスのうつわにビー玉を敷き詰める

アボカドは発芽するまでに少し時間がかかる。気温が高い季節や室内であればひと月程度で発芽するのだけれど、長いと種を仕込んでから芽が出るまでに数ヶ月かかることもある。そこからようやく日々確認できるくらいのペースで成長が始まるのだ。

アボカドの栽培に初めて挑戦したときは適正気温などを考えることなく見切り発車してしまい、うんともすんとも言わない種を水に浸したまま2ヶ月以上過ごした。

一時でも冷蔵庫に入れてしまったアボカド、もうこの種では芽が出ないのでは?と半ばあきらめながら惰性のように水を換えていたところ、ある日突然、種にひびが入った。しばらくして根がひょろりと伸びてきたと思ったら、それからまた少しおいて芽が顔を出した。

2育てて1年が経ったアボカド

その後の成長は他の植物と変わらない程度に早く、細くても頑丈な茎とそこから広がる大きな葉は、ちょっとした観葉植物として楽しめるまでに育った。

アボカドの成長は横に大きく広がるというよりも上へ上へと伸びてくれるので、さほど広くない床や卓上にも飾れる。

「ゆっくり芽が出る」ことの意味

芽が出てしばらくしたら、植え替えをするのがいつもの流れ。ここ数年はハイドロボールやゼオライトなどを取り入れたハイドロカルチャー(土を使わず植物を育てる水耕栽培)にも挑戦している。

ハイドロカルチャーをするための材料は100円ショップの園芸コーナーで手に入る。万が一室内で倒してしまっても、土を使っていないのでそれほど汚れない。さらに大きく育ったらまた植え替えなければならないが、それまでの扱いは楽になる。

1芽が出てきたあとのアボカドの種(植え替えの際に皮が剥がれてしまったもの)

再生栽培をしていると、ゆったりとした時間の流れを感じる。アボカドは発芽するまでに時間がかかりすぎるとやきもきしたこともあった。でもよく考えてみると、ゆっくりのんびり育てることが私の性分に合っているのだと気がついた。

種を蒔いた後、あっという間に芽が出る植物にはとてもワクワクさせられる。一方で、成長が早い分、育て方を調べる時間が惜しくなり、曖昧な知識と勝手な判断で対処してしまう。それが私の悪い癖だった。

アボカドの種がのんびりと成長していくさまは、落ち着くための時間を与えてくれていたかのようだ。植物の栽培を失敗してきた私にとってはよい時間だった。

植物を育てることが苦手だからと始めたはずの再生栽培は意外なほど順調で、いまや自分で育てたグリーンに癒やされている。食事作りの合間に楽しみ、ほとんどお金もかかっていない。いつか抱いた願いは、「再利用の極小キッチンガーデン」というかたちで、いつの間にか叶っていた。

文/山音 ことら
記事/ハレタル
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