
『担任の先生と話していますか?』先生とのコミュニケーションで子どもを見守ろう
目次
「うちの子の担任、今年は相性よさそう!」
「今年はちょっと話しにくそうな先生だなぁ。」
6月に入り、子どもたちが新しい学年の学校生活に慣れた頃に、あちこちで聞こえてくる声です。
私は公立小学校の教員をしていたことがありますが、この時期の子どもたちは、ゴールデンウィークが終わり、少しずつ新しい環境に対する緊張がとけ、本来の子どもたちの姿が出てきてのびのびと自己表現をしだします。子どもの素顔や得意なこと・好きなことがよく見えてきて楽しい反面、学級がざわつき、友達とのちょっとしたトラブルが起きたりするのもこの時期です。そんなこの時期こそ、先⽣とのコミュニケーションをしっかりとりましょう。保護者の方が先生と信頼関係をむすぶチャンスです。
「大人しいお子さん」ほど、先生とのコミュニケーションを!
私の経験もふまえて正直に言うと、クラス全員の子をくまなく見ることは、どんなに力量のある先生でも不可能だと思います。どうしても目立った動きをする子に目が行き、時間を割かれるのが実情で、いわゆる大人しくて、問題のないお子さんにはどうしても目が行きにくいことはあります。でも、大人しくしていても、子どもは一日の大半を過ごす学校で、日々心を動かしています。言えないけれどストレスを抱えているかもしれないし、言わないけれど先生とのコミュニケーションを誰よりも望んでいるかもしれません。そこで必要なのが、大人しくても、問題がなくても、先生とコミュニケーションをとる保護者の方の存在。保護者からのちょっとしたきっかけで、先生の視界は広がっていくものなのです。
先生とのコミュニケーション…いつ?どんな方法で?
先生とコミュニケーションをとる方法は、普段の連絡帳や今の時期に行われる個人面談などがありますが、場合によっては電話や個別に面談の時間を設けてもらうなども可能です。
<1>連絡帳
お子さんが大人しいタイプの場合に効果的です。普段は連絡事項を書くノートですが、何でもないことでも「昨日、先生の算数の授業の○○がおもしろい!と話していました」などと書くと、
「〇〇君こんな風に自分のこと話してるんだ!」と、急に先生の視界に我が子が入ってきます。
ここで大事なのは、大した返答がなくても気にしてはいけません。ひとつひとつに対する過度の期待や、あまり高い頻度で書くのもNGです。あくまでコミュニケーションの⼀つとして、くらいの気持ちでいることが大切です。
<2>個人面談
15分程度の短い時間なので、どうしても学校での我が子の様子を先生に聞きたくなりますが、逆に家でどんな風に過ごしているのか、親としてこんなことを大切に育てています、など保護者の側から話すと、先生の描くお子さんの全体像がより鮮やかになります。
まだ担任になって間もない先生に「先生は、うちの子のどんなところが良いところだと思いますか?」などと質問すると、ちょっとぼやけた回答が返ってきてしましまうこともあるかもしれません。今の時期は、学校以外での様子をこちらからよく伝えておくと、先生に我が子の全体像を知ってもらえて、次の機会には、学校での我が子のよかったところを見つけて話してくれるかもしれません。こちら側からの「きっかけ作り」も大切です。
<3>電話
もし何か具体的に先生と話したいことがあれば、電話や個別に面談の機会を作ってもらって話すのもよいでしょう。最初の電話は、3時半から4時半くらいの間が良いかもしれません。子どもが帰ってからの先生は大忙しです。この時間帯に一度電話を入れて、先生の都合がいい時間に折り返してもらうと落ち着いて話ができるかもしれませんね。
「うちの子、トラブルを起こしてばっかり…」の場合の先生とのコミュニケーション
トラブル報告の連絡帳を読んだとき、電話を受けた時の胸のざわつきは相当なものです。まずは深呼吸しましょう。意外と効果があります。そして次に「事実確認」です。感情を一旦封じ込めて、何が起こったか正しく受け止めます。この時点でお子さんを責めることも、先生に詰め寄ることも、ひたすら謝るのもNGです。まず、自分が事実を受け止める。電話ですぐに状況を受け止められないなら「ご報告ありがとうございます。」と丁寧に言って一旦電話を切った方がいいかもしれません。
私が受けもった⼦どもの保護者の⽅に、「すみません!」を繰り返す⽅がいました。動揺しているので私の電話の内容も正確に聞き取れて(受け⽌めて)いないこともあるでしょう。電話を切った後にすぐお⼦さんを頭ごなしに叱ってしまうようなことがないようにしましょう。⼦どもの⼼が壊れかけてしまい、状況は良くならないと思います。とにかく、感情的にならずに⼀旦受け⽌めることが⼤切です。
その次にするのは、子どもと話すこと。「先生からこんなお話があったよ」と、子どもからも話を聞いて、トラブルが起きた原因を自分なりにできるだけ冷静に分析します。そしてその後に先生と話をするのが良いでしょう。
事実は事実として受け止めつつ「でも我が子がトラブルを起こすのは、これが原因かもしれません。先生はどう思われますか?」まで言えたらパーフェクトです。
先生は敵でもなく、畏れ多い存在でもなく、子どもを育てていく「同志」のように思えるのがいい関係です。「子どもがトラブルを起こすのには必ず理由がある」そのことを忘れずに先生とコミュニケーションをとりながら、理由探しの同志として、共に歩んでいく気持ちが大切かもしれません。
学研ゼミの「保護者向けニュース&コラム」に、先生とのコミュニケーションのヒントになるような記事がありました。「親から先生に宿題の内容をリクエストしてもいいの?」というもの。息子の学校でも2年生の時に、1組は毎週日記の宿題が出るのに2組は一度も出ないということがあり、差が出ないよう2組の保護者が宿題で出してもらうようにリクエストする、という動きがありました。考え方やアドバイスがとても参考になりますので、ぜひ読んでみてくださいね。
子どもが育つ上で、学校ほど大切な場所はありません。でも、ある意味教室は閉ざされた密室です。先生との信頼関係に基づくコミュニケーションの重要性は計り知れないものです。あきらめず、期待しすぎずトライし続けてみてください!
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