
高熱に注意『夏風邪の代表ヘルパンギーナから体を守ろう』
目次
ヘルパンギーナとは耳慣れない方も多いかもしれませんが、小さな子供にかかりやすい夏風邪の一種。
突然40度近い高熱が出たり、口の中に白っぽい水ぶくれができて痛むなど、これからの季節は特に注意が必要な病気です。毎日健康に元気に過ごすために、日頃から予防対策をしっかりしていきたいですね。
子どもが感染しやすい
ヘルパンギーナはウイルス性の感染症で、4歳以下の子供がかかりやすく、流行時期は6~8月の間。ピークは7月となっています。
原因となるウイルスはエンテロウイルスと呼ばれるウイルス群で、その中のコクサッキーウイルスが多くを占めます。病原体のウイルスは複数あるため、一度かかっても再び罹患する可能性があります。
38度以上の高熱に加え、口内炎や水ぶくれが…
【ヘルパンギーナの症状】
・突然38度以上の高熱が出る
・のどに炎症ができて痛む
・口の中の上あごやのどの奥に水ぶくれができる
症状の特徴は、突然38度以上の高熱が出ること。ときには39~40度近くなることもあります。
また、口の中に口内炎や白っぽい水ぶくれ、口蓋垂(こうがいすい、いわゆる「のどちんこ」のことです)に炎症が起きて痛むことが挙げられます。これはエンテロウイルス群がのどや腸管の中で増えることが原因です。
熱は通常、数日間で引きますが、長期にわたって続く場合は、脳やせき髄を覆う膜である髄膜に炎症が起きる髄膜炎を合併していることがあり、また合併する疾患としては、心臓の筋肉に炎症が起きる心筋炎も挙げられます。
水ぶくれは口の中の上あごの部分やのどの奥の部分に発症することが多く、一つだけでなく複数できる場合もあります。直径は2~4ミリほどで、目で確認できます。通常は2、3日ほどで表面が破れてただれ、1週間ほどで治ってきます。
高熱と炎症の2つが主な症状ですが、だるさや関節の痛み、また熱が高くなりすぎることによるけいれんが起こることもあります。
感染経路は身近に
感染経路は3つ。せきやくしゃみなどに含まれるウイルスが口や鼻の粘膜に触れる飛沫(ひまつ)感染、ウイルスが付いた物などを触る接触感染、便に排出されたウイルスが口の中に入る糞口感染です。
病気が発症するまでの潜伏期間は2~4日で、感染力は発熱時に最も強く、熱が下がって2日もすれば弱まります。
感染したら、どうしよう?
では、ヘルパンギーナにかかったらどのように治療すればいいのでしょうか? 潜伏期間内に自覚症状はほとんどないため、発症してから対処しなくてはなりません。
ヘルパンギーナには残念ながらウイルスを死滅させるような特効薬はなく、また予防できるワクチンもありません。
ゆえに、医療機関を受診して安静にしておくことが最も大切です。
赤ちゃんは話せないので、熱が出てぐったりしていたら口の中に水ぶくれや炎症がないかを確認してみてください。このとき、感染するのを防ぐために、直接手で触ったり、マスクをつけずにのぞき込んだりしないようにしてください。
脱水症状に注意し、しっかりと栄養補給を
高熱で苦しいときは医療機関から処方された解熱剤で熱を下げましょう。口内炎や水ぶくれでのどが痛むため、脱水症状にも注意。辛い物や酸味の強い物などの刺激物は避け、食べるのがつらい場合はのど越しの良い物をとるようにしましょう。ゼリーやプリン、夏場なのでそうめんなど。はちみつは栄養価が高く、殺菌作用がありのどの痛みを和らげる効果が期待できます。また、野菜を煮込んだおじやを冷まして食べると栄養がとりやすいです。特にかぼちゃやさつまいもなど、子どもが食べやすい甘い野菜を入れると良いでしょう。
どうしても食べられないときは医療機関で点滴を受ける方法も考えられます。
塩水でうがいをすることもウイルスを殺菌して洗い流す効果が見込めるため、うがいができる年齢であれば検討してみてください。小指の頭くらいの量の塩を湯呑の3分の1くらいの水で薄めて、炎症が起きている患部に当てるように意識してうがいをしましょう。
やっぱり予防はうがい・手洗い
予防の基本は風邪と同じでうがいや手洗いを習慣的に行うことです。
兄弟姉妹では、おもちゃについたよだれなどを介して感染が広まるので、共用のおもちゃは流水で洗って消毒します。
また、感染者が小さくてマスクができない場合は、周りの人がマスクを着用して、飛沫感染を予防しましょう。
2~4週間は便からウイルスが出ます。おむつを交換する際には、使い捨ての手袋を使うなどして糞口感染を防ぐようにしましょう。集団生活を行う場でタオルを共用しないことも対策の一つです。
【予防のポイント】
・うがいや手洗いをこまめに行う
・マスクをつける
・共用のおもちゃは消毒を
・おむつ交換の後には使い捨ての手袋を使用
・タオルは共用しない
ヘルパンギーナと手足口病、違いは…?
ヘルパンギーナと同じく子供の発症が多く、症状も似ている病気として「手足口病」があります。いずれも流行が夏で、発熱と口の中に水ぶくれなどができることが一致しているため、医師でも判断が難しいことがあります。
見分け方のポイントは、発疹です。
手足口病は口の中に水ぶくれができた後、手や足に発疹が現れますが、一方のヘルパンギーナは発疹が出ることはありません。また手足口病は熱が出ないこともあります。
どちらとも予防法は同じなので、夏風邪にも複数あることを理解して、しっかりと対策をしてください。
記事提供/治療note
参考記事:高熱に要注意! ヘルパンギーナの有効な対策は? 手足口病との違いは何…?
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