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食のコト 2017.02.24

楽しく食べていますか?『食べ物への不安とうまく付き合うには』

毎日食べる食事は楽しみたい。でも体にいいものを食べたい。
ましてや子どものコトならば余計に考えすぎてしまう…
そう、考えすぎてしまって食事が楽しくなくなっていませんか?
____________
野菜はオーガニックのみ。
ご飯は雑穀にして砂糖は使わない。
食品添加物や化学調味料が心配だから外食や加工食品はやめて、ポテトチップスなんてもってのほか――。

わが家では一時期、こんな食生活を送っていた。二女の真心には「福山型筋ジストロフィー」という先天性の病気がある。幼少期に感染症にかかり、肺炎で命にかかわることもある。免疫力を高めて強い体を作らなければ、そう考えた私は、大げさかもしれないけれど「食事で病気を治す!」と真剣に思っていたのだ。

食卓が暗くなっていく

それから、体にいいと聞いたものはできるだけ試し、食についての勉強も始めた。学んでみると、世の中には“危険な”食品があふれていることに気づくようになった。腐るのを防いだり賞味期限を確保したりするためには仕方ないけれど、食品添加物が体にいいわけがない。野菜を育てるのに使われている農薬も気になるし、アレルギー反応を引き起こすと言われる小麦のグルテンもできるだけ取りたくない……。

そうしているうちに、わが家の食卓からは、いろいろな食品が消えていった。食べてもいいのは「体にいい」ものだけ。食品に使われている材料が気になって、買い物しているときもピリピリするようになり、子どものお友達が遊びに来てくれても「体に悪いお菓子を持ってきた」と心配になる。栄養を考えて作った食事を残されると、イライラしてしまう。

そんなことが続いたある日、夫と衝突が起きた。「神経質になりすぎだよ!」と言う夫と大げんかになったのだ。「真心のために一生懸命にやっているのに、どうしてわかってくれないの」と悲しくなったが、それと同時に、食卓がまるでお通夜のように暗くなっていることにも気がついた。家族でごはんを食べていても会話もなく、前のようにおいしいと言われることもなくなっていた。

大切なのはバランス

そう気づいてからは、「健康のため」と躍起になるのではなく、楽しみながら健康に気をつけた食事を心掛けるようになった。

毎日の食事は、おみそ汁や雑穀、酵素玄米など、昔から日本人が食べてきた“日常食”が中心。調味料にはこだわって、昔ながらの製法で作られたおみそやしょうゆ、塩は精製塩ではなく天然塩にし、砂糖の代わりにきび糖や甘酒を使うけれど、それ以外の材料はあまり気にしすぎず、素材と調味料を生かしたシンプルな料理を作っている。

そして、それまでは避けていた食べ物や外食も受け入れるようになった。外で食べる時は好きなものをありがたくいただく。家での食事も、日常食だけでなく、家族のリクエストに応えてお肉や揚げ物も時々登場する。

考え方を変えると、食卓に笑顔が戻ってきた。ハンバーグの日は「やったぁ!」と歓声が上がるし、選べるものが増えるとやっぱり楽しい。それに気づく前は「こうじゃなきゃだめ」と思い込んでいて、それが私自身、そして周りの人も苦しくさせていた。健康も大事だけれど、楽しくなければおいしく食べられない。うまくバランスを取ることが大切なのだと思う。

体の声にも耳を澄ませる

そしてもう一つ大切にしているのが、「体の声」だ。

わが家の日常食では、酵素玄米も食べている。玄米に小豆と塩を加えて炊いた後、数日間保温して発酵させた玄米のことで、白飯よりも栄養があって、1週間くらい保つ。それに酵素の力で軟らかくなるので、かむ力の弱い真心にも食べやすい。

普段は子どもたちも食べてくれるのだけれど、ある夏、どうしても食べたくないと言われることがあった。少し経つとまた食べるようになったから、その時は飽きてしまったのかと思っていたのだけれど、後になって玄米は漢方や薬膳で言うところの「陽」の食べ物だとわかった。体を温める作用があるから、暑い季節には食べたくなくなっていたのだ。
9086573bccb0d6e03d043fc19cd1c08f-540x540(Photo by MARIA)

私たちは普段、栄養の知識や習慣を重視しがち。でもこんなふうに、体はきちんと必要なもの、必要じゃないものを教えてくれる。だから、もっと体の声に合わせて食事をすることも大切なのだと思う。

福山型筋ジストロフィーという病気のある真心は、かんだり飲み込んだりする力が弱くなって、自分の力で食べることができなくなる日が来る。でもそれは、実は誰でも同じこと。真心は病気があるからほかの人よりも早いかもしれないけれど、誰でも年を取れば食べる力が弱くなっていく。

だから私は、食べたいものが食べられる今、その楽しさを大切にして共有していきたいと思っている。

(文/加藤 さくら)
(キービジュアルPhoto by MARIA)
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