
自分をさらけだすと相手が受け入れる『人を育てるために大切なコト』
会社というのは組織として、利益をあげることが大きな目的のひとつです。業績を上げ、売上をアップさせること目標に、皆が一丸となって現場スタッフは働いています。
その目標を達成するために大切なことの一つに、「人を育てること」が挙げられます。
とある企業の、とある店舗のおはなしです。
ほめてやる気を伸ばすはずが
会社が実施した研修会で「ほめ育のノウハウ」を学んだ店長。早速自店にて実践しようと、研修で教えられたとおりにスタッフ一人ひとりのことを思い浮かべながら時間をかけてほめシートを作成した。そして、教えられたとおりに一人ずつ呼び出して読み上げ、渡した。
「ありがとうございます、店長!」
と笑顔を浮かべ喜んでくれるスタッフがほとんどだった。
でも、一番の古株で信頼をおいていたスタッフの一人から、
「店長、今のうちの店はほめ育なんてやってる場合じゃないでしょ?」
店長は、どうしてそんなことを言われるのかわからなかった。
相手の痛みに共感を
店長は悩み続けた。
何がいけないのかわからないまま、たまたま同期の店長と話をしていた時に気づくことがあった。
「自分の人生の底って何だったかな、ってずっと考えてるんだよ。相手の痛みに共感しないといけない、って先生が言ってからさ。」
「人生の底?」
「相手の痛みに共感するためには、自分の痛みを相手にカミングアウトしなきゃいけない、って言ってたじゃないか。だからさ」
「でも、それがスタート地点なんだって、やってみてわかったよ。スタッフは上司にわかって欲しいんだよ、自分ががんばっていることを。わかってもらえたら、認めてくれた人のために自分もがんばろう、ってなるのが人間だろ?」
その後の店長の行動
店長はハッと気づかされた。
実際スタッフをほめてみたものの、それらは上辺だけの言葉だったのかもしれない。スタッフのことをもっと理解しなくてはと、履歴書を読んだ。
履歴書からは、スタッフ個人個人の性格や家族構成、いろんなことが読み取れた。結局スタッフのことを何も知らなかったと、店長は気が付いたのだ。
初めて、スタッフへの申し訳ない気持ちが生まれてきた。誰がこんな店長に付いていきたいと思うだろうか。自分ばかりがいつも主語になっていて、人件費をコストとしてしか見ていなかった自分。
それからは、ミスをしたスタッフがいても頭ごなしに怒るのではなく、まず話を聞いた。
そして指導をしながらも、自分にも同じような経験があったことを伝え、励ますようにした。
シフト上がりのスタッフには「おつかれさま、明日もよろしくね」の一言。相手が返事を返さなくても、めげずに続けた。
売上なんてあとからついてくるもの
一ヶ月が過ぎた頃、これまで埋まりづらかったシフトが埋まるようになった。
二ヶ月が過ぎた頃、店長自身がスタッフの良いところを見つけるのがずっと簡単になった。
そして三ヶ月が過ぎたある日、横ばいを続けていた売上が上がった。シフトの穴もなくなり、ライン不足がなくなった。
なにより、スタッフが今までよりもイキイキと、笑顔で接客をするようになり店全体の雰囲気が良くなった。
「今までより店の雰囲気が良くなったから、また来ようと思うようになったんだよ」
と話までしてくれるお客さんまで現れた。
そこからはまるで波に乗ったかのように店は良くなっていった。売上は昨年対比を常に上回るようになり、店の雰囲気やスタッフ同士のコミュニケーションの機会が増えた。
これは実際にあったおはなしです。
仕事をしていると、いつかは立場が上になり部下を指導する機会が増えていきます。そんなとき誰しも悩むのが、人の育成の仕方。
店長が気づいたことに、みなさんも気づけましたか?
仕事というものは価値を生産することも大切です。ですが、仕事を通じて得られる気づきや人との対話には、もっと価値があるのかもしれませんね。
記事/ほめ育財団
世界中の人たちを輝かせる!をミッションに、日本だけでなく世界にほめ育(Ho-Me-Iku)を発信している。
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