
食事から丁寧な暮らしを『いただきますとごちそうさまの意味』
「いただきます」「ごちそうさま」。
当たり前のように毎日毎食している食事のあいさつ。
でもそのことばの意味をきちんと理解して、あいさつできていますか?
ただのあいさつにならないために、伝えていきたい日本人の心です。
いのちをありがとう
私たちは生きるために何かを食べなくてはなりません。
わたしたちが食べているものには全て「生=命」があります。料理として食卓に上がると実感が湧きにくいですが、それは植物であったり、動物であったりします。
だから、「いただきます」は「あなたの命を私の命にさせていただきます。」という感謝の気持ちが込められたことばなのです。
生きていくために、食べるということは、何かの命をいただいている、ということ。
みんなに、ありがとう
ごちそうさまを漢字で書くと「御馳走様」と書きます。
「馳走」という字は「走りまわる」「奔走する」という意味です。
古く昔は、現在のように必要な食材がすぐに手に入るわけではなく、食材を揃えるだけでもそれはとても大変なことでした。
そのため、お客様に食事を出すために馬を走らせたり、自ら狩りをしたり、走りまわって準備していたことから「馳走」と言う言葉に「もてなし」の意味が含まれるようになりました。そしてさらに丁寧語の「御馳走」という、贅沢で豪華な料理をさすようになりました。
「ごちそうさま」には、食事を用意してくれた方々への感謝の気持ちが込められたことばです。
料理を作ってくれた方はもちろん、野菜を育ててくれた方、魚を獲ってくれた方、食材を運んでくれた人、売ってくれた人など、食べ物が口に届くまで関わったすべての方々への感謝の意味なのです。
毎日ことばにしている食事のあいさつ。
こうして改めて、そのことばの意味について考えてみることで、今日からはきっといつもとは違うあいさつになるはず。
昔の人は「食事を粗末にするということは、命や人の思いを粗末にするということ」とよく言ったものです。
毎日の食事を丁寧に見つめることで、自然と日々の暮らしが豊かになるはずですよ。
記事/管理栄養士 片山けいこ
食のマーケティング会社で開発・管理運営など多岐にわたり経験。
保育園栄養士、行政の母子保健での講師を経て、現在はフリーランスとして、サイトへのレシピ・コラムの執筆、ケータリングやプチギフトの制作、料理教室、ワークショップなどフードコーディネーターとして活動中。
肩ひじ張らない あたたかみのある自然体な食ライフスタイルを提案している。
現在2歳と0歳の母。
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