
食品添加物の真実『保存料と身体のコト』
目次
「添加物無添加」と書かれていると、「あら安全ね」など手に取ることがあるのではないでしょうか。でも、それは本当に無添加?
わたしたちのよく知られていないところで、食品表示のからくりがあるようです。
『食品添加物 保存料』の目的と役割
「保存料」は、食品の腐敗、変色、味の変化を引き起こす原因となる微生物の増殖を抑え、保存性を高める食品添加物である。使用の目的は、食中毒のリスクを減らすためで、微生物を死滅させるために使用する「殺菌料」とは別物だ。また、食品のわずかな日持ちを保つために使われる「日持向上剤」は含まれない。その役割は、保存性の向上と食品の腐敗防止や風味を保つことのほか、廃棄食品の軽減、広範囲の流通、大量生産を可能にすることで商品価格を下げるなどである。
食品によく使われている『食品添加物 保存料』は?
食品パッケージによく見られる保存料を3つ紹介する。
ソルビン酸、ソルビン酸カリウム
抗菌効果は強力ではないが、カビ、細菌、酵母の増殖を抑えることができるため、幅広い食品に使用されている。
食品安全委員会が平成26年に発表した「食品添加物のリスク評価」によると、ソルビン酸の一日摂取許容量(ADI)は、25mg/kg体重/日で、50kgの人の場合の1日あたりの摂取許容量は1250mgとなる。具体的にどのような食品をどれくらい食べられるかを計算すると、使用基準上限のソルビン酸を添加されたハムであれば、1日に625g食べた場合、ADIに達する計算だ。摂取による発がん性や遺伝毒性のリスクは研究されているが、ADIの範囲内であれば、影響がないとされている。
ちなみにADIは、動物の健康に悪影響を与えない最も多い量に、安全係数1/100をかけた数値となっており、人が一生の間、毎日摂取し続けても健康に影響しない量として、食品安全委員会が定めている。
使用食品 : ハム、ソーセージなど食肉加工製品、魚肉ねり製品、チーズ、つくだ煮、こうじ漬など
安息香酸、安息香酸ナトリウム
食品の酸性が強いほど、効果を発揮する保存料で、カビ、酵母など、各種微生物の増殖を抑える。一日摂取許容量(ADI)は、5mg/kg体重/日で、50kgの人の場合の1日あたりの摂取許容量は250mgとなる。鼻炎や皮膚のアレルギー症状などを引き起こす場合がある。
使用食品 : 清涼飲料水、マーガリン、しょうゆ、キャビアなど
プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム
みそ、しょう油、パン生地、ぶどう酒、チーズなどの発酵食品に含まれている保存料。カビや耐熱性の細胞を作る細菌の繁殖を抑えるが、パンなどを発酵させる酵母には影響が少ない。一日摂取許容量(ADI)は制限されておらず、人体への影響は、はっきりしていない。
使用食品 : パン、チーズ、洋菓子など
『食品添加物 保存料』は安全なの? 危険なの?
保存料を含まない食品は、化学合成品を体内にいれなくてすむという点においては、望ましいものである。しかし、この点の安全性が高まれば高まるほど、保存性が下がり、食中毒のリスクが高まってしまうというデメリットもある。
また、「保存料無添加」のカラクリに注意したい。例えば先ほど紹介したソルビン酸は、日持向上剤に置き換えることができるが、この日持ち向上剤は指定の保存料に含まれないため、商品パッケージに記載する必要はない。なかには調味料やpH調整剤と記載されることがあり、これは保存料無添加と捉えられるのだ。しかし日持向上剤は、保存料と同様に微生物の増殖を抑え、食品の腐敗を防ぐが、その効力が弱いため、保存料よりも多く添加しないといけなくなり、安全性の面で疑問が残る。
現在の食生活は、保存料に頼らざる得なくなっているのが実情だ。食品添加物は厚生労働省が安全性を確認したうえで使用されているが、添加物による健康被害が心配な場合は、自炊をするなどして、少しでも保存料を摂取しないように心がけてみるのもいいのかも。
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