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ご当地 2019.08.06

実は小さなパンの宝庫⁉ 『ドイツの小型パン「ゼンメル」を楽しもう』

みなさん、パンはお好きですか?
日本人はお米!と思いつつも、わたしたちの日常にはパンは欠かせない存在となっています。朝食に、小腹が空いた時に、おやつに、食卓の一品に…。そんなパンのある暮らしを、ドイツ在住の見習いパン職人さんからレポートしていただきました。
みなさん、「ドイツパン」と聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?
IMG_プレッツェル
日本でもおなじみのプレッツェル、そしてライ麦の香りいっぱいの、茶色くどっしりした大きなハードパン・・・。そんな重厚なパンの世界に憧れて、ドイツにやってきました。でも、実際に住んでみて驚いたことは、小型パンの種類の豊富さ!ドイツの食卓に欠かせない小さなパンたちを、ほんのちょっぴりご紹介します。

北ではBrötchen、バイエルンではSemmel

ドイツでは、1つ250gより小さな小型パンは「ブロートヒェン(Brötchen)」や「ゼンメル(semmel)」
と呼ばれ、大型パン「ブロート(Brot)」とは明確に区別されています。ここでは私の住むバイエルン流に「ゼンメル」と呼ばせていただきます。数えきれないほど種類のあるブロート同様、ゼンメルにも多くのバリエーションがあり、その数は数百種にも上るといわれているんですよ。
IMG_001▶ミュンヘン市のパン屋さん店内。奥には大きなブロートが並び、手前にはゼンメルや甘いパンが山積みに。

ゼンメルいろいろ

ゼンメルは見た目も味も様々です。小麦粉ベースでふんわりした食感のものもあれば、ライ麦入りで少し酸味のあるものも。仕上げにトッピングされるスパイスやケシの実、カボチャの種などが、食感と風味の幅をさらに広げてくれます。それぞれのゼンメルが、実に個性的なのです。

ゼンメルは基本的には食事パンなので、油脂が少な目のあっさりしたものが多いですが、レーズンなどの入った甘いものも時おり見かけます。ちなみに、日本ではポピュラーな「バターロール」はドイツにはありません。
IMG_002▶職場であるパン屋のゼンメルたち。

左上から時計回りに、プレーンなゼンメル、ケシの実をトッピングしたゼンメル、スペルト小麦を使ったディンケルゼンメル、ひまわりの種・胡麻・ケシなどいろいろな種子の入った香ばしいクラフトコーンゼンメル、ジャガイモのゼンメル、カボチャの種のゼンメル、プレッツェルと同じ手法でこんがり茶色に焼き上げたラウゲンゼンメル、クミンの香りがたっぷりのコーンシュピッツ。これはほんの一部で、まだまだ色んな種類があります。また同じ名前のゼンメルでも、お店によってその姿や味は全然違ったりするのだから本当に面白いのです。

好みのチーズやサラミと一緒に

焼きたてのゼンメルは、そのままパクッとかじりついてももちろん美味しいですが、ドイツではナイフを横に入れて2つにスライスし、バターを塗ったりハムやチーズを挟んで頂くことが多いようです。特に、シンプルなゼンメルをサンドイッチにした時の美味しさは格別!サクッと香ばしい皮の食感と粉の甘みが、具の旨味をさらに引き立ててくれるのです。
IMG_003▶ミュンヘンのカフェ風な朝ごはん。ドイツは加工肉やチーズの種類も豊富なので、その日の気分で選んで食べ比べてみるのも楽しい。

旅行中でも、ゼンメルなら買いやすい!食べやすい!

「買いやすさ」もゼンメルの魅力のひとつ。普通ドイツのパン屋さんでは、商品はすべてガラスの向こうに並んでいて、お客さんは欲しいパンを店員に伝えて取ってもらいます。でもこういう買い方って、旅行者などドイツ語に不慣れな身にとっては、ちょっとハードルが高いもの。特に量り売りのブロートは、希望の量やスライスの有無を頼まなければならないので結構大変。その点ゼンメルなら、興味のあるものを指さして注文すればOKなので、とっても簡単なのです。
注文するときは指をさして「Ich möchte das. (イヒ メヒテ ダス)」=「これが欲しいです。」と伝えます。
IMG_004▶ガラスのショウウィンドウに並ぶゼンメルたち。

焼きたてのゼンメルを手に入れたら、あとはスーパーマーケットやお肉屋さんで好みの具を買って挟めば、手軽でお財布にも優しいサンドイッチの出来上がり。天気のいい日には、公園のベンチでピクニックも気持ちがいいですね。
IMG_005

ドイツへ遊びに来たらビールとソーセージもいいけれど、ぜひ小さなパンたちの世界も覗いてみてください。
きっと、出会ったことのない新しい味とドイツパンの奥深さに魅了されること間違いありませんから。
IMG_街

記事/吉良麻実
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<ライタープロフィール>
茨城県生まれ。子供の頃から大の料理好き。京都造形芸術大学卒業後、都内のCGプロダクションでアニメーション等の制作に携わる傍ら、週末には自家製天然酵母で山ほどパンを焼くという生活を7年間続ける。パンの世界をもっと深く学びたいと、2016年にドイツへ移住。パン職人の国家資格Geselle取得を目指し、現在ミュンヘン郊外のパン屋さんで修行中。モットーは「ひとの暮らしに寄り添うパン作り」。
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