
アレルギーの悩みにも役に立つ『知って得するしその成分と保存方法』
目次
しそは中国が原産とされているものの日本でも古代から食べ物としても薬としても使用されてきたシソ科の植物です。刺身と合わせたり、薬味として使われたり、漬け物に使用したりするのが一般的で独特の風味があります。
しそに含まれる抗アレルギー成分ー『知って得するしその成分と保存方法』
しそは昔は咳止めの薬として利用されてきたという経緯があります。今ではしそはアレルギー対策に良いと言われていますが、これはしそに抗アレルギー性を示す成分が含まれているからです。ルテオリンは抗酸化作用を持つフラボノイドの一種であり、アレルギー反応を引き起こす原因となるヒスタミンの放出を抑制したり、アレルギーによる炎症反応を増悪させる原因となるロイコトリエンの生成を抑えたりすることでアレルギー反応を緩和します。また、しそに含まれているαリノレン酸もアレルギー反応の調節に関わる成分です。αリノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸に変換され、アレルギーによる炎症反応の調節に関わる生体内物質へと変換されていきます。原料となるエイコサペンタエン酸が不足していると適切な炎症反応の調節が行われなくなり、アレルギー症状を増悪させてしまうことがありますが、しそによってαリノレン酸を摂取すると緩和されると期待できるのです。しそに含まれているこのような成分が相乗的に働くことで身体の内側からアレルギー応答を弱めてくれるでしょう。
βカロテンなどのビタミンが豊富なしそー『知って得するしその成分と保存方法』
しそには青ジソと赤ジソがありますが、よく食事の薬味や刺身のつまなどとして用いられているのは青ジソであり、単純にしそと言うと青ジソのことを指していることが多くなっています。青ジソには多く含まれているβカロテンはビタミンAに体内で変換されて目や肌の健康に良い作用を示すのが特徴です。10枚食べるだけで一食あたりで必要とされるビタミンAの半分を補うことができます。また、糖質などからエネルギーを生み出すのに欠かせず、中枢神経系の調節などにもに関与する必須ビタミンであるビタミンKはさらに含有量が多いのが特徴です。少しずつとはいえビタミンEやビタミンCのように抗酸化作用を持っていて身体の中でも欠かせない役割を担っているビタミンも含んでいます。ミネラルもカルシウムやマグネシウム、鉄分やマンガンなどのほとんどの重要なものを網羅しているのがしそです。もともと食事の際に大量に食べるということはあまりありませんが、食事の度に少しずつ食べるだけでもビタミンやミネラルのほとんどを摂取して健康を維持しやすくすることができます。
水分を切らさないのがしその保存に重要ー『知って得するしその成分と保存方法』
しそを新鮮でみずみずしい状態で保存するためには水を切らさないことが肝心です。乾いてしまうとしなびて葉先や茎の切り口から悪くなってきてしまいます。そのまま冷蔵庫の野菜室で保存してしまうと乾いてしまいやすいので、一枚一枚丁寧に湿らせたキッチンペーパーで挟み、それをまとめてビニール袋に入れて保存するのが理想的です。数枚を重ねた状態でキッチンペーパーで挟んでもそれほど問題はありません。別の方法として瓶の底に少しだけ水を入れて茎の切り口の部分だけを水に浸けるようにして立てるのも良い方法です。この状態で冷蔵庫に入れておけば二週間程度は新鮮な状態で保存することができます。キッチンペーパーで挟む場合でも便に入れる場合でも、水が古くなると悪くなってしまいやすいため、一日か二日に一度はキッチンペーパーや水を交換するのが大切です。しそは冷凍保存することもできますが、まとめて保存すると互いにくっついてしまいやすいので注意しなければなりません。風味も落ちてしまいやすいので冷凍保存はできるだけ避けた方が良いでしょう。
赤ジソのと青ジソの違いー『知って得するしその成分と保存方法』
一般の食卓でよく見かけるのは青ジソですが、赤ジソも世の中には流通しています。同じシソ科の植物ではあるものの、種類が異なっていて含有成分にも少し違いがあり、一般的な用途も全く同じではありません。青ジソと赤ジソでは色素の違いがあり、βカロテンを多く含む青ジソは緑色、アントシアニンを多く含む赤ジソは紫色になっています。色合いの良さからしそジュースや梅干しにはよく赤ジソを用いますが、青じそでも作ることが可能です。逆に刺身には白や赤のものが多いことから色合いが合うように緑色のものがよく用いられてきました。赤ジソにはアントシアニンが多く含まれているので目の疲れを緩和する効果や抗酸化作用による健康への寄与を期待することができます。どちらが一概に優れていると言えるわけではありません。風味にも少し違いがあるので好みに応じて選ぶのが最も良い方法です。保存方法についても両者には違いはなく、基本的に水を切らさないようにすれば冷蔵で保存できます。両方共に常備しておいて必要に応じて使えるようにすると気軽に食事の彩りを良くしたり、少し風味を変えたりすることが可能です。
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しそは薬味などとしてよく用いられていますが、アレルギーに対して良い効果が期待できることに加えて様々なビタミンやミネラルを広く含んでいます。少しずつ食べるようにすると健康に良く、赤ジソも合わせて食べると効果的です。
文/ケノコト編集部
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