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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.10.21

100人100色―花とグリーンを通して、障がいのある人が活躍できる社会をめざす。会社経営者ー福寿満希さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都在住の会社経営者福寿満希さん(28)です。23歳の若さで起業した福寿さんは、花やグリーンを通して社会に貢献したいという夢を実現。原宿・駒込・川崎にフラワーショップを開店し、障害のある方を積極的に雇用して、誰もがいきいきと働ける場を生み出しました。福寿さんはどのように花をビジネスにして、社会貢献活動に結びつけていったのでしょうか。お話しを伺いました。

——お住まいはどちらですか?

渋谷区に住んでいます。OL時代から住んでいるお部屋なのですが、憧れのメゾネットの物件で一目惚れ。オーナーのご夫婦にとても良くしていただいていて、夏にはスイカをドアにかけていただいたり、外から大きなハチが入ってきた時に助けていただいたり。そんな繋がりが嬉しくて、起業後も変わらず同じところに住んでいます。

——これまでのキャリアについて教えてください

大学卒業後はスポーツ選手のマネジメントを行う会社で、プロ野球選手マネージャーのサポートや選手の社会貢献活動の企画運営に関わらせていただきました。

現在は、23歳の時に設立した株式会社LORANS.(ローランズ)という会社でフラワーギフトやブライダル装花、植栽設置を行うサービスを行っています。

画像1
▶店舗にディスプレイされたお花

さまざまなことが起こる日常の中で滅入ってしまいそうな時、無垢に咲く花に元気づけられたりして、「花ってすごいな」って思うことが多々ありました。もともと大学2年生の時に大きな花束をもらったことをきっかけに、花を生活に取り入れるようになったのですが、社会に出てから、休日を使って花の展示会に出展した際、そこでご縁のあった法人様にオフィス装花などの相談を受けたことがすべてのはじまりでした。

まずは法人向けのフラワーギフトを取り扱うことから事業がスタートしました。
その中で、前職で選手の社会貢献活動を担当させていただいた時に、大きなやりがいを感じたことを思い返しまして。仕事を通じて社会的意義のあることに関われることが大きな喜びになっていたんだなと気づきました。

素晴らしい社会活動がいつまでも継続していくためには、スポンサーや誰かの出資に依存しないことが大切だと感じていました。前職で学んだことを最大限に活かし、「花や植物の仕事」×「社会課題」を軸に事業を組み立てていきたいと思いました。

フラワーギフトの事業と並行して、まず廃棄予定のお花を紙に変える 「Flower Ring -花の再資源化project-(http://flower-ring.jp/)」をスタートさせました。
花の再生紙を作り、名刺の素材にしたり、スケッチブックにして文具メーカーとコラボ商品を企画したり、花を通じて環境課題に向き合いました。

そして次に、障害と向き合う方の積極採用をスタートしました。学生時代に知った障害者雇用の問題にアクションできないかなと。

大学時代に特別支援学校の教員免許を取得したのですが、その学習過程で関わった障害を持つ子供たちの『夢』に触れたことが取り組みにつながっています。
特別支援学校の子どもたちはそれぞれ夢を持ち、嬉しそうにそれを教えてくれます。しかし現実は卒業後の受け入れ先が少なく、狭き門である就職先も袋詰めやデータ入力などの軽作業が多い現状です。
「この子どもたちの働き方が、もっと素敵なものになったら」そう願ってから6年ほど経過し、障害を持つ子どもたちに「お花屋さんになる」という選択肢を提供していくことが今の私にできることなのかなと思っています。

ローランズでは、現在3つの店舗で、60名ほどのスタッフに支えてもらっています。そのうち、およそ7割が障害枠のスタッフです。この雇用を守り、また少しずつ雇用枠を広げていけるよう努めていきたいと思っています。

——ご家族について教えてください

家族構成は、父・母・私で一人っ子です。

「甘やかされて育ったでしょ」とよく言われますが、仕事好きな両親でしたので、野に放たれたように育ちました。
おかげで何か困ったことがあっても自分で調べて解決。何事も決めた後に事後報告、という感じが多く、母親もよくポカンとしていましたね。今、毎日決断が必要な仕事ができているのは、じっと見守ってくれた両親のおかげです。

——これまでにぶつかった壁はありますか?

ありすぎて覚えていません(笑)。

基本、良い出来事はたくさん噛み締めて、そうではないことはあまり執着しないようにしています。良い意味で鈍感であることも大切なのかなと。あとは、新しい出来事や、学ぶことを楽しむこと。そんなことを思いながら、日々たくさん笑うようにしています。笑う門には福来る!

——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

うーん。一番のエピソードというのはぱっと浮かばないんですが、思い浮かぶのは一緒に働くメンバーにもらった言葉や、表情ですかね。

初めての給与を、涙ぐんで受け取ってくれたこと。弱音を言ってしまいそうになった時、「ローランズという会社がないと困ります」と言われたこと。「仕事が楽しい」と、とにかく一生懸命取り組んでくれること。本当に、日々彼ら彼女らに力をもらっています。

——あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

「守り続ける」ことです。一緒に働いてくれてるメンバーを、人生をかけて守っていくんだという気持ちが働く原動力になっていますね。

——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

ライトグリーンでしょうか。自分自身が道端に生きる雑草のような感覚でして(笑)。その中で最大限にいきいきと。楽天的であれればと。なので、濃いグリーンよりも明るいライトグリーンで!

——今後、あなたがありたいと思う姿について教えてください

仕事と両立して、いつか結婚と子供育てをしたいです。一緒に働くスタッフで若い女性も多いので、仕事もプライベートもバランスをとってやっていけることを、身を持って伝えられたらいいなと。

実際はとても大変かもしれませんが、できているかっこいい諸先輩方がたくさんいるので、きっと自分にもできる、はず!と。

——これからチャレンジしたいことは?

花業界の障害者雇用のあり方を変えることが大きな目標です。障害があっても技術を取得し、戦力として花の現場で活躍していく。長い道のりですが、そのために今やれることを一つずつ重ねているところです。

福寿さん 打ち合わせ風景
▶原宿店オープンにあたり、内装のデザインの打ち合わせ
 

——あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

「眠って忘れてしまうこと」です。あまり男性には理解されにくいのですが、女性あるあるなのでしょうか。

——日課、習慣にしていることはありますか?

一人の帰宅でも「おかえり」「ただいま」を言ったり、一人で眠る時でも「おやすみ、今日もお疲れ様でした」と言って、気休めですが自分を労わって言葉をかけています。
そうです。一人二役です。友人が家に遊びに来るときにも言葉が出てしまって引かれますが、慣れてしまいました(笑) 。

——あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りは?

真夜中のスターバックス。あまり活用しないようには心掛けてはいるのですが、代官山に2時まで開いているスターバックスがありまして、どうしても集中できないけど終わらせなくては!っていう仕事がある時に、重宝させてもらっています。

行くと周りにもPCに向かっている人がいるので、触発されつつ。ただ、体はいつまでも学生時代の感じではないようで、そろそろ規則正しく生活しなくてはと思っているところなのですが、そう思ってかれこれ3年くらい経っている気がします……。

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

「この会社が大好きです」と言ってもらった時。ホントに嬉しいですね。メールで嬉しい言葉をもらうと保存して、踏ん張りたいときに見ています。

あとは、疲れて倒れるように眠るときは至福の眠りですね。

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

何も持ってなかった時にそばにいてくれた人の存在を忘れないこと。ついつい見えなくなってしまいがちですが、原点を忘れないように。苦労した時期に、近くにいてくれた人の顔を思い出して、時々連絡したり。結局また力をもらってしまうのですが。頭が上がりませんね。一緒に踏ん張ってくれた人を、時間が経っても大事にできる人間でありたいと思っています。

画像4
▶マラソン仲間と軽井沢にて
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
働いている時の自分をライトグリーンで表現してくれた福寿さん。誰もが活躍できる社会をめざすその姿は、太陽の光を浴びて伸びやかに育つグリーンのようにいきいきと輝いています。福寿さんの夢が大樹のように育って、社会を変える力となっていく未来を応援したいですね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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