
伝統の技や温もりを感じる『「民芸」のある暮らし』
目次
「用の美」という言葉を聞いたことがありますか?
庶民が使う簡素で飾らない暮らしの道具に美しさを見出す概念です。
大正から昭和にかけて広がった民芸運動。それまでは下手物(げてもの)や荒物(あらもの)と言われてきた暮らしの道具が、無名の職人の手仕事によって生み出される美しい工芸品=「民藝」(民衆的工芸品の略)という言葉に変わり、脚光を浴びるようになりました。
しかし機械やロボットを使えば大量生産できコストも抑えられる便利な現代。そんな中でも全国各地には昔ながらの伝統を守り、手仕事にこだわってモノづくりに励んでいる職人が存在します。 彼らの手から創り出される工芸品の美しさに触れる暮らしをみなさんの生活にも取り入れてみてはいかがでしょうか。
早速、カジュアルに楽しめる民芸品の一部をご紹介します。
1.桂樹舎の手漉き和紙(富山県)ー『「民芸」のある暮らし』
もともと富山の薬売りが使うカバンに利用されていた越中和紙は丈夫で加工に向いています。和紙に型染された卓上カレンダーは額縁に並べて入れて部屋のアクセントに。クズ入れは用途を変えて植木を飾ると和風になりすぎずモダンな印象になります。
2.琉球ガラスー『「民芸」のある暮らし』
コーラやビールなどの空き瓶を再生されることから生まれた沖縄のガラス工芸品。生産行程で入り混じる気泡やぼってりとした独特な風合いが美しく、あえて形が不揃いのコップを並べても素敵な食卓が演出できます。
3.うつわの数々ー『「民芸」のある暮らし』
日本には全国各地で伝統的な陶器が作られています。地方の風土や郷土料理に合ったうつわの個性は見ているだけでも楽しいもの。和洋どんなジャンルのお料理にも使いやすく取り入れやすいアイテムです。
4.海の向こうの民芸ー『「民芸」のある暮らし』
民芸品は国内だけでなく海外でも長く愛されているものがたくさんあります。植物の皮で編み込まれた台湾のカゴやトルコの女性が手織りするキリムなど、素朴ながらも味わいがあり、暮らしの中に温もりを演出してくれます。
さりげなく日常に民芸を。それは伝統文化のバトンを未来につなぐことでもあるのです。
記事/わたなべ さやか
大学卒業後、BEAMSに10年勤務。店舗開発担当として日本各地に出向き、服やモノを通してカルチャー発信するライフスタイルショップの店づくりに携わる。その後和食に興味を持ち、ミシュラン星獲得の日本料理一二三庵が主宰する料理教室のアシスタントに転身。2014年には日本橋茅場町に日本酒とおばんざいの店「煮炊きや おわん」を仲間と立ち上げ、初代女将を務めた。現在は食や日本酒のイベントを開催するほか、ライフスタイルにまつわる執筆活動を行っている。
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