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食のコト 2017.08.11

育てて摘んで食べて知る『食べられるお花「エディブルフラワー」のコト』

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食べられるお花「エディブルフラワー」をご存知ですか?
見た目にも可憐なお花は、食べても美味しいんですよ。そんな今、巷で注目を集めているエディブルフラワーのお話です。

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可憐で繊細な花びらがのったケーキは、スイーツというよりもアートの部類に入りそう。花は単なる飾りではなく、食べることができる。
このケーキを作ったのは、お菓子作家の石井織絵さん。10年ほど前、安心・安全かつ華やかな彩りの素材を探していたときに、食べられる花――エディブルフラワー(Edible Flower)に出合ったという。

「子どもたちの反応はダイレクト。きれいなデザインのケーキには歓声が上がるし、花がのったクッキーを握って離さない子もいるほどです」。

シェア90%の農協は…

ビオラにプリムラ、キンセンカ……。観賞用としても名の通った花が、いま食用としても人気を集めている。野菜や果物などと同様、農林水産省が定めたガイドラインに沿って育てられた“食べ物”で、花市場ではなく青果市場で取り引きされる。観賞用の花と違い、鮮度を保つための薬剤が使われていないから、安全に食べることができる。
5「青山フラワーマーケット ティーハウス」で人気のフラワーフレンチトースト。エディブルフラワーは華やかさを演出するために添えている

「ここ3年ほどで、『エディブルフラワーがほしい』という声が急に増えました」。そう教えてくれたのは、豊橋温室園芸農業協同組合の八木良高さん。同農協はエディブルフラワーの生産量で日本一。北は東北から南は九州まで全国の市場に花を卸しており、卸売市場でのシェアは90%を超える。

八木さんによれば、以前は料理のプロに使われることが多かったエディブルフラワーが一般家庭にも浸透してきているそうだ。「百貨店やスーパーでエディブルフラワーを見掛けることが多くなったと思いませんか? SNSで発信する人が増えたことで知名度が上がったのでは」(八木さん)。
4スーパーなどで買えるエディブルフラワーのほとんどは豊橋温室園芸農協のもの

1960年代にサクラソウを食用として栽培したところから始まり、同農協ではさまざまな品種のエディブルフラワーを開発してきた。要望が多いのは、花びらの開き方がきれいと評判のビオラやプリムラ。夏の時期は、暑さに強いトレニアやキンギョソウがよく出るそうだ。

「お客さんの手元に届くまでに2日ほどかかるので強い品種を選んで開発しています」(八木さん)。最近では、星のような形の花びらが特徴のペンタスを食用として量産することに成功した。

3ペンタス。花びらの形が星のように見える

なまものであるエディブルフラワーの消費期限は、数日と短い。そのため市場を通さず、産地から直送するインターネット通販も増えている。

製菓材料の通販サイト「cotta」はこの4月からエディブルフラワーを取り扱い始めた。パティシエからの要望などから取り扱いを決めたが、ふたを開けてみると、購入者の多くは一般のお客さん。注文が入った翌朝に採れた花をセットにして配送している。

2着色料や保存料を使わずに乾燥させて作ったドライエディブルフラワーは、アイシングクッキーなどに使われる

cottaでは、エディブルフラワーを乾燥させたドライタイプの商品もよく売れている。こちらは押し花のようなアイシングクッキーや焼き菓子のデコレーションに使われることが多い。ドライであれば消費期限が1年と長く、季節にかかわらず好みの花が手に入る。

家でも育てられる

お菓子作家の石井さんは、自宅の庭でエディブルフラワーを栽培している。「花を育てて摘んで食べることは、命のサイクルを知ること。ビタミン類やミネラルといった栄養価はもちろん、生の花が持つエネルギーも感じられる」。

家で育てるポイントは、「専用の種や花のついていない苗を購入し、無農薬、または低農薬で育てること」(農林水産省)。キキョウやスイセンなど毒性があって食べられない花もあるので注意が必要だ。

1お菓子作家の石井織絵さんが自宅で採ったエディブルフラワー

エディブルフラワーの知識が豊富な石井さんは、道ばたに咲いている花を摘んで料理に使うこともある。「ただの散歩道でも、その花がどこからやって来てどんなふうに生きたのか、という背景を親子で会話するきっかけになりますよ」。

“インスタ映え”で火が付いたエディブルフラワー。その人気をひもといてみると、命のサイクルを考えるためのタネも隠れていた。

文/前野 裕香
記事/ハレタル
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