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まめ知識 2021.08.22

ナンプラーを代用できるおうちの調味料とは?知って得する成分と保存方法

目次

タイの伝統的な調味料して使用されているナンプラーは魚醤の一種です。

ナンプラーの歴史は意外と浅く、タイで庶民が利用するようになったのは20世紀中頃だとされています。

最近では、日本の家庭でも使用されることが増えたナンプラーですが、店頭などにおいていないこともあり、家庭に常備していないことが多いです。

家にある他の調味料でナンプラーの代用は可能なのでしょうか?この記事では、ナンプラーの代用品やナンプラーの成分・保存方法などについて紹介します。

ナンプラーの原材料

タイでは家庭料理で使われていることが多く、ポピュラーな調味料のナンプラーはカタクチイワシを原料に製造されている日本では醤油のような位置づけの魚醤です。

洗ったカタクチイワシを大量の塩で発酵させて、1~2年ほど熟成して魚が液化したものの上澄みをろ過して製造されています。

製造工程が大変なため、本場タイでも家庭で作られることはほとんどなく、商品用として製造されています。

ナンプラーの味と独特な匂い

ナンプラーは発酵されているため、独特の匂いがして苦手な方も少なからずいらっしゃいます。その匂いを例えて、魚の生臭い匂いや同じ発酵食品の納豆に近い匂いと言われることが多いようです。

そんな独特な匂いを持っているナンプラーですが、カタクチイワシの旨み成分が濃縮されているため、料理に深いコクを出せるだけでなく、魚介の風味を加えることができ、味付けのシンプルなエスニック料理に重宝されています。

ナンプラーの種類

独特の匂いがあり料理に深いコクを加えることができるナンプラーですが、「ニョクマム」と「プリックナンプラー」という種類に分けられています。同じナンプラーの仲間ですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょう?

「ニョクマム」と「プリックナンプラー」の特徴について見ていきましょう。

ニョクマム

ニョクマムもナンプラーと同じカタクチイワシが原料の調味料ですが、タイではなくベトナムが原産の調味料です。製造方法や味わいはほとんど同じですが、ニョクマムの方が魚の発酵度や香りが強く塩味が控え目と言われています。

栄養素でみても、ナンプラーが塩分であるナトリウムが多く含まれているのに対して、ニョクマムはアミノ酸になるたんぱく質が多いという違いがあります。

プリックナンプラー

プリックとは唐辛子の意味で、プリックナンプラーとはナンプラーに砂糖と酢を混ぜ込み、生の唐辛子を漬け込んだタイの家庭でよく作られている調味料です。

ナンプラーの中に砂糖を入れるため、日持ちする日数が1週間ほどですが、通常のナンプラーよりも香りや辛みが増していてタイでは白ご飯に垂らして食べるのも定番なほど食欲をそそります。

幅広い料理と相性が良く、数滴垂らしただけでタイ料理の雰囲気を出すことができます。

発酵食品であるナンプラーの成分

カタクチイワシなどの小魚を発酵させることで作るナンプラーは発酵食品の一種です。発酵の過程で魚の栄養が分解され、魚にもともと含まれていた成分も溶け出しています。

アミノ酸

まず、代表的な成分としてアミノ酸が多く含まれているのがナンプラーの特徴です。旨味成分であるグルタミン酸も豊富です。

アミノ酸はタンパク質の分解によって生じますが、その中間産物であるペプチドも豊富です。多様な種類のペプチドが含まれていて、消化吸収が良いアミノ酸の供給源になるだけでなく、それぞれが身体にとって良い作用を示すことがわかってきています。

DHAやEPA

青魚に由来する脂質成分であるDHAやEPAも含まれているのも特徴です。

必須脂肪酸であるDHAやEPAは身体を構成する細胞の細胞膜を作るのに欠かせない成分であり、DHAは特に脳や目の健康に役立ちます。

EPAは血管の状態を改善するのに役立つと共に、高血圧の対策にも良いとされているのが特徴です。

ミネラル

調味料として塩辛い味がするナンプラーにはナトリウムが多く含まれています。

ナトリウムを過剰摂取すると高血圧になりやすかったり、腎臓の疾患を負いやすかったりするというデータがあります。

しかし、ナトリウムは身体にとって欠かせないミネラルでもあり、欠乏すると疲労感に苛まれたり、痙攣を起こしたりするようになります。

ナトリウムは神経活動や筋肉の運動をする上で不可欠な役割を果たしているため、適量を摂取することが重要です。

また、ナンプラーにはマグネシウムやクロムなどのミネラルも比較的豊富です。

ビタミン

ナンプラーは発酵の過程でビタミンも多くなっています。

ビタミンB群のナイアシンやビタミンB12はその中でも豊富です。ナイアシンは皮膚や粘膜・神経などの形成やエネルギー産生などの様々な代謝過程に欠かせないビタミンです。

ビタミンB12は細胞を増やすのに必須のビタミンであり、特に子供や妊婦には十分な量の摂取が求められています。

ナンプラーの代用品となる調味料

ナンプラーや魚醤がご家庭になくても、他の調味料や同じような役割をしている醤油に他の調味料を加えることで、ナンプラーの代用品とすることが可能です。

ここでは、醤油と組み合わせることで、ナンプラーの代用品にできる調味料の組み合わせについて紹介します。

日本の魚醤で代用する

日本の醤油のような位置づけのナンプラーですが、日本の醤油が大豆を原料にしているものが多いのに対して、ナンプラーは海水魚を原料としているという違いがあります。

そのため、ナンプラーの代用としては日本の醤油はなりえないと思われがちですが、日本にも魚を原料とした魚醤は製造されていて、ナンプラーの代用として料理に使用することができます。

秋田県の「しょっつる」

しょっつるはハタハタなどの原材料に、塩を加えて1年以上熟成させた秋田県で作られている魚醤です。

しょっつる鍋などの鍋物の味付けや、炒め物や焼き物など刺身醤油として幅広い使用用途があり、旨味と魚醤特有の風味が特徴的です。

しょっつるはナンプラーと同じ魚醤のため、ナンプラーがないときの代用品として使用することができ、逆にしょっつる鍋にナンプラーを使って代用することもできます。

しかし、しょっつるはナンプラーに比べて魚の風味が少なく匂いが独特で、苦手な方が一定数いらっしゃいます。

また、匂いは特徴的でも風味は少ないため、アクセントをつける場合には、別の調味料を追加する必要があります。

石川県の「いしる」

いしるは石川県で製造されている魚醤で、日本海に面した地域ではイワシやサバを原料にされることもありますが、富山湾に隣接している地域ではイカの内蔵を原料に製造されているものも出回っています。

熟成される期間がしょっつると同じように1年以上熟成されていて、長いものでは2年近く熟成されてから出荷されます。いしるもしょっつると同じように使用用途が幅広く、ナンプラーと同じ魚醤のため代用品として使用することができます。

しかし、いしるはナンプラーに比べて和風な香りが強いため、エスニック料理に使用する場合にはナンプラーに比べて少し物足りなさを感じます。

各国の魚醤で代用する

ナンプラー1
アジア地域では他にも有名な魚醤がいくつもあり、カンボジアではコイ科の魚を利用したトゥック・トレイが有名です。

薄口醤油で代用する

ナンプラーと同じ魚醤である「しょっつる」や「いしる」は代用品として有効的ですが、そもそも家に魚醤をおいていないご家庭も多いのではないでしょうか?しかし、魚醤はなくても使用頻度が高い薄口醤油ならば常備している家庭も多いです。

大豆で作られている薄口醤油ですが、ナンプラーの代用品として使用することでナンプラーに近い味わいにすることができます。

しかし、原料に魚と大豆という違いがあるため薄口醤油だけでは代用品としては不十分で、薄口醤油に他の調味料を組み合わせることで代用することができます。

レモン汁と醤油で代用

醤油にレモンやレモン汁を加えることでナンプラーの雰囲気を出すことができ、代用品として有効的です。

魚を使っていないため、ナンプラーの味を前面に出す料理には向いていませんが、隠し味にすることでナンプラーに近い雰囲気を出すことができ、魚臭さが苦手な方でも食べやすい味に仕上げることができます。

味ではなく、ナンプラーの持つエスニック風味を代用したい時におすすめのです。

ポン酢と醤油

醤油にポン酢を加えることでも、ナンプラーの代用品として使用することができます。魚介が入っていないため、魚の苦手な方にも食べやすい仕上がりになります。

しかし、ポン酢にはダシの味が入っていて和風の味わいに仕上がるため、タイ料理をはじめとしたエスニック料理に使用すると少し物足りなさを感じるかもしれません。

逆にエスニック料理を食べ慣れていない方には、ダシの効いた和風テイストに仕上がるため、食べやすくなりおすすめです。

アンチョビと醤油

アンチョビはカタクチイワシを塩漬けにして、オリーブオイルで漬け込んだイタリア発祥の食材です。

ナンプラーのような魚の臭みと塩味が入っているため、醤油に混ぜ込んで使用することでナンプラーの代用品にすることができ、ナンプラーにかなり近い味を再現することができます。

アンチョビを醤油を混ぜ込む時には細かく刻んでいくか、チューブタイプで販売されているペースト状で混ぜることで、アンチョビのダシをより引き出し味わい深い仕上がりになります。

またアンチョビがない場合は、イカの塩辛を使用してもアンチョビと同じようにナンプラーの代用として有効的です。

オイスターソースと醤油

中華料理に欠かすことができないオイスターソースですが、醤油と混ぜ込むことでナンプラーの代用とすることができます。オイスターソースは、牡蠣を原料に塩や砂糖で加熱濃縮されて加工されているため牡蠣の香りやコクがあります。

そのため、醤油に加えることで不足している魚介の香りやコクを加えることができ、ナンプラーに近い味わいに仕上げることができます。

なお、オイスターソースを加えたのみでは甘みが勝ってしまうため、塩で調整していくことによりナンプラーのしょっぱさを出すことができます。

ナンプラーの保存方法

ナンプラーは見た目では醤油とあまり違いはありませんが、原料として魚が使用されている点が大きく異なります。

密封されて市販されているナンプラーについては開封するまでは直射日光を避けて冷暗所に保存すれば数ヶ月間は使用することができます。

開封後も一ヶ月程度であれば常温で保存することができますが、だんだんと風味が落ちてきてしまうので長期保存には向きません。日常的に使用するのでなければ冷蔵庫に保管した方が長持ちします。

冷蔵庫に長い間置いていると、だんだんとボトルの壁のあたりに固体が見えてくる場合がありますが、これは水分が減って内容物が析出してしまったものです。

変質しているわけではありませんが、味落ちしている可能性が高いので使用するにはあまり好ましくはない状態になっています。

密封されていないとこのような状態になりやすいので、ボトルの気密性が低い場合にはボトルごとジッパー付きの袋などに入れておくとおすすめです。

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まとめ

ナンプラーはタイ料理には欠かせない調味料の1つで、自宅でタイ料理を調理する時にはナンプラーを買うことが基本です。

しかし、店頭になかったりナンプラーの匂いが苦手という方は、家にある調味料で代用することができますので、ぜひ試してみてくださいね。

文/ケノコト編集部

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