
手づくりしてみませんか?『マヨネーズの原材料・作り方・活用レシピ』
目次
- 1 ドレッシングの仲間に分類される『マヨネーズ』
- 2 『マヨネーズ』の原材料は5つ
- 3 『マヨネーズ』の中でも含有率№1!使うと良い「油」とは
- 4 『マヨネーズ』の硬さを左右するのは「酢」の力!
- 5 『マヨネーズ』の水分と油分の大切な仲人役を担う「卵」
- 6 『マヨネーズ』の味付けだけじゃない。性質にも関わる重役「塩」
- 7 『マヨネーズ』の風味の決め手は「香辛料」
- 8 添加物のようで添加物ではない!『マヨネーズ』や加工食品に重宝される「たん白加水分解物」
- 9 手作り『マヨネーズ』の作り方
- 10 『マヨネーズ』の応用
- 11 『マヨネーズ』はどこからやってきた?
- 12 『マヨネーズ』の上手な選び方のコツ・賢い買い方コツ
- 13 アレンジいろいろ!『マヨネーズ』を使ったレシピ
- 14 その他の『調味料』にまつわる記事はこちら
Myマヨネーズを持ち歩いたり、極度のマヨネーズ好きの「マヨラー」なんて言葉が流行った時期もありましたね。サラダや揚げ物、どんぶりなど様々な料理にかけたり、和えたり、つけたりして食べられる万能調味料の『マヨネーズ』。
炒め物や下味をつける際に隠し味として使われる方も多いのではないでしょうか。苦手な食べ物も「マヨネーズをつけたら食べられる!」という救世主のような存在に感じることもあるのでは。
そんなマヨネーズがどのようにして作られるかご存知ですか?実は家庭にあるものでも作れてしまうのです。おうちの常備調味料、マヨネーズについての豆知識増やしてみませんか?
ドレッシングの仲間に分類される『マヨネーズ』
マヨネーズはドレッシングの中の「半固体状ドレッシング」といって、固体でも液体でもない一定の粘度をもったものに分類されます。
ドレッシングの他の仲間には「サラダクリーミードレッシング」や「その他の半固体状ドレッシング」があり、マヨネーズには農林水産省が定めた規格があるのです。
【性状】
1 鮮明な色沢を有すること。
2 香味及び乳化の状態が良好であり、かつ、適度な粘度を有すること。
3 異味異臭がないこと。
【原材料】
原材料 食品添加物以外の原材料 次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 食用植物油脂
2 醸造酢及びかんきつ類の果汁
3 卵黄及び卵白
4 たん白加水分解物
5 食塩
6 砂糖類
7 はちみつ
8 香辛料
食品添加物 次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 調味料
5’-イノシン酸二ナトリウム、5’-グアニル酸二ナトリウム、L-グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム及び5’-リボヌクレオチド二ナトリウム
2香辛料抽出物
むむむ。こう書かれると難しいですね。
では、わかりやすいように順番に原材料の特徴を見ていきましょう。
『マヨネーズ』の原材料は5つ
<原材料>
「油、酢、卵、塩、香辛料」
え、これだけ?!と思うかもしれませんが、これだけです。
先程の定義では難しい名前の材料が出てきましたが、材料は至ってシンプル。これらが絶妙に合わさることによって、クリーミーでコクのあるマヨネーズが出来上がります。そして、この原材料一つ一つに大事な役割があるのです。先程の難しい材料も一緒に絡めながらみていきましょう。
『マヨネーズ』の中でも含有率№1!使うと良い「油」とは
油はマヨネーズの主成分です。サラダ用に用いるものであるため、油臭さがなく、色も薄く、冬季冷蔵しても混濁しない精製度の高い油が良いと言われています。
大豆油や綿実油、米油、とうもろこし油などの精製したサラダ油がオススメです。市販のマヨネーズの原材料表記を見てみると、使われるのは「植物精製油脂」が多いですね。早く大量に抽出するために化学溶剤を混ぜて過剰に精製された油のことです。
また、マヨネーズの油脂含有率は65%以上と定められています。
『マヨネーズ』の硬さを左右するのは「酢」の力!
酢はマヨネーズの酸味と香り、防腐性を与えるばかりでなく、乳化を容易にし、マヨネーズの粘性を低下させ、安定性をよくしてくれる働きがあります。
酢には普通、酢酸含有量3~4.5%の食酢類を使いますが、果実やレモンの絞り汁なども使われます。酢を加えるとマヨネーズはやわらかくなります。
酸味を利かせたい場合は、リンゴ酢またはレモン汁を。レモン汁は酸味が強いので、少量加えることでマヨネーズをやわらかくし過ぎずに酸味を補えます。
さらに、果汁中に含まれるペクチンにはエマルション(ある溶液中に別の溶液が溶けずに混ざっている状況のこと。マヨネーズの場合は「酢」と「油」)を安定にする作用もあります。
『マヨネーズ』の水分と油分の大切な仲人役を担う「卵」
マヨネーズは従来から卵は卵黄のみを用いてきました。しかし、近年は便利な調理機器が幅広く使用でき、しかも材料をすべて用いることは合理的であることから、全卵で作るマヨネーズも開発されて、スーパーなどで取り扱われています。
水と油。この2つは混ぜ合わせると油が水を弾いてしまいますよね。そのため、原材料として使われる「酢」と「植物油」を一緒に混ぜ合わせるとすぐに分離してしまうのは、実践していなくてもわかること。この「酢」と「植物油」に「卵」を加えることで、「卵」のレシチンという成分が乳化剤として働きます。レシチンは「酢」と「植物油」の性質を変えて均一に混ざりやすくすることで、乳化し、分離せず2つが合わさります。
古い卵はレシチン含有量が少なくなるため、新しい卵の方がマヨネーズには適しています。
『マヨネーズ』の味付けだけじゃない。性質にも関わる重役「塩」
塩はマヨネーズに塩味を与えるとともに、エマルションを安定にする傾向があります。ただし、大量に入れると乳化を妨げてしまうので注意です。
また、0.1%以上のカルシウム塩を含む食塩はエマルションの妨げとなるため好ましくないんですよ。
『マヨネーズ』の風味の決め手は「香辛料」
香辛料としては、からし、こしょうを用います。いずれもマヨネーズの風味をよくするために使われます。
からしは卵と共存する場合には乳化の安定性をよくし、防腐効果もあります。
添加物として記載されていた「香辛料抽出物」。
これは、天然の香辛料のなかの有効成分を抽出または蒸留して濃縮したものです。オールスパイス、シナモン、クローブなどの香味を主体するものと、コショウ、トウガラシ、わさびなどの辛味を主体するものがあります。
以上5つの材料でマヨネーズは作ることが出来ます。
この5つに含まれなかった砂糖、はちみつは甘味をつけるために使われることもあります。
そして気になるのが「たん白加水分解物」ではないでしょうか。
添加物のような名前をしているのに別で記載されている添加物の欄にないこの調味料、一体何なでしょうか。
添加物のようで添加物ではない!『マヨネーズ』や加工食品に重宝される「たん白加水分解物」
大豆・とうもろこし・小麦等の植物性や動物性の「たん白質を分解して得られたアミノ酸」のことを言います。
独特のコクや旨味を持つため、広く加工食品の調味に使用されています。食品衛生法では食品添加物に指定されていませんが、JAS法で表記が義務づけられています。
スーパーやコンビニなどで見かける多くのマヨネーズにはこの「たん白加水分解物」が記載されています。
加工食品の場合、製造過程や保存中に逃げてしまう風味を補ったり、普遍的に好まれる一定な味に仕上げたりする必要があります。そのため、素材の味だけでなく、何かしら味を補う必要が生じる場合があり、このとき調味料やたんぱく加水分解物が使用されるのです。
ちなみに、カロリーハーフのマヨネーズは粘り気を補う為にカラギーナンという増粘多糖類が含まれていることがあり、これらは添加物の一種です。
たった5つの材料で作れるマヨネーズ。一度手作りのマヨネーズを味わってみませんか?
材料を揃えたら、必要なのは混ぜる力!手でかき混ぜるのは大変なので、ハンドミキサーを使ってみると簡単に作れますよ。
手作り『マヨネーズ』の作り方
『マヨネーズ』【材料】
・全卵 1コ
・サラダ油 200ml
・酢 20~30ml
・塩 2.5g
・粉辛子 1g
・こしょう 少々
『マヨネーズ』【作り方】
1. ミキサーにサラダ油以外の材料を全て入れ、混ぜ合わせる
2. サラダ油を3回に分けてよく混ぜ合わせる
市販のマヨネーズは5つの調味料の配合が違っているだけでなく、この他にも様々な調味料が加わります。
そのため、市販のマヨネーズと同じ味を再現することは難しいかもしれませんが、手作りマヨネーズは塩分や酢などを自在に調整できるのが良いところ。
明太子やわさび、刻みゆずなど混ぜてみたり、ヘルシーに塩分や油を控えめにしたいといった要望に自由が利いて楽しいのです。ぜひ、自分好みのマヨネーズを研究してみてくださいね。
『マヨネーズ』の応用
マヨネーズを土台にして、他の材料を加えると変化のあるソースを作ることが出来ます。
【タルタルソース】
マヨネーズ 100g
ゆで卵 20g
さらした玉葱 10g
ピクルス 2g
マヨネーズ以外をすべてみじん切りにして混ぜる
<適した料理>
サラダ、魚介類のフライやムニエル、肉類の網焼き料理
【サウザンアイランドドレッシング】
マヨネーズ 100g
ケチャップ 15g
刻みオリーブ 3~4g
みじんゆで卵 25g
刻みピクルス 6~8g
おろし玉葱 2~3g
ウスターソース 2%
全てを混ぜ合わせる
<適した料理>
冷製鶏料理、冷製魚料理、野菜サラダ
ソースが粒々の形状をしていることから、海に浮かぶ千の島々に見立ててこう呼ばれています。
【クリームマヨネーズ(マヨネーズシャンティ)】
マヨネーズ 100g
生クリーム 30~50g
レモン汁 少量
生クリームを泡立てたものにレモン汁を加えて混ぜ合わせる
<適した料理>
うど、アスパラガス、カリフラワーのような淡色野菜料理
『マヨネーズ』はどこからやってきた?
マヨネーズは、地中海にあるミノルカ島の港、マオン市に由来し、この島に多く産した卵とオリーブ油で作られたのが始まりであるという説が有名です。
18世紀、戦争でこの島に来たリシュリュー侯爵が、このソースを気に入り、フランスに持ち帰ってマヨネーズというソースが生まれたのだとか。また、マヨネーズはフランス語の女性名詞でもあります。西洋の地で生まれたマヨネーズ。今では日本でも欠かせない調味料の一つとなっていますね。
『マヨネーズ』の上手な選び方のコツ・賢い買い方コツ
開封前は直射日光に当たらない涼しいところに常温で保存して問題ありません。
また、開封前に寝かせたり、逆さまにして保存していると、重力によってマヨネーズに含まれる水分(原材料の酢)が上部に浮いてくる口部離水という現象が起こることがあります。品質状問題ありませんが、気になる方は、普通に立てて保存してください。
また、中に空気が入ると、油が酸化する原因となりますので、空気ができるだけ入らないように保存した方が良いでしょう。
開封後は冷蔵庫で保管しましょう。
手作りのマヨネーズは冷蔵庫に保管して数日のうちに使い切るのが安心です。
アレンジいろいろ!『マヨネーズ』を使ったレシピ
<マヨネーズソース>
マヨネーズを使いこなす簡単レシピ 大人の味に仕上がる『鶏と胡瓜の柚子胡椒マヨ和え』
時間がないけどあと一品さっと作りたい。そんな時におすすめの和えものをご紹介します。
マヨネーズのアレンジソースを知っておくと、料理のレパートリーも増えますよ。
今回は「柚子胡椒」を効かせて少し大人な味に仕上げました。お酒との相性も抜群です。
いつものマヨネーズに一工夫『ゆで鶏の甘酢マヨソース』
コクとまかさろやをもつマヨネーズ。
そこに酸味と甘みをちょっとプラスさせてみましょう。
さっぱりとしているけど甘みもある、これからの季節に重宝するソースの出来上がり。
タルタルは手作りがおいしいね『鶏肉ソテーと自家製ピクルスのタルタルソースがけ』
キッチンから漂うのは、鶏肉が香ばしく焼けた香り。パチパチっと皮が焼ける音が食欲をそそります。
そんなときにソースとして外せないのがタルタルソース。自家製の彩りピクルスとマヨネーズを合わせれば、お野菜たっぷり自家製タルタルのできあがり。
たっぷりつけても大丈夫!卵不使用ヘルシー『豆腐のタルタルソース』
フライの添え物には欠かせないタルタルソース。でもフライで高カロリーな上に更にマヨネーズベースのタルタルソースはためらってしまいますよね。
でもこれなら大丈夫!お豆腐でできたマクロビなヘルシータルタルソースで揚げ物をさらにおいしくいただきましょう。
子どもも好きになる 大豆マヨネーズで作るきゅうりの和え物
大豆やひじきは体に良いものですが、子どもはなかなか食べてくれません。
そんな子どもに食べてほしい食材を食べやすくしてくれるのが「大豆入りのマヨネーズ」。
卵アレルギーの子どもにも食べさせてあげられるマヨネーズです。
<ポテトサラダ>
ざくざく食感『キャベツ入りのポテトサラダ』
キャベツをざくざく切ったらそのまま和えてしまいましょう。食感が楽しいポテトサラダのできあがり。ウインナーも大きめに切って、大胆で飾らない一皿です。
ちょっとの牛乳が味をまーるくしてくれる『たらもサラダ』
たらこではなく明太子にすることでお酒にも合うおうち居酒屋メニューになりますよ。牛乳をほんの少し加えるのが味をまーるく、まとめてくれます。
いかがでしょうか。
家庭にあるものでも作れてしまうなんて驚きですよね。
マヨネーズのコクとうま味がどんなもので構成されているか、市販品はしっかりと見極めて購入していきましょう。
その他の『調味料』にまつわる記事はこちら
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(ライター 影山奈々恵)
管理栄養士×フォトグラファー×ライターとして幅広く活動。
保育園で活きた食育や給食・おやつを通して「なんでも食べる子ども」を育んでいるだけでなく、食に関する記事をサイトへ寄稿。ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディング、演奏会など様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。
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