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取材 2017.06.24

100人100色―専業主婦を経て45歳で会社を起業。「食」と「料理」に関わる事業を展開するー福島利香さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都在住の福島利香さんです。専業主婦を経て、料理教室のイベント企画会社にパート勤務。45歳で独立して自分の会社を立ち上げ、「食」と「料理」に関わる仕事を始めました。食卓から家族を作る料理教室「From kitchen」がキッズデザイン賞を受賞し、現在は新規事業として保育園の献立提供サービスを展開するなど、あたためてきた食への想いを着実に形にしている福島さんにお話しを伺いました。

——お住まいと家族構成を教えてください。

東京の郊外です。子どもの頃から住んでいます。実家も近く古くからの友人もいます。娘達が通った幼稚園は夫も通った幼稚園、地元にどっぷりつかっています。
緑が多く、家の窓の外の景色から見えるさまざまな木々や花を通して四季を感じることができます。都会にも観光地にも電車1本で行かれるこの場所は大好きな場所で、新しくどこかへということは考えてなくって。ここが我が家の歴史を作っていく場所なのだと感じています。それは、たぶん、もうひとつの場所(事務所がある渋谷)があるのも大きいと思います。

現在は夫、娘と3人暮らし。上の娘は結婚して別に暮らしています。2年前におばあちゃんになりました。

——これまでのキャリアについて教えてください。

専業主婦を経て、料理教室のイベント企画会社にパートとして勤務しました。

そこを独立し、会社を立ち上げました。すでに大手企業の契約があったので法人化する必要があったのです。最初は経営などまったく知らず、事業計画も書けませんでした。起業塾に通ったのですが、クラスで一番ダメな生徒だったと思います。起業塾の最終プレゼンがひどいものだったのを今でも覚えています。でもそれがゴールではなくスタートだと確信していました。45歳のスタートでした。

仕事は「食」「料理」に関わることをしています。企業のレシピ開発や調理撮影、料理教室やセミナー、イベントの運営です。企業の新規事業やプロジェクトの立上げに関わることが多く、家庭料理や主婦目線のコンサルティング的な役割も重宝されています。4年前から立ち上げた、食卓から家族を作る「From kitchen」の赤ちゃん連れの料理教室や食の勉強会は、キッズデザイン賞を受賞し、内閣府の広報誌「暮らしの質向上検討会」事例集「みんなでつくろう。みんなの”暮らしやすい!”を」に掲載されました。

現在、新規事業としてFrom kitchenのノウハウを「保育園の献立提供サービス」として展開しています。保育園の給食がこども達にとって「美味しく、楽しいものであるように」と献立を作成しています。また、今後は料理が好きな女性が仕事となるように、子どもの保育と食育のエキスパートを育成したいと考えています。

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——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

たくさんあって、どれが一番とはいえないのですが……。
撮影の仕事で季節外れの食材が必要で、あちこち探し回りやっと手に入れた時。会社設立してすぐいただいた撮影の仕事で、小籠包の出来上がりがクライアントのイメージ通りにならず、何度も作り直して夜中までかかったこと。あの時、いったい何個の小籠包をつくったんだろうなぁ……(笑)。長丁場の仕事が終了し「これで終了です!お疲れ様でした!」の声があがってスタッフと「お疲れ様」を言い合う達成感。From kitchenのお料理教室に来てくれている生徒さんが「美味しくて何度も作って我が家の味になりました」と話してくれるとき。
どのときもひとつひとつが忘れられなく愛おしいです。

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——これまでにぶつかった壁はありますか?

振り返ると、それが壁だったのだろうと思うことがたくさんあります。

壁からは学ぶことはたくさんあります。ただ、目の前のことと素直に向き合い、受け入れ、淡々とこなします。少しずつ背伸びをし、身の丈を伸ばしていく。それのひとつひとつが自分の経験値を増やしてくれるのだと思っています。
新規事業を興している今がまさに壁にぶつかっています。きっとこれが、自分もスタッフも強くしてくれるもの。ひるまずにいきます。

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——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

赤です。仕事が楽しく、熱を持っています。こどもの頃から好きな色でした。赤は身につける色ではなく働く自分の色です。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿は?

貧困や虐待、辛い思いを過ごしてきた女性達に「食」の部分での支援をしています。ごはんを一緒に食べたり、料理を作ったり、遊びに出かけたり、相談に乗ったりしています。最初は交わす言葉も少なかった子が、だんだんと笑顔を見せてくれて、一緒に笑い彼女たちとごはんを囲むことがどんなに大切なひとときかと。みな辛い思いを抱えてはいるのですが……。

その中には妊娠してママになる子もいます。頼れる親がいない子に子育ての協力ができたらいいと考えています。彼女たちの雇用も作れるよう会社として強くなっていきたいと思っています。

——これからチャレンジしたいことはありますか?

料理の勉強をもっともっとしたいです。日本の伝統料理やフランス料理をしっかりと学びたい。経営の勉強をしたいと思い、短期の大学の講座に通いました。学ぶことが楽しいと思えるようになりました。きっと仕事につながっているからでしょうね。日々勉強。昨日より今日の自分。

——日課や習慣にしていることはありますか?

ジャザサイズを始めました。ジムは続かない。運動は好きじゃない……。でも、近所で開催している手軽さにひかれ友人に誘われて始めました。なかなかハードですが、身体を動かすことが楽しくなりました。
身体を冷やさないように気をつけています。生姜を積極的にとったり、5本指の靴下を履いたりしています。この靴下を履くようになってから冷えが軽くなりました。

——息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

夫とごはんを食べに行ったり、プチ旅行をしたり買い物に行ったり、一緒に過ごす時間が息抜きです。大切な友と、美味しいごはんを食べること。カラオケで歌ったり、友達と温泉に行くこと。

——あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りは?

お気に入りは会社……事務所です。
会社設立当初は自宅で仕事をしていましたが、業務が広がりクライアントやスタッフとの打合せや試作、食器類が増えてきたことから、渋谷にある小さなマンションに事務所を構えました。

ここは仕事ではなくてもいろいろな人が集まります。みんなでごはんを食べたり、お酒を飲んだり。大好きな仲間でここを「秘密基地」と呼び「秘密結社」を作ってごはんを食べ、それからトークセッションを開催し……と面白い展開に広がりました。「気の流れがいい」とみなさん気に入ってくれる場所です。

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——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

孫や家族と過ごしている時間。家族でごはんを囲んでいるとき。娘達が小学生の頃、学校へ行く後ろ姿を写真でなく自分の記憶に強く残そうと思い切り取った風景は今も心に残っています。

こんな日常の何でもない風景が一番幸せなんだと。親がこどもとゆっくり過ごせる時期なんてほんの数年。後は友達や自分の世界を作っていく。幸せの瞬間はあっという間だけど、それの積み重ねが豊かな人生を作ってくれるんじゃないかと思います。

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——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

好きなこと、好きなもの、好きな人。「好き」を増やすこと。「ありがとう」を感じることを大切にしています。
「食卓から家族を作る」をコンセプトにしているFrom kitchenですが、美味しいごはんを食べて、笑顔になって、やさしい人を増やしていきたい。そのためには、自分が楽しくって幸せじゃないとね。

ーーーーーーーーーーーーーー
専業主婦を経て45歳で起業した福島さん。一見して遅いスタートのようでもありますが、福島さんのお話を伺うと、長い年月に培った家族との幸せな食があってこその起業であり、仕事なのだと感じられます。「美味しいごはんを食べて、笑顔になって、やさしい人を増やしていきたい」という福島さんの試みは、これからも続きます。
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いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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