知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

教育・子育て 2017.11.06

授乳の大変さから生まれた『お母さん発の哺乳瓶クッション』

LINEで送る
Pocket

ミルクを飲んでいる赤ちゃんの姿は、とっても癒されますね。でも、頻繁な授乳に大変な思いをされているお母さんも多いのではないでしょうか?そんなお母さんの手助けになるような哺乳瓶クッションがあるようです。

ーーーーーーー
5Photo by MARIA

台形のクッションに哺乳瓶を固定して使う、ハンズフリーの哺乳瓶用クッション「NEWママ代行ミルク屋さん」をご存じだろうか。授乳をサポートするアイテムで、2005年の発売以来、合計2万個以上を売り上げているロングセラー商品だ。

一見シンプルなつくりだが、さまざまな工夫が施されている。哺乳瓶を支える部分にある滑り止めは、長さや形、太さ、素材にかかわらずどのメーカーの哺乳瓶でも固定することができる。クッションの中身は軽くて触り心地のいいビーズ素材で、変形させることで、赤ちゃんの口元にフィットさせられる。

タオルを重ねて

「NEWママ代行ミルク屋さん」を作ったのは、2人の子どものお母さんである大杉千里さん(46)。長男を産んだとき授乳に苦労した経験が、商品を生み出すヒントになった。

4Photo by MARIA

「少しずつしかミルクを飲めない子で、1回の授乳にかかる時間が30分以上。手や腰が痛くなってくるんです」(大杉さん)。そんな状況をどうにかしなければと、大杉さんはタオルを何枚も重ねてその上に哺乳瓶を置いてミルクを飲ませていたそうだ。

同じように苦労しているお母さんがたくさんいることを知った大杉さんは、自分がタオルでサポートしていたようなアイテムを商品化できたら、と考え付く。「タオルを使うより安定した土台ができないだろうか」と試行錯誤した。

大杉さんの行動力はここから本領を発揮する。工場をいくつか選んで試作品を作ってもらい、いちばんていねいなものづくりをしてくれた会社を選んだ。自分の思いを伝えたところ、「予算が少なく数が限られていても作る」と社長が太鼓判を押してくれたそうだ。

3土台の「台形」は事務用品のクリップにヒントを得たという

土台を形作るビーズ素材は、スーパーの寝具コーナーで“発見”した。「とても軽くかつ細かなビーズが流れるように動く。さまざまなサイズのほ乳瓶を支えられると確信しました」(大杉さん)。工場からは、哺乳瓶を固定するための滑り止めに、「赤ちゃん用靴下の裏に使われているアクリル樹脂を使っては」とアドバイスをもらった。

ようやく完成したアイテムだったが、使ってくれるお母さんたちの声を聞いては改良を重ねたという。「特に悩まされたのは、『プラスチックや短い哺乳瓶が滑ってしまう』という声」(大杉さん)。哺乳瓶が触れる部分の生地を二重にして解決したが、このシンプルな改良に辿り着くまで10年かかったそうだ。

2Photo by MARIA

この商品が世に出て10年経つが、今でも月に約200個のペースで売れ続けている。一度に2~3個注文する人や、追加で注文する人も多い。半数近くが、双子や三つ子、もしくは年子など年齢の近いお子さんを育てるお母さんだ。

年子のきょうだいを育てるお母さんから「上の子が動き回って目を離せないときでも、下の子にミルクをあげられて重宝している」と感謝されたこともある。

“背中スイッチ”をオフにする?

そんな大杉さんは、11年にまた一つ、画期的な子育てグッズを世に送り出した。それは、「おやすみたまご」という名のベビーベッド。「いわゆる、“背中スイッチ”が入るという状態をどうにかしたかった」(大杉さん)。

大杉さんが着目したのは赤ちゃんの背中の形。「お母さんの胎内にいたときは背中が丸くなっている状態。赤ちゃんにとってはいちばん気持ちいい姿勢なんです」と、大杉さん。

哺乳瓶クッションと同様、ベッドの素材もビーズクッション。赤ちゃんの背中が「Cカーブ」を描いて丸くなるよう工夫した。前回お世話になった工場に相談し、素材選びから試作品作りまで、使い心地を検証しながら完成させたそうだ。

1「おやすみたまご」。大学病院や助産院、保育所などでも使われている

赤ちゃんの深く長い眠りを実現できるというメリットもあり、おやすみたまごは大ヒット。16年には約5000個売れた。現在も月500個以上のペースで売れている。

現在、大杉さんは第三弾となる商品を企画している。「ミルクを飲まなくなった後も、『NEWママ代行ミルク屋さん』をおもちゃとして使う赤ちゃんが多いのです。握ったり、抱いたりできるような新生児用のビーズおもちゃがあればいいな、と」(大杉さん)。

自分の子育ての苦労から商品を開発してきた大杉さんは「子育てで気持ちがいっぱいになってお母さんがイライラすると子どもが不安になる。心と体に余裕をもって育児を楽しんでもらいたい」と話す。母ならではのアイデア商品を生んだ大杉さんのバイタリティから気づかされることはとても多い。

文/田賀井 リエ
記事/ハレタル
haretal-b
ママ時間からわたし時間へトリップ。
「何かしたい」「新しい自分を見つけたい」「一歩踏み出したい」――。
『ハレタル』はそんなみなさんの「モヤモヤ」に寄り添い、新たな気づきを提供する情報発信メディアです。
ホームページ

その他のおすすめ記事

おばあちゃんのアイデアが詰まった『おばあちゃんのための育児グッズ』

おばあちゃんのアイデアが詰まった『おばあちゃんのための育児グッズ』

少し立ち止まって一呼吸『「ブレない自分」だからこそできるいい子育て』

少し立ち止まって一呼吸『「ブレない自分」だからこそできるいい子育て』

日本から世界へ『母子手帳が救う、世界のママと子どもたち』

日本から世界へ『母子手帳が救う、世界のママと子どもたち』

LINEで送る
Pocket

コメント

コメント欄


instagram-iconみんなのInstagram

人気の記事

2018.12.12

12月13日は新年に向けての準備をしよう『正月事始めのコト』

2018.11.30

ワンボウルで混ぜるだけ『バナナとココナッツのパウンドケーキ』

2018.11.30

お掃除は『新聞紙』にお任せ!おうち掃除に役立つ使い方ご紹介

2018.11.28

【開催レポート】『クリスマスリース・ワークショップ』を開催しました!

2018.11.26

旬食材『牡蠣』ー 海のミルクと言われる栄養豊富な冬の味覚 ー

2018.11.25

甘みに驚き!レンジで時短『オニオングラタンスープ』

2018.11.23

人気の焼き芋をおつまみにアレンジ『焼き芋ゴルゴン』

2018.11.21

覚えておきたいおやつレシピ『酵母のスコーン』

2018.11.13

外はサクッ!中はフワぷりっ!『エビタラカツ と たくあんタルタル』

2018.11.12

台所育児エッセイ「暮らしに恋して」『 19 整理整頓なんて』

編集部おすすめ記事

2018.11.30

旬の秋鮭をおいしく!『秋鮭の味噌漬け焼き』

2018.11.27

大きなツリーは飾れない!コンパクトに飾れる『おしゃれで可愛いミニツリー』

2018.11.22

【新連載】『第1話 山型食パン』akari’s life style

2018.11.21

どこに置いたらいいの?『調味料のベストな保存場所』

2018.11.20

11月の和菓子 かわいい動物をイメージした『亥の子餅』 

2018.11.14

秋の味覚、新米。いつからいつまでが新米?

2018.11.13

これだけは抑えておきたい大掃除!『家族の役割分担を決めて効率的に終わらせよう』

2018.11.09

子どもと楽しむクリスマス『英語で歌えたらかっこいいクリスマスソング』

2018.11.08

もう覚えましたか?『新しくなった洗濯表示〜その覚え方のコツとポイント〜』

2018.11.03

ヨーグルトの酸味とブラックペッパーがほどよいアクセントに 『柿と水切りヨーグルトとブラックペッパーのサンドイッチ』

月間人気記事

2017.09.14

指先のカサカサを直したい!『指先の乾燥の原因とケア方法』

2017.07.16

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2017.04.01

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2018.03.26

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2018.11.29

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「大根」の常備菜」

2016.11.20

ほったらかしで大丈夫。干し野菜レシピ『干し大根をつかった作り置きおかず』

2017.08.30

みかんの栄養はビタミンだけじゃない!『知って得するみかんの成分と保存方法』

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.04.24

子どもの遊びがさらに広がる『初めてのはさみの「正しい持ち方・使い方」』