
気にしなくていいこともある『病気との向きあい方で心は変わる』
目次
病気になると、それを受け入れることが困難な場合があります。重病であったり治療が長期に及ぶケースは、なおさらでしょう。私たちはどういった心構えでその病気と向きあっていけばよいのでしょうか?
もしかしたら、その情報は余計なものなのかもしれません。病気であろうとも、暮らしを楽しくすることはできるはずですから。
病気や症状のイメージに振り回されていませんか?
病気ではなく症状の話ですが、「鼻血」という言葉を聞いて何をイメージしますか?
マンガなどのイメージのせいか、鼻血を出した時にティッシュをくれたりして助けてくれる人もいれば、鼻血を出している状況を見て笑う人もいます。
鼻血も冷静に見ると身体からの出血ですから、当然流しすぎると危険でもあります。
実は私も鼻血で死にかけたことがあります。
子供のころに誤って大人用の薬を飲んでしまったことがあります。その後、薬の効果が強すぎたのかどうかはわかりませんが、鼻の動脈部分(?)を傷つけたのか鼻から血が止まらなくなり、親に病院に連れていかれて、酸素マスクまでつけようかという騒ぎになりました。
このときは幸い1時間ほどで出血は止まりましたが、私はそれ以来鼻血が出やすくなって一旦、血出たら長い時で20分くらいは血が止まらない時もあります。
この例は一般的には大したことがないようなイメージの状況も、時と場合によっては危険な状況になるというお話しです。
病気のイメージで行動を制限していませんか?
そしてもちろん、この(鼻血の)事例のケースの逆もあります。
病気の一般的なイメージで判断して、自分の行動を制限したり、自分の将来を悲観したりするケースです。
このケースは難病と呼ばれる類の重い病気や、あまり知られていない病気、周りにその病気の方がいない場合でよく起こります。
あなたがもし今病気を患っているのならば、その病気について、あなたはどのようなイメージを持っていますか?
病気だということがわかってから、その病気について調べてから、やらなくなったことやあきらめようと思ったことはどれくらいあるでしょうか?
病気について調べてみると、いろんな症状が書かれていて不安を感じたこともあると思います。しかし、本に書かれている症状全てに悩まされることはありません。
きっと、あなたが気にしなくていいことも多いはずです。
しかし、人によっては「本に書いてあるから、この病気だと絶対こうなってしまう」と思い込んでしまう方もいます。
私と同じ多発性硬化症患者の方でこんな方がいました。
多発性硬化症の本の中に、「過度の日焼け(火傷)で症状が進行する場合もある」という記述がありました。
彼女はその記述を拡大解釈して、日中に陽の光を浴びないようになるべく外に出ずに暮らすようになりました。
日中に外に出なければいけないときは、肌を布で覆って外に出ていました。その結果どうなったというと、病気が進行することはありませんでしたが、彼女の生活は大きく乱れてしまいました。
行動を制限している思い込みをなくすために
自分の病気の症状などを思い出してみてください。
お医者さんから言われたこと、インターネットや本で調べたこと、小耳にはさんだことなどを思い出してください。
その中で、あなたの心が動いたもの、不安を感じたことでも嫌な気分になったこと、あなたの行動を制限するようなものを書き出してください。
もし今書き出したものが、本当はあなたが気にする必要のないものだとしたら、どれくらい楽になるでしょうか?
念のため、お医者さんに確認してください。もしかしたら気にしなくてよいことが見つかるかも知れません。
それから、病気が原因でこの先の生活に不安を感じている方におすすめしたいのが、自分と同じ病気を持っていてあなたの望むライフスタイルを手にした方と会うことです。
特に同じ病気の人にほとんどあったことがない方は、同じ病気の方に会ってみましょう。もしかしたら、病気に対するイメージが変わるかも知れませんよ。
病気へのネガティブなイメージも一時的に役立つことも
もちろん病気のイメージや病気の一般論を知るのも大切です。
ご自身の身体を守るためにも病気によるリスクは知っておいた方がいいでしょう。
しかし、病気のイメージや一般的なリスクにずっと振り回される必要はありません。
その病気のイメージはあなたにも当てはまるのか、その病気の症状や情報を過大解釈していないかなど、冷静に確認してください。
自分の解釈があっているかを自分だけで判断せずに、担当医や専門医に聞いてみましょう。
病気を抱えている方の多くは、自分の“無知”についても知りません。病気の解釈も、利用できる制度も相談個所についても。
自分が「知らない」ということを知れば、いくつかの問題を解消できる可能性があるんですよ。
プロフィール
浅川 透(あさかわとおる)
難病をメンタル面で乗り越えた経験をもとにして難病患者のためのライフサポーターとして活動中。心理面を改善するカウンセリングをはじめ就職サポート、企業を巻き込んで難病患者のニーズを満たす商品やサービスを紹介する活動をしている。難病患者のライフスタイルを向上させる本『難病患者の教科書』を2016年5月末に出版し、全国1629の病院に寄贈する予定。
記事提供/治療note
参考記事:病気のイメージや思い込みに惑わされないために 〜「知っておきたい病気との向きあい方」第2回〜
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