
小松菜、キャベツ、白菜、大根、ブロッコリー…十字架の形に葉っぱが開く『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
目次
アブラナ科の野菜と聞いて、ぱっと何を思い浮かべますか?
なかなかイメージしにくいアブラナ科。実は葉っぱが十字架の形に開くと言う共通点があります。
もともと日本では広く食べられているこれらの野菜。どんな種類があるのか細かくチェックしてみましょう。
小松菜-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
葉野菜でありながら暑さにも寒さにも強く、1年中栽培ができる小松菜。名前の由来は江戸時代、現代で言うところの東京都江戸川区の小松川周辺で栽培されていたことから来ています。意外なことに、小松菜はカルシウムが豊富に含まれている野菜です。ほうれん草の3倍もの量が含まれているので、歯や骨の形成には欠かせない野菜なのです。
キャベツ-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
使い勝手の良さから人気のキャベツも、アブラナ科の仲間です。日本には観賞用の葉ボタンとして伝来し、その後江戸時代末期頃から明治にかけて、現在のような丸いキャベツが伝わりました。
キャベツはビタミンCを多く含む野菜です。しかし野菜全体にまんべんなく含まれている訳ではなく、緑の濃い外側の葉が一番多くビタミンCを含んでいます。
ビタミンUという珍しい栄養を含んでいるのも特徴です。キャベジンとも呼ばれるこの成分、胃腸に出来た潰瘍の治癒に非常に効果があると言われています。
白菜-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
鍋にかかせない白菜はビタミンCが豊富です。ビタミンCには免疫力を高めて風邪を防止する効果があるので、冬に旬を迎える白菜はまさにうってつけの野菜なのです。
昔は中心部分が白いものが一般的でしたが、最近は中心が黄色いものが増えてきています。これは核家族化が進み、白菜を丸ごと1つ買う家庭が減ったからです。店頭に並んでいるとき、中心が黄色い方が見た目がよく、よく売れるのだとか。
大根-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
そのまま食べても美味しく、煮ても焼いても漬けても大活躍する大根は、大昔から日本人の食を支えてきました。実は古事記にも、「すずしろ」「おおね」の名で記述されています。年間通して店頭に並んでいる野菜ですが、旬は秋から冬にかけてです。その頃の大根は甘さが増すので、特に冬場には欠かせない野菜となっています。
大根の白い部分には、ジアスターゼやグリコシダーゼといった酵素が多く含まれています。これらは消化を助けてくれる上、腸の働きを整える効果も持っているのです。
カブ-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
白い根の部分は淡色野菜、葉の部分は緑黄色野菜に分類されるカブ。1つでそれぞれの効能が手に入る非常にお得な野菜です。
大根に似た根の部分は、栄養面でも大根に似ています。特に生で食べると、弱った胃を助けたり、食べ過ぎ、胸やけなども改善してくれるのです。
葉の部分は根よりも豊富な栄養が詰まっています。ビタミンやミネラルの他、食物繊維も多く含まれているので、捨ててしまわずしっかりと食べるようにしたいところです。
ワサビ-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
香辛料の定番であると同時に、野菜そのものを見ることはあまりないワサビ。水が綺麗で温度が低い場所で作られています。渓流や湧水で育てる水ワサビと、畑で育てる畑ワサビの2種類があるのが特徴です。
刺身や寿司に欠かせないワサビ。その辛味成分で生魚の生臭さを抑える働きをしていますが、実はワサビには強い殺菌作用があります。風味づけだけではなく、腐りやすい生魚を腐敗から守っているのです。
ブロッコリー-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
ブロッコリーはイタリアが原産の野菜で、キャベツの仲間です。キャベツが花を咲かせることなく葉が巻くように改良されたのに対し、ブロッコリーは花部分を増やすように改良されました。私たちが食べているのは、花の部分なのです。
ブロッコリーは栄養価に優れた野菜です。特に生で食べた場合、摂れるビタミンCはレモンの2倍を誇ります。色鮮やかなため、特に緑の野菜が不足する冬場は、栄養補給だけではなく目でも楽しませてくれる野菜です。
カリフラワー-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
白いブロッコリーのような姿をしているカリフラワー。両者はその見た目通り同じ「はなやさい」です。
カリフラワーの特筆すべき点は、ビタミンCが豊富に含まれていること。しかも組織がしっかりしているため、茹でてもビタミンCが流れださず、しっかりと摂取することができます。
生野菜をたくさん食べるのは大変ですから、茹でても栄養を取ることができるのは大きな利点と言えます。食物繊維も多く含まれていますが、その大半は不溶性です。不溶性食物繊維は腸で量を増して便通を促す効果があります。
なばな-『アブラナ科の野菜の種類とあれこれ』
あまり聞きなれないなばなという野菜、一体どんな野菜でしょうか。
なばなはまだ若くて柔らかい菜の花の花茎や葉、つぼみを食用にしたものです。独特のほろ苦さがあり、お浸しなどにすると美味しく食べることができます。
いつ頃日本にやって来たのかは不明ですが、奈良時代には既に食べられていたなばな。昭和に入ってから品種改良が進み、食べやすくなったことで広く広がるようになりました。
なばなはβカロテンを多く含んでいます。βカロテンは腸で吸収されるとビタミンAに代わる成分。粘膜の元となって風邪を予防してくれるほか、高い抗酸化力で体を錆び付から守ってくれます。
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日本では古くから食卓を彩って来たアブラナ科の野菜の数々。最近アメリカで癌治療に効果があるという研究報告がなされ、にわかに注目度が上がっています。体調を崩しやすい冬から春にかけて旬を迎える野菜が多いので、健康管理にもうってつけです。
文/ケノコト編集部
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