知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

道具 2017.03.30

いつもの暮らしに彩りを添える『切子グラス』の日用美

LINEで送る
Pocket

青や赤のグラスに、繊細なカットで描かれる模様が美しい『切子グラス』。幼い頃の記憶から、私は『切子グラス』に“お客様のおもてなし用のグラス”というイメージがあり、なかなか普段使いできずにいました。
たまたま、和食器に合わせるグラスを悩んでいた時に、「そうだ、『切子グラス』を使ってみよう」と思い立ち、普段の食卓に合わせてみたところ、相性抜群なことを発見!『切子グラス』の美しい佇まいだけでなく、ほど良い存在感が食事風景に彩りを添えてくれるのです。

伝統工芸品でありながらも、花やぶどう、小紋など豊富な種類の模様があり、食卓の雰囲気や食器に合わせて選べますよ。これからの、暖かく気持ちの良い季節に使いたい、『切子グラス』の魅力を少しだけご紹介します。
いつもの暮らしに彩りを添える『切子グラス』の日用美古い家屋

『切子グラス』が紡いだ歴史

江戸時代に薩摩(現在の鹿児島県)や江戸(現在の東京都)で作られていた、『切子グラス』。その後、日本各地にある『切子グラス』産地の技術が、それぞれの産地や他の産地にまで受け継がれていったのはもちろん、明治時代にはその当時最先端の技術を持っていたイギリスから、カットグラス技師を招くなどして、『切子グラス』は近代的な発展をとげてきました。日本を始めとした様々な『切子グラス』制作技術が混ざり合い、現代における『切子グラス』は出来上がったのだとか。
現在では、「色被せ(いろきせ:下記にて説明)」ガラスを使用した、美しい色合いの『切子グラス』が増えていますね。彫る角度や深さに応じて、模様部分の透明のガラスが、透けるように美しく現れます。

いくつにも分かれている『切子グラス』制作工程

『切子グラス』は、多くの制作工程を経て作り上げられます。近年では、工業用ダイアモンドを使って、ガラスの表面にカットがほどこされているそう。下絵としてあらかじめ表面に削る模様を描かず、熟練の職人のカット技術により生み出される美しい模様。細やかで繊細な模様の『切子グラス』を見ると、思わずそのカットの技に感動します。古くからの伝統を大切に受け継ぎながらも、さらにより良く、と『切子グラス』の制作技術を発展させてきたのだな、と感慨深くじーんとしてしまいます。
器のお店などで見かけることが多い、青や赤などの美しい色合いの『切子グラス』は、「色被せ(いろきせ)」と呼ばれているそう。透明なガラスの上に、色のガラスをかぶせて作られています。そのため、カットを施すと、美しい色合いのガラスと透明のカット部分の、ぱっきりとしたコントラストが楽しめる器に。また、カットの角度を変えることで、透明から色へのグラデーションが現れ、神秘的なまた別の美しさを私たちに見せてくれますよ。
いつもの暮らしに彩りを添える『切子グラス』の日用美アップ

普段の食卓に似合う『切子グラス』

『切子グラス』の美しさが楽しめる醍醐味は、飲み物を注いだ時に現れる、模様から輝く光の移ろいではないでしょうか。お水、オレンジジュース、コーヒー、お酒。それぞれの飲み物によって、模様からもれでる光が異なり、注ぐ飲み物を変える度に新鮮な気持ちで『切子グラス』の美しさを感じます。
私が愛用している、赤と青の『切子グラス』は、ロックグラスにちょうど良い器ですが、私はお酒のグラスとしてだけでなく、普段の生活の中で楽しんでいます。やはり、『切子グラス』は日本で発展した伝統技術なだけあり、和食器との相性がとても良く、食卓をシックな雰囲気へと変えてくれますね。
涼しげな印象になることが多いガラス製の器ですが、『切子グラス』は、キリっとした表情と程良い暖かみを併せ持つ佇まいが魅力的です。明るい光の中で、きらきらと模様がきらめく『切子グラス』、素敵ですよね。私のおすすめは、日暮れに部屋の灯りを少し落として、間接照明やキャンドルの温もりある光の中で『切子グラス』とゆったりリラックスタイムを楽しむこと。そんな心地よい空間に合わせる『切子グラス』もまた格別ですよ。
いつもの暮らしに彩りを添える『切子グラス』の日用美が食卓に置かれている

伝統を感じながら、『切子グラス』を日々楽しむ

幼い頃、良く見ていたのは、お客様をおもてなしする時の冷茶に使う『切子グラス』。深い青のガラスに、花や伝統的な小紋のような美しい模様が彫られていたのを憶えています。そんなこともあり、私にとって『切子グラス』は少し特別な存在でした。大人になり、普段の食卓など日常で『切子グラス』を使ってみたところ、ほど良い存在感を持って食卓に佇む様が美しく、とりこになっていきました。
おもてなしの時にも、普段の食事に合わせる時も、食卓の風景に彩りと、ほど良い華やかさを添えてくれる『切子グラス』。『切子グラス』が持つ軽やかな雰囲気が、これからのぽかぽかとした陽気にも、とても似合いますね。陽の光を受けた『切子グラス』は、万華鏡のようにきらきらと私たちを楽しませてくれますよ。
いつもの暮らしに彩りを添える『切子グラス』の日用美が食卓に並んでいるところ

その他のおすすめ記事

”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿

”いつも”の暮らしに寄り添う『会津漆器』の魅力-私が出会ったパン皿

毎朝のトーストを丁寧に焼いてみる。京都『金網つじ』の焼き網で楽しむ日常のひととき

毎朝のトーストを丁寧に焼いてみる。京都『金網つじ』の焼き網で楽しむ日常のひととき

京都の老舗『開化堂』の茶筒―使えば使うほど味わいを増す「暮らしの道具」

京都の老舗『開化堂』の茶筒―使えば使うほど味わいを増す「暮らしの道具」

記事/ケノコト編集部

LINEで送る
Pocket

コメント

コメント欄


人気の記事

2019.09.27

韓国風に簡単アレンジ!『キムチ肉じゃが』

2019.09.20

濃厚しっとり!秋のおやつ『南瓜とクリームチーズのパウンドケーキ』

2019.09.19

【食育のコト】新米を楽しもう!

2019.09.11

子どもに伝えたい昔おやつ『牛乳かりんとう』

2019.09.10

簡単♪無添加の『手作り鮭フレーク』・『鮭と茗荷のちらし風混ぜご飯』

2019.09.06

里芋の皮むきはレンジで簡単!つるっと剥いて秋の味覚を楽しもう!

2019.08.27

低糖質でボリューム満点!『カリカリ高野豆腐と茄子の中華風』

2019.08.23

旬を味わう二層のゼリー『ぶどうサイダー&ミルクゼリー』

2019.08.20

思っているより簡単♪旬の太刀魚をさばいてみましょう

2019.08.20

冬瓜の使い切りレシピ♪ヘルシーな『冬瓜もち』&『冬瓜のボリューム焼き』

編集部おすすめ記事

2019.09.13

冷凍パイシートで作る 旬のおやつ『無花果とヨーグルトのパイ』

2019.09.06

里芋の皮むきはレンジで簡単!つるっと剥いて秋の味覚を楽しもう!

2019.08.15

【食育のコト】たまご料理を楽しもう!たまごの七変化

2019.08.11

素麺にも煮物にも◎長期保存できる『万能だし』

2019.08.04

夏バテ知らず!『夏野菜のラタトゥイユ』

2019.08.01

【食育のコト】子どもとチャレンジ!初めてのクッキング

2019.07.23

二十四節気の暮らし方『大暑』暑さに疲れた体を労る食べ物と飲み物

2019.07.21

ひと鍋で完成!栄養まるごと『スープカオマンガイ』

2019.07.16

うな重より気軽に作れる『うなぎご飯』

2019.07.13

やさしい暮らしのヒント『献立を考えるコト』-6.こんな時なに食べる?夏に負けないからだのために-

月間人気記事

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.12.16

たまごも牛乳も使わない!寒天で作るトロっと美味しい『さつまいもプリン』

2017.10.15

作り置き常備菜シリーズ『秋刀魚の梅煮』

2017.11.02

~保存食のある暮らし~簡単にできる『自家製パンチェッタ』

2018.12.06

旨み成分たっぷり!冬野菜『知って得する白菜の栄養成分と保存方法・おすすめレシピ』

2018.11.21

覚えておきたいおやつレシピ『酵母のスコーン』

2017.08.20

フルーツの女王『知って得するマンゴーの成分と保存方法』

2019.02.01

とろっとろでスパイシーなご馳走『牛すじカレー』

2019.08.26

ネギ、玉ねぎ、らっきょう、ニラ、アスパラガス…特徴いろいろ『ユリ科の野菜の種類とあれこれ』

2019.02.12

白菜と椎茸入り!『餅入り巾着の含め煮』