
痛くて食べられないことも 『流行る夏がくる前に”手足口病”を知ろう』
毎年、夏が近づくと“手足口病流行”のニュースが世間を騒がせるようになります。主に5歳までの乳幼児がかかる感染症で、口の中の水泡がひどいと、何も食べられなくなってしまうことも…。そんなとき、ママやパパはおろおろしてしまいますが、どのように対応すればよいのでしょうか?
有効なワクチン、治療法のない手足口病
手足口病は、コクサッキーウイルスA16型(CA16)やエンテロウイルス71型(EV71)などのエンテロウイルスを原因とする感染症です。
感染から3~5日たつと、口の中や手の平、足の裏、ひじ、ひざ、おしりなどに2~3ミリの水疱ができます。通常、水泡は3~7日で消えて、あとが残る心配はありません。患者さんの約3割で38度くらいまでの熱が出ます。まれにですが、髄膜炎、脳炎を引き起こすこともあります。
手足口病には有効なワクチンや治療薬がないので、熱、痛み、かゆみなどの症状を和らげる対症療法を行いながら、安静に過ごすほかありません。
脱水症状にならないよう、こまめに水分補給を!
とりわけ心配なのは、口の中の水泡のために、食事やおっぱいを受け付けなくなってしまうことです。塩味や酸味の少ないもの、冷たいものを与え、それでも食べられないときは、水分をこまめに補給して脱水症状にならないよう気をつけてください。
痛みや空腹で機嫌が悪くなるので、見ていてかわいそうだし、一緒にいるママ、パパも大変だった、というケースが少なくないのですが、水泡のピークは3日程度。これを乗り切れば、完治まであとひと息です。
それでも、軽い症状だけで治ってしまうことがほほんどである、という意味で、感染してはいけない特別な病気とはされていません。発熱がなければ登校、登園も可能ですが、治癒証明を求められるケースもありますので、園の方針を確認しておきましょうね。
流行するウイルスは毎年違う!? 大人がかかると重症化も…
手足口病の原因ウイルスは10種類以上あるので、1年に2回かかることもあります。その中で、髄膜炎、脳炎を引き起こす割合が他のウイルスと比べて高いのがEV71型です。EV71型は数年に一度流行していて、最近では2010年と2013年に流行しました。嘔吐や痙攣、高熱、頭痛などが見られる場合は、受診が必要です。
昨年(2015年)は、CA16型が猛威を振るいました。もし大人がかかってしまうと、40度以上の高熱が出たり、水泡が強い痛みやかゆみを伴ったり、子ども以上に重症化する場合が多いようです。
手足口病は唾液や鼻水、排せつ物を介して感染します。看病するママやパパはこまめな手洗いを行って、ウイルスに感染しないように気をつけましょう。
毎日を健康で元気に過ごすために、日頃から手洗いうがいなど基本的なことを徹底していきたいですね。
記事提供/治療note
参考記事:治療薬のない手足口病、 食べられない時どうしたらいいの?
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