
毎日の食卓が食育の場『今日のごはんは何?は豊かな暮らしの合言葉』
「お腹すいたー!今日のごはん何ー?」
毎日の献立に頭を悩ませるお母さんやお父さんとは裏腹に、あっけらかんとキッチンに響く子どもたちの声。
なんてことない、毎日の風景。
成長期の子どもたちは、体をつくる大切な時期。だからこそ食事の栄養には気を配りたいですよね。
しっかり食べて、栄養をつけることも大切だけど、それと同じくらい食への興味や関心を育むこともとっても大切。
だって、食べることは生きることですから。
その土地を知る、ということ
私たちが毎日食べている食べ物には、その地域に伝わる特有の食べ物があります。例えば群馬県の下仁田ネギ。白根が特に深く太いのが特徴で、生では辛味が強すぎて食べられないほどです。でも熱を通すと、驚くほど甘くなり、食通をうならせるほどおいしいことで有名ですよね。
そんな下仁田ネギは、栽培される地域によって味や食感に大きく差が出るのだそうです。
「お母さんは⚪︎⚪︎地区のネギが好きだから、おうちでは食べているのは⚪︎⚪︎地区のものなんだよ」
「今度、食べ比べしてみようか!」
そんなことを話しながら食卓を囲んで見ると、自然とその食材へ、住んでいる土地への興味が湧いてくるのかもしれませんね。
理想はやっぱりサザエさん
体や心の成長と同じように、子どもたちは食べ物に対する嗜好も成長段階です。そのため、「おうちでの食事や食事の仕方」がその成長に与える影響は大きいのです。
ひとりで食べる「孤食」、それぞれが好きなものを食べる「個食」、同じものばかり食べる「固食」などと、さまざま「こ食」が問題とされている現代。
環境は変われど、やっぱり家族で一緒に「食べる」ということは、コミュニケーションの形成だけではなくて、ごはんを囲んだ会話から園や学校での暮らしぶりを知ることだったり、食から広がる知識だったり、協調性を養える場であったりします。
なにより、食事を囲んでの「おはなし」は、家族みんなの心が豊かになる。そう思うのです。
サザエさんを見て、気がつきませんか?
そこには必ず食卓を囲んでいるシーンがあるはず。カツオが言う「今日のごはん何ー?」の言葉に、温かい家族の暮らしが象徴されているのではないでしょうか。
記事/管理栄養士 片山けいこ
食のマーケティング会社で開発・管理運営など多岐にわたり経験。
保育園栄養士、行政の母子保健での講師を経て、現在はフリーランスとして、サイトへのレシピ・コラムの執筆、ケータリングやプチギフトの制作、料理教室、ワークショップなどフードコーディネーターとして活動中。
肩ひじ張らない あたたかみのある自然体な食ライフスタイルを提案している。
現在3歳と0歳の母。
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