
風邪は流行るその前に。柿を食べて免疫力を高めよう!
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」「柿が赤くなると医者が青くなる」「雨栗日柿」など柿にまつわる俳句やことわざ、四文字熟語。
古くから親しまれていたことがうかがえますね。
今回は「柿が赤くなると医者が青くなる」について、栄養の話も交えながら柿について知ってもらえたらなと思います。
医者が青くなるほど身体に嬉しい柿の栄養
日本を代表する果物で、海外でも「KAKI」の名で親しまれています。
酸味がほとんどないので、甘いばかりの果物のような気がしますが、意外なことにビタミンCがきわめて多く、みかんの倍もあります。また、βカロテンも非常に多く、カロテンは身体に入って必要量だけビタミンAに変わり、粘膜を強化します。
ビタミンCにも皮膚や粘膜強化の働きがあり、風邪の季節、予防にはピッタリです。
柿の渋味成分であるタンニンとシブオールは抗酸化力のあるポリフェノールの仲間で、βカロテンはビタミンCとともに活性酸素の害を抑えて動脈硬化やがんの予防に頼もしい相乗効果が期待できます。
また、柿にはアルコールを分解する酵素「アルコールデヒドロゲナーゼ」が含まれます。
「柿は二日酔いに良い」と言われるのはこのためで、抗酸化栄養素もアルコールの分解を助けます。
料理にお茶に柿を120%味わいましょう
豆腐と柿の白和え
豆腐を裏ごししてほうれん草、柿、ごまを和えた白和えは、彩りもよく、柿の自然な甘みが豆腐とよく合い、豆腐に含まれる大豆のイソフラボン効果を柿のビタミンCが助けます。
干し柿
ビタミンCは失われてしまいますが、糖分とβカロテンは3倍以上に、食物繊維は8倍にも増えます。
柿の葉茶
柿の葉は実よりもビタミンCやβカロテンが豊富。若葉を軽く蒸してから干して置けば、家庭でも簡単に柿の茶葉を作ることが出来ます。
「白い粉が付いてるから違う柿にしましょ」と避けてる方、お待ちください
時々、柿の表面に白い粉をふいたものがあります。これは「ブルーム」といって果物が乾燥を防ぐためのに自分で出しているロウ状の物質。食べても害はなく、むしろブルームがついている柿は新鮮な証拠ですから積極的に選びたいものものです。
また、購入して、保存していたら熟しすぎてしまった!そんなときはありませんか?
熟してゼリー状になった熟柿(じゅくし)は、冷凍するとシャーベット状になり、おいしく食べられますよ。
ビタミンCと言えばレモンが浮かびますが、豊富とはいえ、柿1コ分のビタミンCを摂取しようなると、2個の果肉を食べるなければなりません。難しいですよね。
柿を1つ食べるだけで、風邪予防に効果大!風邪を引いてお医者さんのお世話に…とならない身体づくりをしましょう。
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」というのはそういうことです。
文/影山奈々恵
プロフィール
食未来リンク 副代表
影山奈々恵
管理栄養士×フォトグラファーとして幅広く活動。
保育園で活きた食育や給食・おやつを通して「なんでも食べる子ども」を育んでいるだけでなく、生産者と消費者の架け橋となる食未来リンクの副代表を務め、様々な食に関わることや音楽家による演奏会にて、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。
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