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新しいコト 2016.09.25

激務からうつ病に『 障がい者と企業をつなぐ就労支援サービス』

「あの時は明るい未来が何も描けませんでした」――うつ病に苦しんだ当時を思い出し、そう声を落とす首都圏在住の田中さん(仮名、38歳男性)。
過酷な就業環境と病状の悪化で退社、転職活動を行ったものの現実は厳しかったそうです。
勤勉で働き過ぎていた田中さんが経験したうつ病。
精神疾患を抱えた本人の経験から、発祥の経緯、そして再出発を果たした今までを語っていただきます。

激務からうつ病発症、失意のどん底に… 壮絶な闘病ドキュメント

田中さん(仮名、38歳、男性)は大学を中退後、小中学生を対象にしたある中堅の学習塾でアルバイトをしていました。
結婚を機に正社員になったのは27歳の頃。配属されたのは正社員が一人しかいない校舎でした。与えられたのは「校長」の肩書き。田中さんにとって、それは過酷な環境でした。

「本来の業務開始時間は午前11時からだったのですが、その前に会議などがあるため、実際には9時に出社していました。
その後、授業や管理業務をして校舎を出るのは夜の12時頃。塾の繁忙期である夏期講習と冬期講習の時期は朝の7時半には出社しますから、長い時で1日に16時間半働いていたことになります。休みは2ヵ月に1日あればいい方。今思えば、完全なブラック企業でした」

責任感と上司からの重圧で不眠・過食に

休みがなく就業時間が長いことに加え「数字」も求められました。授業料という名の売り上げです。

校舎全体の売り上げは、受験の迫る小学6年の児童と中学3年の生徒の人数によって左右されます。田中さんが配属されたのは中学3年が1人しかいない校舎。しかし、目標金額は一般の校舎と同額に設定されていました。

慣れない管理業務と数字への責任ーー。地域を統括するマネージャーからは「給料泥棒やな!」と怒鳴られたこともあったそうです。
正社員になってから1年後、自分で自覚できるほどに体調は悪くなっていました。
「夜、眠れなくなりました。布団に入っても不安・恐怖・焦りなどの感情や過去の嫌な記憶がフラッシュバックして3時間は眠れない。朝起きても身体が重く、会社に行きたくない気持ちでいっぱい。体重も20キロほど増えてしまいました。

深夜の帰宅前には必ず、コンビニで1.5リットルのコカ・コーラのペットボトルとポテトチップス2袋を買っていました。食べるのが楽しみというよりは、食べていないと落ち着かない… そんな感じでした」

上司からの暴言暴力、追い詰められた末に…

田中さんが最終的に会社を辞めたのは正社員になって2年余りが経った頃。不眠と過食が続き、仕事では単純なミスが目立つようになっていました。朝起きられず生徒を待たせたり、生徒からの月謝をもらいそびれたりしたこともあったと言います。
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退社のきっかけになったのは未収金を再び出してしまった時。本部の上司は電話口で声を荒らげ、こう言いました。

「今からお前のところに行くからな!」
過去にはその上司から平手打ちやひざ蹴りを数発受けたことも。

「殺される…」
身の危険を感じながら出社しようと自宅を出た田中さんは、そのまま空港へ。恐怖心に追い立てられながら九州の実家へ逃げ帰り、その後退社することになったそうです。

田中さんは退社後に周囲のすすめもあり病院を受診、「うつ病」との診断を受けました。
精神障がい者保健福祉手帳を取得し、精神障がい者に門戸を開いている企業約50社にエントリーしましたが「うつ病の経験をプラスに表現するのが難しかった」と言います。

障がい者雇用を支援するために生まれた「MyMylink」

難航する転職活動の中で田中さんが出会ったのが「MyMylink」(マイマイリンク)というサービスでした。
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「MyMylink」は身体・知的・精神障がい者の雇用を支援しようと株式会社スタートライン(東京都)が2016年2月に立ち上げたサービスです。

同社は企業と人材を仲介するマッチングサイト「MyMylink」を展開するほか、サイトの登録者に実地で就労を円滑に始めるための研修も行っています。田中さんはその研修制度を利用しました。

体験型ワークを通して自分自身を再発見できる

田中さんが受けた研修内容は、物品カタログの発注などの架空のお仕事(体験型ワーク)をこなすものでした。

最初はやさしいレベルに設定されており、業務をこなすうちに難易度が上がっていきます。仕事を続ける中でどれくらいの時間が経ったら自分が疲労するか、またミスが増えていくのかがわかるようになっているのです。

最初は同社のスタッフから休憩の指示が与えられるのですが、途中からはその指示がなくなり、自分で判断しなければなりません。
研修ではこの他にも体調管理の方法を学んだり、体験型ワークを通して受講者自身が得意とすること・苦手なことがわかるプログラムが組まれています。

田中さんはこういった研修を受けて「自分自身を再発見でき、企業で働くことに対して自信が生まれました」とその効果を語っています。そして研修受講後に、新しい職場で再スタートを切ることができたのです。
同社のサイト「MyMylink」には現在、障がい者を雇用したい企業約300社が登録しています。障がい者の登録料はもちろん無料ですが、企業の求人掲載も現在は無料でサービス提供されています(2016年9月現在)。

【その他の研修受講者からのコメント】

体調管理の方法が勉強できた。狭くて人の多い場所は苦手で辛かったので、楽なことはないなと思った。そういう状態の中、遅刻しないで来られたので自信がついた。初日は作業進捗が一番遅かったが慣れればできるし、ミスの減らし方を学べた。セルフチェックが大事だと思った。(27歳男性/自閉症スペクトラム 、双極性障がい)

今までにやったことがないことだったので難しかったが、何度も繰り返したので慣れてミスが少なくなった。いちばん最初は報告などコミュニケーションに苦労したが、徐々に慣れていった。集中力がより上がるように なった。(26歳男性/知的障がい)

欠席や遅刻をしてしまい、きちんと来れなかったことに悔しさを感じている。研修に参加し、いろんな人が仕事を探している事実を知り、無職なのは自分だけではないと思った。(24歳女性/統合失調症)

第三者がコメントするユニークな「おうえん団」機能

そして「MyMylink」の大きな特徴のひとつが「おうえん団」機能です。

これは就労支援機関などが障がい者を紹介するメッセージを載せられるというものです。本人の得意なことや苦手なこと、人柄、配慮が必要なことなどを第三者の目線で伝えられます。

「うつ病の経験をプラスに表現するのが難しかった」と話していた田中さんはこの機能について「客観的なコメントがつくのはありがたい。障がい者にとって心強いものだと思います」と話しています。

「MyMylink」の利用者は求人情報を見て応募ができるほか、登録企業も障がい者本人が投稿した情報や「おうえん団」のメッセージを呼んで、スカウトすることができます。

焦りは禁物、スモールステップ・スモールスタート

田中さんは就職活動をしている障がい者に向けてこんなメッセージを寄せてくれました。

「私が病気を抱えながら就職活動をして感じたのは、『スモールステップ・スモールスタートが大事』だということです。焦りは禁物だと思います。

転職活動がうまくいかない時に無理に予定を入れすぎることで体調を崩したり、病気を悪化させたりする可能性があります。そうするとリスタートが遅くなってしまう。焦らず、自分のできることから一歩ずつ進めていくのが良いのではないでしょうか」

2018年4月から、障がい者手帳を持つ精神障がい者の雇用が企業に義務付けられます。
今後、さらに障がい者の雇用を積極的に検討する企業が増えることが予想される中、「MyMylink」は障がい者の就職活動のたしかな一助となることでしょう。

田中さんは現在、1歳の女の子と3歳の男の子の父親として「生活を安定させる」という確かな目標があります。仕事にもやりがいを感じているそうです。
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「妻と子どもたち、そして僕も含めて家族みんなが笑顔でいられる―― 今はそんな未来を描いています」

記事提供/治療note
参考記事:激務からうつ病に… 困難な再就職を成功に導く秘訣は? 障がい者と企業をつなぐ就労支援サービスについてimages

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コメント

  1. Jacki より:

    Never would have thunk I would find this so insspdeniable.

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