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取材 2016.10.27

100人100色ー迷い続けた先の決断は、好きなことを仕事にすること。世界をまたにかけるクリエイターー高島由梨恵さんのお話し

それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、現在シドニーに滞在中のフリーランスクリエイターの高島由梨恵さん(32)にお話を伺いました。
滞在中というだけで「決まった住まいはない」と笑顔で話す高島さん。「フリーランスなのでどこでも『仕事』はできるのですが、チームワークが恋しくなってきたのもあり、企業で経験を積むため11月に帰国します」というバイタリティに富んだ彼女の仕事観と想いとは。

 

これまでのキャリア、現在の仕事内容、生活環境を教えてください。

私のキャリアは虹色ですよ(笑)。本当に色々な仕事をしてきました。
アメリカの大学で建築学を専攻した後、国内大手メーカーの物流会社に新卒で就職して、2年間通訳や営業事務をしました。
その後展示会主催会社に転職をし、海外企業サポート担当や営業として2年。シドニーに渡ってからは、IT業界のマーケティング会社で日本マーケットを担当し、最終的にはAsia‐Pacificエリアのプロジェクトマネージャーとして2年働きました。

よく言うなら「色々挑戦した」、ぶっちゃければ「何がしたいのかを見つける為にさまよった」20代だったと言えます。本当にやりたいことはデザインだとわかったのは最近です。
今はグラフィックデザイナーになる為に勉強する傍ら、フリーランスのアーティストとして、作品をオンラインで売ったり、恋愛や美容、ファッション、海外トレンドなどの最新情報を届けるウェブ雑誌「日本版コスモポリタン」に海外×女子の恋愛について記事やイラストを提供しています。

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▸イラスト作成中

 

これまでに生きていて、一番大きかった壁は何ですか?そしてどう乗り越えましたか?

一番大きかった壁は新卒1年目ですかね。
今だから言える話ですが、日本帰国直後の就活がうまくいかず、結果に納得のいかないまま入社したんです。品質に関する文書をひたすら英文化する業務を任され、とにかく仕事中に眠くて眠くて。人生それまでは、全力で真剣勝負して結果を出してきたつもりだったので、頑張りたいのに頑張れない状態がそれはそれは苦痛でした。今考えれば、やりたくない業務を主体性なくやっていたんだから、集中できないのは当たり前なんですが、当時は本気で悩みましたね。
同僚や産業医に相談したり、転職も考えたんですが…ある人に「乗り越えずに辞めても、頑張れなかった自分を後悔するだけだよ」って言われたんです。それで、この環境下で何かしら成果を出すまでは転職しない、と決めました。

乗り越えられたのは、人に相談したり、助けを求めたからです。人に頼りたくない頑固な性格だったんですが、周りの人の知恵や救いの手に頼るのは悪いことじゃない、と改めて学びました。

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▸ストリートアートが溢れる街中にて

 

これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

色々と忘れられないエピソードはある中で、今やっているアートの仕事に直結した出来事としては、ソーシャルメディアに趣味で載せていたアートを見て、何年も話していたなかった友達が突然「これ買いたいんだけど」とメッセージを送ってきてくれた時のこと。
お金を払ってでもほしいと言ってくれるくらいに、自分の作ったモノに何かを感じ取ってくれたんだ!とすっごく嬉しかったです。小さい頃から絵を描くのは得意だったのに、社会人生活に追われてずっと描かずに時間が過ぎ、29歳で趣味として再開させて初めて、「これを職業にできるのかも」と思えた瞬間でした。

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▸新しいイラストの構成を練る

 

「働く」こととはなんですか?

究極の「働く」って「好きなことをして稼ぐ」ってことだと思ってます。もちろんそこに行き着くのは大変だし、自分はまだまだ行き着けていません。
日本では「好きなことをして稼げてる人なんて、ほんの一握り」と言われることの方が多いですが、小さい頃から「難しいからってなんでその職業を目指しちゃいけないんだろう?」って疑問でした。「イラストを描くだけじゃ食べていけない」と言われて続けて、リスクを避ける社会の発想にまんまと乗っかり、サラリーマンになりましたが(苦笑)。
好きなことで稼ぐためには、まずは目指さないといけない!と我に返って、近年やっと動き出したところです。

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▸イラストに関連することならいろいろ試してみる

 

今後、ありたい姿とそのために行っていることはありますか?

世界の社会問題をビジュアル化して発信し、多くの人に認識してもらうきっかけでありたいです。
例えば、世界では戦争が起きていたり、人権を得られない人がいるけど、平和な日本にいるとそういったことに目を向ける機会がどうしても少なくなってしまいます。人種・宗教・性別による差別、環境破壊、などなど。こういった問題が「対岸の火事」「自分には関係ない」といった認識で終わらないように、語られるべき社会のトピックに注意を引く役目でいられたらと思います。ちゃんと目を背けずに事実を知ることで、解決法へつなげる…この過程でイラストやグラフィックは、わかりやすく伝える力を持っていると思ってます。私ができるビジュアル化の部分から、少しでも多くの「知らない」が「知らなかった」に、更には「自分ができることは何だろう」になるように。その為に、世界で起きている出来事をいろいろな角度から考え続ける毎日です。

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▸様々な女性に関するデザインラフを描く

 

自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

「人との出会い」です。過去、現在、未来、色々な出会いがありますが、どの出会いも奇跡だと思っています。

というのも、私の人生は、人との出会いに支えられていると言い切れるからです。私、知り合いから仕事を頼まれることがすごく多いんですよ。これってやっぱり、今まで1人1人との出会いをちゃんと大切にしてきたから、ふとしたときに「あ、高島さんに頼もう」って思ってくれるんだと思います。

それぞれの出会いから何につながるかは本当にわからないものです。また、人生の岐路に立った時に出会った人の一言で道を選んだりすることもあるし、違った発想を学んだり、生き方のお手本にしたり…見てきた人たちのベストな部分を自分の生き方に取り入れられるように、人からかなり影響を受けて育ってきました。その人たちのおかげで、すごくいい人生を送れていると思えます。

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▸国籍が違う女性たち。それぞれの美しさを考えるイラスト。

 

高島さんの生活の中でのこだわりがあれば教えてください。

最近のこだわりは人生のミニマリズムです。20代の頃は何でもウェルカム、何でも手に入れて、何でもチャレンジ!と、多くのことに目を向けて視野を広げることに貪欲でした。

最近は、選択肢を絞って行動することに意義を見出し始めました。例えば、買い物のときに「スーツケース1つしか所有できなかったら、このアイテムは本当に欲しい?」ってすごく吟味したり。やりたいことを決める時も同じで、本当に時間を費やす価値があるのかを考慮します。
だから、クリエイティブ以外の仕事はやらない!って踏ん切りがつきました。本当にやりたいことができる濃い人生にするためには、「必要なものしか選択しない」という決断が必要です。

 

最後に、ご自身を表現する「肩書き」を作るとしたら、どんな肩書にしたいですか?

何を目指しているかということであれば、「動かす仕掛け人」ですかね。今の自分はこの肩書きを名乗るにはまだまだ程遠いですが…。
なぜ仕掛け人なのかというと、私はアーティスト(感情を表現して結果を生み出す人)でもあり、デザイナー(結果に向けて問題解決をする人)でもあり、時にはライターになったりするわけで、どの肩書きも、人の心を動かす為に、何かしらメッセージを仕掛けている人だからです。方法はどれでもいいと思うんですよ。私の作品で、少しでも誰かが動けたら、と思うんです。ハッとさせられたり、怒りを感じてもらってもいい。心理的にでも、物理的にでも。端的に言えば感動させたいってことですね(笑)

 
思考で片付けるのではなく、実際に行動に移し、体験した高島さんの言葉からは力強さと重みを感じます。
様々な経験や人との出会いによって磨かれていく彼女の人生。「人生全てがチャレンジの連発で、これからもそうなると思います」と語る彼女がこれからどんな選択・決断をして、どのように輝いていくのか楽しみで仕方がありません。

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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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