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新しいコト 2017.08.21

相手と心地いい関係になれる『ありがとうとプラスの一言』

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人へ感謝の気持ちを伝える時、どんな伝え方をしていますか?ただ「ありがとう」とだけ伝えるのではなく、さらにプラスの一言を添えることで、心地よいコミュニケーションが育まれるかもしれません。

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1Photo by MARIA

何かをしてもらったときに一言「ありがとう」と伝えるだけでなく、「あなたの行動は、私にこんなふうに影響していて、それを私はとても肯定的に感じている」と、「私」が「あなた」を「肯定」していることを具体的に伝える――。

これは、「肯定のわたしメッセージ」というメソッドだ。長女が生まれて間もないころに出合って学んだコミュニケーションプログラム「親業」で教えられている。「あなたの存在や行動を、私は受け入れていますよ」ということを言葉で伝えるもので、子どもや大切な人との絆を強めていくにもとても効果的とされている。そして、このメッセージは、相手と自分の間に心地よさをもたらしてくれる。

2Photo by MARIA

長女のゆとりは小学校4年生。だいたい毎朝イライラしながら学校に行く支度をして、バタバタと家を出ていく。7時半には家を出ないといけないのに、7時20分までダラダラしているからだ……などとは口に出さずに、その様子を見守る。彼女は、一人で勝手にあわてて、勝手に怒って、「いってきます」の挨拶もそこそこに玄関をバタンと閉めて出ていってしまう。その光景を、私は嫌だなと思った。

物騒な事件や事故は少なくない。考えたくはないけれど、私もゆとりも一緒にいない間に思いもかけないアクシデントに遭遇してしまうこともあるかもしれないのだ。「いってきます」「いってらっしゃい」を言えても、「ただいま」「おかえり」を元気に言い合えるという保証はない。私は、ゆとりの笑顔を見て送り出したい。

あるとき、ゆとりの顔にイライラ・トゲトゲのない朝があった。普通のテンションで支度をして、笑顔で「いってきます」と言うゆとりに、私はこう話してみた。

「ゆとりがそういうふうに笑顔で『いってきます』って言ってくれたから、ママはこの後も安心して過ごせる。今日1日すごく気持ちよく過ごせるから、ママはとてもうれしい」

3Photo by MARIA

ゆとりのリアクションはいつもと変わらないように見えた。次の日の朝も、いつものようにあわただしく支度を始めた。けれど、玄関でピタッと立ち止まって、ゆとりは「いってきます」とニコッと笑ってくれた。

感謝の言葉にプラスして

一緒にいてとても心地いい友人がいる。その友人とは仕事でもかかわっていて、一緒に出張する機会があった。帰りの新幹線の車内販売で食べ物や飲み物を買うと、販売員の女性が一緒にビニール袋を渡してくれた。ごみ入れに使ってくださいという配慮だ。私は「ありがとうございます」とお礼を言った。すると、横にいた友人が「お姉さんがビニール袋をくれたから、ごみをきれいにまとめて捨てられます。本当に助かります」と言葉を継いだ。

その販売員にとっては、ビニール袋を渡すのは当たり前の仕事だったかもしれない。でも、友人の言葉を聞いた彼女はとてもうれしそうな顔になっていた。そのあとも何回か彼女が席の横を通り過ぎたが、挨拶なども好意的で、一期一会の車内でとても心地いい関係を築くことができた。その友人は異性からも同性からも、とてもモテると聞いたことがあるが、それは人間としてモテているのだろう。その一端が垣間見えた。

5Photo by MARIA

「ありがとう」という言葉で、「ポジティブに感じている」ということは伝えられる。さらに、「あなたのこの行動がすごく助かった」「私の話にあなたがあいづちを返してくれるから、安心して話せてありがたいです」といったところまで踏み込んで言葉にすれば、「相手の行動が、受け手である私にどういう影響を与え、それを私がどう感じているのか」まで伝えられる。それは、相手のどこまでを私が肯定しているかということを伝えることにもなり、相手と自分の間にいい距離感を保ちやすくなるように思う。

存在を肯定される心地よさ

「肯定感を伝える」というこの表現方法に、私はすごく自由を感じている。周囲を見渡すと、自分の意見を言うのが苦手だと感じている人は多い。自分に自信がなかったり、自分の意見が相手にどう思われるかが不安だったりして言い出せないのだ。でも、私の思いは私自身しか知らない。言葉にして伝えなければ、その思いは伝わらない。それを伝えられる自由と喜びが、このメッセージにはある。

4Photo by MARIA

そして、肯定のメッセージは、発する自分にもプラスに作用する。相手に対しての肯定を言葉にすることで、「この人がいることで私はこんなに助かってるんだ」と明確に理解できる。そうすれば、その相手が「いるのが当たり前」ではないことに気づく機会にもなるし、人を肯定できる自分がいることもうれしくなるだろう。相手も、好意を押し付けられるのではなく「目の前のこの人が自分を肯定してくれている」と実感できれば、一緒にいる時間を心地よく感じてくれるようになる。

最初は言葉にするのがちょっと難しいかもしれないけれど、まずは練習のつもりで、夫や子ども、家族や友人に肯定のメッセージを伝えてみよう。相手との間に心地よさが生まれ、いろんなことが変わりはじめるチャンスが生まれるのを実感できるはずだ。

文/加藤 さくら
記事/ハレタル
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