知るコト知るコト
新しいコト 2016.10.15

うつわ好きなら知っておきたい!焼き物の大産地 『美濃焼のエコプロジェクト GL21前編』

だれもが1日のなかで使い、生活必需品である「食器」。
使い手が直接くちをつけて食事に使用することから中古品の需要がほとんどなく使わなくなったうつわはやっぱり「捨てる」ことが多いのではないでしょうか。

私たち日本人が親しんでいる和食器は、手で持って使うものが多く、手触りや口あたり、素材それぞれの風合いを重視した焼き物が数多くあります。そこには作り手の工夫があり、あたたかな和の風景を食卓に広げてくれます。

しかし一方で焼き物は一度焼き上げると千年経っても土にもどりません。また、資源を再生するのがとても難しい素材なのです。

そんな中、国内の焼き物の生産量のナンバーワンを占める美濃地方で、「うつわをリサイクルしよう!」という『Green Life 21プロジェクト(=GL21)』というエコ活動が行われています。
「使う」から「捨てる」ことまで考えられたものづくりは、私たち日本人だからこそ生み出せる誇るべきものづくりへの精神。
この取り組みが、もっと多くのみなさんに伝えられ、ものづくりの基盤が「捨てる」までに配慮されることが当たり前になったらいいな…そんな風に感じるのです。

tazimisi-thumb-750x226-1660

2-thumb-750x502-1719

GL21プロジェクトを簡単に言うと?

Green Life 21プロジェクトは、美濃焼の産地、岐阜県東濃地方で行われているエコプロジェクトです。
家庭、レストラン、カフェ、給食などで使われてきた使用済み食器を回収し粉砕して”食器くず”にし、食器くずを陶土に加え合わせて陶磁器(注1)をつくる坏土(注2)に再生します。その際坏土全体のうち食器くずの割合は20%で、環境負荷の少ないものづくりを目指している活動です。
GL21は上記のような環境に配慮した陶磁器産地の形成をテーマに、地元の企業や試験研究機関が1997年6に設立。 この食器くずをロクロや鋳込み(注3)で成形し焼成することで、かけがえのない地球のかけらを新たなうつわのかたちで再生することができるのです。

注1:セラミックの一種で、土を練り固め焼いて作ったものの総称。うつわ以外の工業用セラミックも指す
注2:陶磁器の素地をつくる土のこと
注3:石膏型に流し込むこと

gl21_%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%ab%e4%bf%ae%e6%ad%a3-thumb-750x417-1686

1000年経っても土に還らない焼き物だから、きちんと焼き物の在り方を考える

このエコプロジェクトを実施せずに今まで我々はどう処分していたかというと、その多くは不燃ごみとして廃棄し、ごみのカサを減らす処理をして、埋め立て地へ処分してきました。焼き物の原料である粘土は土から採れますが、1000年経っても土に還らないのに処分方法は「埋め立て」しか手段がありませんでした。

3-thumb-750x449-1670
GL21プロジェクトで回収した古食器。役目を終えた業務用の食器も多い

美濃焼って?岐阜県東濃地方はどんなところ?

「美濃焼」は、多治見市・土岐市・瑞浪市・笠原町で生産される焼き物の総称。GL21プロジェクトが行われている東濃地方は、業務用や家庭用食器など約4割の食器生産を担い、食器以外のタイル等の陶磁器を含め日本全体の約6割を生産しています。
もともとこの地域は焼き物の原料となる粘土や窯を焚くための燃料が豊富であり、古墳時代のころから陶質土器がつくられ、隣県の瀬戸とともに大窯業地帯を形成しています。セラミックは硬くて耐熱性、耐食性、電気絶縁性などに優れ、レンガやタイル、医療関連などあらゆるものに使用されています。

hodoukyou03-thumb-750x449-1752

美濃・瀬戸は多くの作家に影響を与えている

岐阜県の焼き物は、伝統的工芸品に指定されているのがなんと15種類もあり、代表的なものに瀬戸黒、黄瀬戸、志野、織部があります。人間国宝とされる重要無形文化財保持者として認定される陶芸家も数多く生まれています。

mino-thumb-750x449-1777

新しいセラミックスの創造を支える技術研究

伝統的な焼き物をつくる一方で、地場産業としての窯業も栄えている地域であり、自動成形ライン、トンネル窯、絵付け転写などの量産技術・設備の導入によって国内有数の大産地に成長してきました。個人で営む窯元から製陶所、販売店まで、この地方に住む多くの人々が焼き物のプロであり、生業としているのです。

なぜ、焼き物リサイクルが難しいのか。

日常で使っているうつわの材質、詳しく知っていますか?

日常で使っているうつわが磁器なのか陶器なのか、意外と分からないもの。でもポイントさえ掴めば一目瞭然。知るとだんだん面白くなり、虜になってしまうのが「うつわ」の魅力なんです。
%e4%bf%ae%e6%ad%a3gl%e8%a1%a8-thumb-750x450-1717

私たちが毎日当たり前につかっている必需品であるうつわ。
全国各地で開催されている陶器市が大賑わいのように、うつわ好きの方々も最近では増えてきました。しかし、うつわ好きだからこそ知っておきたいうつわの真実。

次回は、難しいとされていた焼き物リサイクルを実行してきたキーパーソンに注目し、GL21までの歩みや、熱き思いをお届けします。
(この記事は連載でお届けします)

記事/REALJAPANPROJECT
header_logo
REALJAPANPROJECT
REALJAPANPROJECTは日本のものづくり・地域産業のブランドづくりをサポートするプロジェクト。
“日本のものづくりをもっと身近に”という想いから、2009年にプロジェクトを発足し、日本各地のものづくりの現場に足を運びながら、ものづくりの本質を未来へとつないでいきます。

コメント

コメント欄


人気の記事

2021.06.15

初夏の保存食『自家製トマトケチャップ』

2021.06.15

お弁当におススメ!下茹でして和えるだけ『スナップエンドウのごま和え』

2021.06.13

ピーマンと調味料だけで完成!食べる手が止まらない『ピーマンのはちみつ醤油炒め』

2021.06.10

シンプルが美味しい!『アスパラガスのオープンサンド』

2021.06.05

そら豆の味と食感を楽しむ『そら豆のクリームチーズパスタ』

2021.06.05

季節の手仕事『自家製キウイシロップ観察日記』

2021.06.04

季節の手仕事『夏の常備菜らっきょうしごと』

2021.06.03

きんぴら大変身!豆腐1丁で『特大がんものご馳走あんかけ』

2021.06.02

作り置き常備菜シリーズ『酢たまねぎ』とアレンジレシピ

2021.06.01

混ぜて冷蔵庫に入れるだけ『さっぱりホタテのマリネ』

編集部おすすめ記事

2021.06.14

若返りの野菜「そら豆」!茹でて、焼いて、「そら豆」をおいしくいただこう!

2021.06.11

さっと作ることができて保存が効く!夏の常備菜『きゅうりの炒めナムル』

2021.06.11

干して戻してうまみがぎゅーっとおいしい乾物を愉しむ 『うまみと磯の香りが溢れるひじきの肉そぼろ』

2021.06.10

発酵食品で免疫力UP!第7弾『鮎のコンフィ・シソジェノベーゼソース』

2021.06.09

季節の手しごと『ピンクジンジャーシロップ』

2021.06.09

こまめなお手入れで畳のある暮らしを心地よく『< 基本&しみ抜き >畳のお手入れ方法』

2021.06.08

こどもと作ろう!『パステルカラーの彩り白玉ポンチ』

2021.06.07

季節を感じる贅沢、雨の日は『梅仕事』を始めてみませんか

2021.06.07

たっぷりの大葉を味わおう!アレンジ自在『大葉ベーゼ』

2021.06.06

季節の仕込みゴト『まるごときゅうり』

月間人気記事

2020.06.17

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2020.06.15

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「玉ねぎ」の常備菜』

2018.08.08

なす、トマト、ピーマン、ししとう…あの野菜も?!『ナス科の野菜の種類とあれこれ』

2021.06.05

季節の手仕事『自家製キウイシロップ観察日記』

2021.03.08

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2017.06.01

漬けて使う・合わせて使う『梅味噌の活用レシピ』

2020.11.18

栄養士直伝!「食」から喘息を改善しよう『おすすめの食材&レシピ』

2020.02.11

豆腐、納豆だけじゃない!どれくらい知ってる?『大豆製品』の種類