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家のコト 2020.05.11

口当たりも風味も違う『ずっと使いたいおろし金』

料理をおいしく作る上で欠かせないのが調理器具。お鍋やフライパン、包丁にこだわるのもひとつですが、ちょっとマイナーなおろし金もそのひとつ。
おろし金なんてどれも一緒でしょ、と思ったら大間違い。口当たりも風味もまるで別物のように仕上がります。料理を引き立たせる薬味のように、調理をサポートする名脇役のおろし金をご紹介します。

羽子板型が印象的な大矢製作所のおろし金

羽子板型が印象的な大矢製作所のおろし金。 羽子板型のおろし金の歴史は古く、1712年に編纂された江戸時代の百科事典『和漢三才図会』に 現在と同じ型の羽子板のおろし金が載っています。 大矢製作所は、1928年戦前の東京、浅草で銅壺店『銅寅』を一代目が開業。 1949年には大矢製作所として、東京下板橋に移転。 その後、住宅地が徐々に増えて来る中、銅での制作は音が響いてしまうので まわりに配慮し、当初準工業地帯の町工場であった埼玉県和光市に移転。現在は、3代目が大矢製作所を守っています。 古くから受け継がれてきた技術を守り、今も銅のおろし金を作り続けています。
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すり潰すのでは無く、切りおろす

職人が全て手作業で立てている刃は、言わば小さい刃物。 切り下す事で美味しさの素の細胞が潰れず、水と繊維が分離しないので時間を置いても水分をたっぷり含んだふわっとした大根おろしができます。 職人が立てた刃は一見するときれいに揃っているように見えますが、実は間隔や高さが微妙に不揃いになっています。 そのため、おろす度に様々な面があたり、大根の向きを何度も変えることなく、軽い力でスムーズにおろすことができるのです。 逆目に立てて並んだ刃は、押しても引いても軽く切れます。 市販のプラスチックなどは刃に角が無いため断面を擦っている状態なので、繊維が分離し栄養や水分が流れ出てしまいますが 鋭い刃を手作業で起こしている大矢製作所のおろし金は、切り下したあと、コシのある山が出来ます。
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風味が引き立つ

職人が立てた刃は、大根の細胞が潰れず、水と繊維が分離しないので時間を置いても水分をたっぷり含んだふわっとした大根おろしができます。 また、繊維を細かく切るため、口当たりがまろやかで、風味を損なわず、わさびやショウガなどの薬味をおろすのにも最適です。

素材・つくり

錫メッキを施した硬質な純銅の板に、鏨(たがね)と呼ばれる道具と金槌を使って、職人が手作業でひと目ひと目、丁寧に刃を立てていきます。 刃の目立てで重要となるのが職人の技術ももちろんですが、道具の鏨がとにかく大事だそう。 福井県の刃物屋さんで特注で作ってもらっている鏨は、最初長い物を研ぎながらおろし金を製作する 職人の体の大きさ、腕の形など自分にあうよう研いでいきます。研ぎ加減がとにかく大変であり それにより目立ての角度ややり易さが変わってきます。 長い鏨の方が打ちやすいと言いますが、特注で作ってもらっている貴重な鏨は、短くなるまで使用されています。 硬質な純銅の板は、新潟産。初代が新潟出身ともあり昔からお願いしているそう。
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目立て直しができる

耐久性に優れたおろし金ですが、長年使用していると刃先が磨耗し、切れ味も悪くなってきます。その場合は、古い刃を削り落とし、新しく刃を立て直すことが可能です。 また、耐久性だけでなく、銅には抗菌効果があり調理器具の素材として最適ということで、プロを中心に今尚愛用され続けています。
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記事/REALJAPANPROJECT
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REALJAPANPROJECT
REALJAPANPROJECTは日本のものづくり・地域産業のブランドづくりをサポートするプロジェクト。
“日本のものづくりをもっと身近に”という想いから、2009年にプロジェクトを発足し、日本各地のものづくりの現場に足を運びながら、ものづくりの本質を未来へとつないでいきます。

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