
2週間でよみがえる『腸内フローラを育てよう』
何だか最近便秘がち……。このところ気温の変化が大きかったせいもあって、生活リズムが乱れ、そんなふうに感じている方いらっしゃいますか?
もともと女性には便秘の人が多いのです。そんなおなかの調子に大きくかかわっている「腸内フローラ」をご存知でしょうか。
腸内フローラって?
おなかの中には3万種類1000兆個、重さにして約2キロの腸内細菌がいて、「こちらは善玉菌のかたまり、あちらは悪玉菌のかたまり」というように、仲間同士で集まって花を咲かせている。顕微鏡で腸の中をのぞくと花畑(フローラ)のように見えることから、腸内細菌たちがすんでいる状態を「腸内フローラ」と呼ぶようになった。
細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3種類に分けられる。腸の中に菌たちがどれくらいの数、どんなバランスでいるかというのが「腸内環境」。腸内環境が悪ければ便秘や下痢になったりもする。
腸内細菌の種類は多ければ多いほどいいし、数は多ければ多いほどいい。種類や数は人それぞれなので、腸内フローラも人によって違う。
しかし、私たちは直接、腸内フローラを見ることはできない。ではどのように腸内の状態を判断すればよいのだろう。
女性ホルモンと便秘
「便秘になったり、おなかが張ってきたりしたときは、善玉菌が負けているときですよ」と教えてくれたのは、免疫学者で、東京医科歯科大学の名誉教授でもある藤田紘一郎さん。研究のため16年にわたりおなかの中でカイチュウを飼っていたことで、その研究畑では有名な人だ。
「毎日便を見てみるといいですよ。固形成分のおよそ半分は腸内細菌の死骸で、残りのおよそ半分が腸粘膜の死骸。便を見ることは、その日腸内細菌と腸粘膜がこんなにはたらいてくれたという証拠を見ることなんです。量が多いときほど、はたらいた量が多いということ。逆に腸内環境があまりよくないときは便が出なかったり、出ても量が少なかったり臭かったりします」(藤田さん)。
腸内細菌は、人間の体の免疫の70%を作り、さらには幸せ物質と呼ばれるセロトニンやドーパミンを作っている。ビタミンBやビタミンKは腸内細菌と腸粘膜しか作ることはできないので、腸内細菌が減ってくるとビタミンB2が減ってヘルペスができたり、腰が痛くなったりすることもある。
ちなみに、女性には便秘がちの人が多いけれど、男性よりも女性のほうが便秘になりやすいのは事実で、便秘には女性ホルモンが関係しているのだという。「腸内細菌と腸粘膜のはたらきには、男女差はほとんどありません。あるのは、女性ホルモンと男性ホルモンの影響の違いだけ。腸内環境が悪くなると、女性ホルモンは便秘に向かい、男性ホルモンは下痢に向かいます」(藤田さん)。
まずは食べ物から
「私の腸内フローラは、あまりよい状態ではないかも」と感じた便秘ぎみの人も安心してほしい。
「腸内フローラは誰でもすぐ改善します。2週間あれば大丈夫。食べるものや食べ方を変えるだけで2日後くらいから変わってきますよ」(藤田さん)。
ストレスがかかると腸内細菌は減り、紫外線、飲酒、タバコなどで発生する活性酸素で腸内細菌が弱ってしまう。中でも大敵なのは、食品添加物と抗生物質。「添加物の中でも防腐剤がいちばん危険です。防腐剤は食品を腐らせないためのものですが、抗生物質と同じく腸内細菌を殺してしまいます」(藤田さん)。
もう一つ、気をつけたいのは砂糖。「精製された白い砂糖は麻薬みたいなもの」(藤田さん)なので、なるべく精製されていない黒砂糖やきび砂糖などを使うか、果実から摂るのがいいそう。
逆に、腸内フローラを育てるのに効果があるのは、納豆やみそなどの発酵食品。そのほか、野菜豆類など食物繊維の多いものが効果的。それが腸内細菌のエサになる。環境も大切で、楽しく食事することはとても大切。嫌な人と食事をするとストレスになるので、思い切って断ることも必要かもしれない。
Photo by MARIA
記事/ハレタル
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