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知るコト 2017.11.06

暮らしの歳時記『11月の風物詩 酉の市の楽しみ方』

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今年もあっという間に11月。風が冷たく空気は澄みわたり、本格的な冬の訪れを感じる季節になりました。日本の年の瀬の風物詩として有名な酉の市。新しく迎える年が良き年になるよう、ご家族やお友達を誘って酉の市に出かけてみませんか?

酉の市ってどんな市?

酉の市は来る年の開運招福や商売繁盛などを祈願して、毎年11月の酉の日に全国の大鳥(おおとり)神社で行われる祭礼です。もともとは「酉の祭(とりのまち)」や「おとりさま」などと呼ばれる収穫祭で、この日に市が立つことから「酉の市」の呼び名で親しまれるようになりました。
縁起物の熊手の露店が境内の中に立ち並ぶのがこの祭りの最大の特徴です。縁起熊手は商売繁盛や千客万来を願ったものが多いですが、最近では恋愛成就や健康、必勝祈願といったように願い事の種類もバラエティに富んでおり、商売人だけではなく老若男女幅広く楽しめるお祭りになっています。
かっこみ熊手
祭りは日付が変わる深夜0時の一番太鼓とともに始まり翌日の深夜まで24時間続きます。
露店の数も凄まじく、全国的にも有名な浅草の酉の市では150軒以上の熊手の露店が軒を連ねます。
食べ物や遊戯の露店もたくさん出るので、散策だけでもお祭り情緒を充分満喫することができますよ。
酉の市 提灯
11月の酉の日の数はその年の暦によって変わりますが、2017年は3回巡ってきます。
今年は一の酉が2017年11月6日(月)、二の酉が11月18日(土)、三の酉が11月30日(木)です。

また、「三の酉まである年は火事が多い」という言い習わしを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これは、楽しいお祭りが三度も続いても浮かれすぎないようにという意味や、三の酉にあたる月末には寒さも増してくるので火の扱いには注意するようにという戒めから言い伝えられているようです。
今年は三の酉まであるので江戸時代からの教えに耳を傾けて、火の元には注意を払いましょう。

酉の市の熊手はどうして縁起ものなのか?

どうして酉の市には派手に装飾された熊手が並ぶのでしょうか。
もともと収穫祭だった酉の市には多くの農民が訪れました。露店商は農具に小判やおかめなどの縁起物を貼り付けて装飾して売っていたそうです。
中でも熊手は「福をトリ込む」、「金銀をトリこむ」と洒落も利いていて大人気の縁起物。
そこからはじまり、現代においても「金運や客を掻き込む縁起物」として、毎年たくさんの商売人が熊手を求めに酉の市にやってくるのです。
熊手露店

熊手の買い方にも「粋」がある?!

酉の市に並ぶ縁起熊手には、手のひらに乗るようなものから巨大なものまで大小様々なサイズがあります。
また、小判や宝船、招き猫など華やかな装飾が施された熊手もあれば、升に入った置き式のタイプなどデザインも様々です。
熊手は毎年少しずつ大きなものに買い替えていくもの。つい大きなものを選びたくなりますが、はじめは小さなものを選びましょう。

酉の市では熊手屋さんとの「買った(勝った)!」「まけた(負けた)!」の威勢の良い掛け合いが見られるのも楽しみのひとつです。
どれだけ値切れるかは腕の見せ所ですが、値切った分はご祝儀としてお店に置いていくのが粋な買い方。
商談が成立すると、「イヨーッ」という掛け声とともに三本締めで盛り上がる光景が至る所で見られます。

酉の市名物「切り山椒」で風邪予防

江戸時代、熊手と並ぶ酉の市名物といえば黄金餅でした。栗と餅を練り合せた黄色い餅菓子で、これを食べると「金持ちになる」という縁起菓子として参拝者に人気だったのだとか。今では黄金餅を作る店がなくなってしまいましたが、それに代わって山椒の粉が求肥に練りこまれた極上品の和菓子「切り山椒」が酉の市名物となりました。地域によっては練り山椒、さんしょ餅などと呼ばれています。
切山椒
山椒は葉と実を食べ、幹はすりこぎや杖に使い、捨てるところがない有益な縁起物。
また、これを食べれば風邪をひかないとも言われていて、本格的に冬が到来するこの季節にはぴったりのお菓子です。
ものは試し、酉の市にお出かけの際にはぜひ試してみてくださいね。

酉の市は新年を迎える準備の事始め。
夜通し開催されているので、朝昼晩どの時間帯に出かけても楽しむことができます。
熊手を買い求めに行くもよし、屋台ご飯を味わいにでかけるのもよし。
ぜひ皆さんが暮らす街の酉の市に出かけ、江戸時代から続いてきた年の瀬の祭りを体験してみてください。

コラム / わたなべ さやか
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大学卒業後、BEAMSに10年勤務。店舗開発担当として日本各地に出向き、服やモノを通してカルチャー発信するライフスタイルショップの店づくりに携わる。その後日本料理一二三庵が主宰する料理教室アシスタントに転身し和食の世界の扉を開く。2014年に日本橋茅場町に日本酒とおばんざいの店煮炊きや おわん」を仲間と立ち上げ、初代女将を務めた現在は食や暮らしにまつわるイベント企画や、執筆活動を行っている。

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